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おととしの東京国際映画祭で「罪の天使たち」を観てとても感動したのですが、ビデオ化ってされてないですよね。大きなビデオ屋で探しても「スリ」「アルジャン」「抵抗」「田舎司祭の日記」くらいしかなくて・・彼が撮った12本の作品をすべて観たい、と願っているのですが、特集上映の予定はどこかでないのでしょうか?あと上述の作品以外にビデオ化されているものってありますか?

A 回答 (3件)

『バルタザールどこへ行く』と『少女ムシェット』はDVDが、『ジャンヌ・ダルク裁判』はビデオとDVDが出ております。

未公開作品の『ブローニュの森の貴婦人たち』は1度ビデオ化されましたが、廃盤になりました。

あと特集を組むかどうかとなると分かりませんが、市ヶ谷の東京日仏学院とか、駿河台のアテネ・フランセ、この辺の上映情報を見ていれば、たまに出てくるように思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。日仏とアテネはしばらく行ってませんが、ぴあをチェックしておこうと思います。

お礼日時:2001/10/02 20:20

  こういう質問は大歓迎です。

人を集めることのみを目的にするようなものからは遥か遠くに隔たった、映画が映画で在ることを目指して創られた品たち。そして、それらが永遠の生命を持ち続けていることを、こうやって改めて認識出来るのは、かつてその一部にでも触れた者にはすばらしい出来事です。といった前置きはさておきとしまして。

 ここ半月程の間に「シネマテークって何?」という質問がこのサイトで有りました(私は回答しませんでした)。もし、ブレッソンのような映画作家と呼ぶべき存在の映画監督の特集上映が行われるとすれば、そのシネマテーク以外では有り得ません。
 シネマテークというのは、主に研究を目的とする(或いは単なる娯楽として見るのではない)人々を対象に、割合安い料金で、様々なテーマを設けて特集を組んで上映を行う文化機関です。研究上映ですから、現在では既に版権(上映権)が切れている作品でも、様々な映画保存団体や映画会社、場合によっては個人からプリントを借り出して、特別に上映します。
 日本の場合その代表は・・・(質問の主旨から離れてきたのでここまでにします)。そのフィルムセンターは外国人監督の特集はあまり組みません。ですから期待しても、まぁこの先10年経っても有るかどうかでしょう。
 以前は御茶ノ水のアテネフランセ文化センターが10年に1度くらいやっていた様にも思います(私もその際に「バルタザール~」を観ました。しかし、私が映画を観るのをそろそろやめ始めていた10年近く前には、既にそのような割合ありふれた企画(誰でも思い付く、という意味)はほとんど組まれなくなってしまっていました。今もその辺りはあまり変わっていないのではないかと思います。
 これ以外のところというと、飯田橋の日仏学院ですが、ここはあくまでもフランス語学習のための上映ですから、良くて英語字幕版です。日本語字幕の付いたプリント(フィルム)が上映されることは、例えそれが国内に有っても、ここでは無いと言い切ってしまって差し支え有りません。

