ペプチドやアミノ酸誘導体、カテコールアミンなどは親水性のため細胞膜を通過できず、細胞膜上のレセプターに結合しcAMPなどのセカンドメッセンジャーが種々のタンパクをリン酸化し、核内に入りmRNAに転写が調節されます。
一方、ステロイドなどの脂溶性のホルモンは細胞膜を通過し核内のレセプターと結合しmRNAに結合し転写が調節されます。
今まで何の疑いもなく学んできましたが、なんと前者の方が作用の発現が速いことを知りました。大変疑問に思います。ステロイドのほうがダイレクトに入るため作用の発現が速いのかと思っていましたが・・。
この点についてご教授願います。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
suiranと言います。
このご質問は,大変興味があるので回答が寄せられることを心待ちしているのですが,残念ながら何方も回答してくださいませんね。素人ですが,露払いに古典的な知識を一言…ホルモンは,その寿命・応答時間・作用機序から4種に分けられます。一般的に寿命と反応時間は比例します。
(1)カテコールアミン…寿命 数秒・応答時間 数秒・作用機序 膜電位変化,二次メッセンジャー
(2)ペプチドやアミノ酸誘導体…寿命 数分・応答時間 数分~数時間・作用機序 二次メッセンジャー,プロティンキナーゼ活性化
(3)ステロイド…寿命 数時間・応答時間 数時間~数日
(4)チロキシン…寿命 数日・応答時間 数日
ここで(3)(4)の作用機序ですが,転写やmRNAの安定性等を調節すると言われますが,完全に解っているのでしょうか?まず,この二種のホルモンは,標的遺伝子は多数あります。ですから標的遺伝子そのものを転写させるわけではありません。一次応答用の遺伝子を活性化するだけです。
何故かと言いますと,この二種のホルモンは他のホルモンと違いまして,ある意味でフィードバックの効かない作用もします。有名な例は,発生ステージでの細胞の応答です。中でもカエルの変態をチロキシンは促進しますが,これは全くフィードバックは効きません。チロキシンがトリガーになって一連の反応が進みます。
ですからこれらのホルモンの作用機序には,一次応答用の遺伝子の活性化から標的遺伝子の活性化の間に当然何らかの調節系があるわけです。細胞の状態によってどの標的遺伝子を活性化させるか。また,寿命の長いホルモンは濃度差が付けにくいですから,本当に先に進んで良いのか等の何らかの調節が…
私はこの辺の最新事情を知りたかったのですが,ぜひ何方かご教示お願いします。
ありがとうございます。大変博識でいらっしゃり参考になります。なるほど、確かに細胞内に入ったホルモのは受容体との結合のアフィニティーは高く(Km低)、その時点では問題ないと思います。やはり一次応答用の遺伝子の活性化から標的遺伝子の活性化の間の調節系でしょうか・・。回答を待ってみます。
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