西洋史です

歴史上において、どのように王族など支配階級が形成されていくのでしょうか。どのような人々が国々の支配者になっていくのでしょうか。単に武力の強さでしょうか。
また、数世紀にわたり一部の一族がある地域を支配するのはどのような影響があって可能だったのでしょうか。

No.1 回答者： phantom1 回答日時： 2005/06/08 00:15

西洋史の造詣はそれほど深くないので、当たり前の一般論で申し訳ないのですが、やはり草創期の指導者の行動力がキーになるのではないでしょうか。

豆に動ける、フットワークの軽い統率者の下でなければ、強力な軍事力も本来の威力を発揮できません。アレキサンドロス大王も、行った業績の大きさにしてはそれ程大軍を持っていた訳ではありませんし。

No.2 回答者： kareki2006 回答日時： 2005/06/08 09:20

No.1の方のお答えに加えて、私は創成者のカリスマ性が大いに関係あると思います。

こればかりは持って生まれたものなので、どうしようもない面もあるのですが、
多くの人をひきつける魅力がなければ、支配者としてのし上がるのは無理でしょう。

また、ある程度支配権が固まってしまえば、子孫にカリスマ性がなくても、
数世紀にわたって一族が支配を継続することはできたでしょう。
特に西洋の場合は、中国などのように、
悪政のために武力蜂起が起こって王朝が交代、という例は少ないようですね。

No.3 回答者： piloli 回答日時： 2005/06/08 18:26

たしかに西洋では、日本や中国のように農民や商人が一、二代で成り上がったという話はあまり聞きませんね。

その理由の一つにギリシャ・ローマの貴族政の影響が、もうひとつにキリスト教的価値観の影響があると思います。
貴族政というのは政治にもっとも適した人間が政治を執り行うというのが本来の意味ですが、のちの支配階級と被支配階級が区別される元になりました。

キリスト教の影響というのは王や皇帝は教皇によって俗界の支配者であるというお墨付きを貰うことです。すでに5、6世紀にゴート族やフランク族が西ヨーロッパの支配者として名乗りを上げた頃からキリスト教は民衆の根本的な価値観に影響を与えていましたから、教皇が認めた支配者に反抗するというのは（よほどのことがない限り）畏れ多いことと考えられたわけです。
この教皇から支配者として認められるというのは後付のことも多く、長年実質的に領地を支配してきた者や征服者に渋々教皇がその地位を追認すると言うことも少なくなかったので、実質支配を維持するカリスマ、能力、武力が重要だったことは間違いありませんが、民衆レベルに支配を受け入れさせるための大きな要素であったと言えます。逆に市民、農民からの成り上がりが少ない理由もこのあたりに求められるのではないかと思います。

どのような人が国の支配者になっていくかは時代によっても異なりますが、ローマ崩壊以後に限って言えばゲルマン人、デーン人など新しい西ヨーロッパの有力民族の族長やそれに近い身分の人が多いと思います。ただしイングランド征服王の祖先や南イタリアに王朝を築いたノルマン人は農民ではないにしてもやや身分が低い人々であったと考えられていますし、最初のフランス王朝カペー家はパリ伯という一地方領主で、デーン人との戦いで名声と王位を得たので、そのあたりの成り上がりは洋の東西を問わないようですね。