 それでもいつかは観られる機会が有ると熱心に追い続ける志が有るならば、参考となる重要な情報を記載しておきます。尚、私はヴィデオで映画見るのは単なる参考程度にしか考えていませんので、そちらについては全く答えないことにします(ネットで調べればかなりのことが判る筈ですが)。
 長編の初期の3作は日本では今でも商業上映はされていないはずです。「抵抗」もヴィデオ発売の折り、プリントによる特別一般試写会が行われましたが、ヴィデオで発売されたこれ以前の作品と同様に、シネマテークでの上映が可能かどうかかなり疑わしいです。東京国際での特集上映は非常に限られた機会だったと思って下さい。ただし、字幕無しまたは英語字幕版ならフランス大使館の文化部が所蔵している筈で、それらはアテネなどでも上映されてきました(他の作品でもその可能性は高い)。
 「スリ」、「ジャンヌ・ダルク~」、「バルタザール~」、「白夜」、「ラルジャン」は、川喜多記念映画文化財団やここに非常に近い映画会社が(フランス映画社)プリントを保存していますから、日本語字幕版が存在します。割合簡単に上映される可能性が有ります。
 「少女ムシェット」は傑作だと思いますが、確かに字幕付きのプリントは国内に有るものの、これこそよほど特別なことが無い限り上映されません。アテネの特集の際にも、「貸し出し交渉中」と有ったまま、とうとう出てきませんでした。その後、東宝東和の創立者である川喜多夫妻の業績を記念する特集上映が日比谷のシャンテで行われた際1日だけ上映され、これが好評だったためか、そののち数日間特別に上映が追加された様に記憶しています。
 「白夜」を除く「やさしい女」から「たぶん悪魔が」までの作品には、日本で公開されなかった大きな理由が有ります。具体的にどれがと指摘することが出来ませんが(もしかするとそのすべての可能性も有ります)、これらの作品のうちのいくつかはアメリカのメジャーが世界配給権を押さえてしまったために、例え邦人系の志の高い映画会社が輸入したいと思っても不可能だったのです。
 私がアメリカ映画が嫌いなのは、アメリカンメジャーがこのような、或る意味では作品つぶし、作家つぶしといったことを極く通常の手段として行っているからです。初めから公開をする気が無いのなら(自国でも上映しないことが有るらしい)、金に物を言わせて我々がそれを観る機会を奪い取らないで欲しい。こういう形で日本では上映されていない作品や監督は実はかなり有ります。
 唯一、ユナイト日本支社は元々・・・(脱線が長くなって来たのでここまでにしておきます。もし続きを読みたいなら、礼文中でお知らせ下さい)。
 それでは何故「やさしい女」が上映されているのかというと、これはフランス映画社がメジャー(失念。20世紀FOXだったか?)と交渉した結果、制作後10年ほどしてようやく日本での公開が実現したものでした。形としては委託上映ということなので、日本語字幕付きのプリントがそのまま国内に有るのかどうか、かなり微妙な所でしょう。

 私はとうとう「ジャンヌ・ダルク~」は観ないままになっていますが、現在までに7本ですから半分少しという所です。先年の特集も情報としては知っていましたが、既にその情熱は失せにけり、というところかも。時々かなり気になる作品が上映されているのを知っても、もう過去のことかもしれません。
 それはともかく、これから追い求めようという人は、情報誌「ぴあ」(これ以外の情報誌では役に立ちません)で映画のページの「定期上映館」の部分は必ずチェックすることをお忘れ無きよう。熱心に見ていれば、特集ではなくともたまに上映されることは有りますから。それと、映画のページのトップに有るトピックスにも注意していて下さい。先年の東京国際のようなことも有り得ますから。 
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この回答へのお礼

ichienさん、読み応えのある回答をありがとうございます。お話の続き、ぜひ聞きたいです。ぴあはチェックしていて、このあいだ「バルタザール」がアテネでやっていると知ったのですが結局行けませんでした。残念。私が今まで映画館で見たのは「罪の天使たち」「ブーローニュの森の貴婦人たち」「少女ムシェット(おっしゃる通り、ほんとに傑作だと思います)」「白夜」「抵抗」「スリ」「田舎司祭の日記」の7本です。残りの5本を観たくて仕方なくて、でもなかなか上映されないので我慢できずにビデオで観てしまおうと思い質問させていただいた次第です。でも、やっぱりブレッソンの映画のように魂の震えるような作品をビデオで観てしまうのはかなりもったいないような気もしてきました。もう少し、ぴあをチェックしつつ待ってみようと思います。ありがとうございました。

お礼日時:2001/09/29 02:19

 それでは、ユナイト日本支社、のところからの補足です。



United Artistsは、アメリカ映画の父とも言われる監督D.W.グリフィス、喜劇を追求して芸術へと至ったチャールズ・チャップリン、俳優のダグラス・フェアバンクスとメアリー・ピックフォードによって創設された、その名の通りの志の高い会社だったのでしょう。そういう会社の日本支社が本社の方針を忠実に守って良い仕事を続けてきたのは当然かもしれません。
 とにかく、マイナーで集客力をあまり期待できないようなものでも、なるべく丁寧に良心的に公開し続けてきたと思います。中にはイギリス製のドル箱シリーズである007のような例も有りますが。

 また、もう一点、その資産(プリント)を非常に大事に扱ったことも特筆しておくべきでしょう。たまに「ここはこんな古いもののプリントをまだ持っていたのか?」と驚かされたことが有りました。
 それが最高に発揮されたのが日本支社閉鎖の直前、旧文芸座や三鷹オスカーで同社の作品の特集上映が行われた時でした。無いと思っていた作品が続々と出て来て、信じられないやら、嬉しいやら。奇跡的な事件でした。勿論それが文字通りの日本最終上映で、これをもって数々の名作や話題作、007も含めて、すべて灰に帰しました。
 日本で何故プリントが資産として大事に扱われなくなったのかというと、倉庫代等の保管の手数料や事業資産としての課税の経費が、その興業価値を上回ると考えられるようになってしまったからです。昭和50年代にはこの流れは最早邦人系の映画輸入会社でも大勢を占めていました。この結果として名画座は廃れたわけです。
 どうせロードショーが終われば、もうプリントを貸し出して収入を得る機会もあまり無い(そうではないとしても手数が掛かるばかりだ)し、それなら長期間の上映権を設定して無駄な費用を使うことも無い。この辺はまさしく悪循環です。
 20年以上前は最低でも5年の契約が普通で、多くは7年とかそれ以上というのが当たり前でした。ですから、封切り後かなり時間が経過していても、興業価値の有るものはきちんと保管されていたのでした。ある意味、古き良き時代だったわけです。
 勿論メジャーと言えども、自社や傍系のプロダクションが制作したのではない作品については、上映権の問題は付いて回っていたのだとは思います。しかし、そこはさすがにメジャーと言うだけのことは有って、以前ユナイトが持っているフランソワ・トリュフォーの作品の世界配給権は30年契約と聞いた覚えが有ります。ということは、いまだに彼の一時期の作品の大部分の配給権はユナイトが持っているということになります(「アメリカの夜」はワーナーが力づくで奪い取ったらしい)。
 この点で最悪な(罪悪な)ことを繰り広げていたのが、そのワーナー日本支社でした。とにかくよほどの成功が見込めないものは、どんな世界的監督の作品だろうと、どれほど評価が高いものだろうと、バサバサと切り捨てて、試写用のプリントが来てもほとんど見ないで(と言うと言い過ぎになってしまいますが)本国へ送り返す。ところが、自社や関連プロダクションの制作によるものなら、相当にひどい物でもなんとか公開してしまう。こんなことをやっていたのです。
 まぁ、ワーナーの場合、日本では松竹・東映・東急系との独占契約ですから(近年多少変化していますか?)、ミニ・シアターが流行り出す以前はそういうマイナーな作品を上映するのに適当な場所と、その志を持った人材が双方に無かった。これは偽りの無い事実でしょう。そういう意味では、見せる側も観る側も共に相当に不運だったと思います。

 そろそろ本文との関連も見失われつつあると感じています。以上は私が映画を年に200本あまりを10数年続けて、少しづつ学んだことでした。今では映画産業に関する様々な本が刊行されて、このような裏側のことを知る機会も増えているだろうと思います。
 最後に、役に立つかどうか判りませんがパンフレットの情報を。もしかすると、岩波ホールには「少女ムシェット」が今でも有る可能性が高いと思います。1階のチケット売り場でパンフレットのバックナンバー・リストを見せてもらえば、判るでしょう。少なくとも、日比谷シャンテで特別上映された時点では在庫が有った筈なのに、そちらの会場では販売はされませんでした。これを知っている人もそんなにはいない筈ですし、それほど売れるとは思えませんから、近くに行ったら是非尋ねてみてください。
 それから、未見という「ラルジャン」は、私としては「少女ムシェット」の延長に有ると感じますが、それはともかくとして、シネセゾン渋谷などの旧セゾン系の劇場にまだ在庫が有るかもしれません。「やさしい女」についてはフランス映画社に直接尋ねてみると良いでしょう。もしそこまでする気が無ければ、都内にいくつか有る新品パンフレットを扱っているシネ・ショップへ行ってみて下さい。或いはまだ有るかもしれませんので。

 長くなりました。以上で終わりましょう。もし、答えるだけの価値の有る質問がまた有るならば、再度お目に掛かることにしましょう。残念ながら私のgooメールのアドレスはこのIDのままでは有りません。本来ならそうしたかったのですが、既にそれは登録済みで使えませんでした。いずれ直接話す機会が有るかもしれませんが(但し私は映画関連のサイトには全く出入りしていません)、期待しない方が良さそうです。とにかく、良い作品に一つでも多く触れる機会を持てるように祈っています。
 それでは。
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この回答へのお礼

再びありがとうございました。今まで配給会社のことはそれほど気にしていなかったのですが、いろいろなかけひきがあるのですね。良い作品がもっと自由に出回るようになればいいのになあ、と思います。私はパンフレットは集めていないのですが、東京国際映画祭でブレッソンのフィルモグラフィーが3千円くらいで売っていて、買わなかったことを後悔しています。いろいろ教えてくださり感謝しています。これからもよろしくおねがいします。

お礼日時:2001/10/02 20:29

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