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文系のド素人です。
量子力学で有名な、電子銃を使った二重スリット実験ですが、
どちらのスリットを通過したかを観察することによって、
結果が変わる(干渉縞が出来る場合と出来ない場合がある)ということは、
理解できました。

それでは、下記のような実験をした場合は、干渉縞は出来ますでしょうか?

1. 電子がどちらのスリットを通過したかを、センサーでキャッチする。
2. そのセンサーが得たデータを、絶対に復元できないように粉砕(消去)する。

もし、この実験で、干渉縞が出来ない場合は、単純に、観察時に電子に
光があたってしまい、波の性質が失われるためと考えて構わないでしょうか?
また、この実験で、干渉縞が出来た場合は、人間の意識が電子の位置を決定すると
考えて構わないでしょうか?

一介のサラリーマンです。
専門用語や数式はなるべく控えめにお願い致します。
よろしくお願いします。

A 回答 (7件)

 No6です。

参考URLの論文の用語をそのまま使ってしまったので、分かりにくかったと思います。失礼しました。簡単に言うならば、参考URLの実験は、「別の観測を追加することで干渉が復元する」と結論付けられるほど、十分な実験がなされていない、ということです(この論文を読む限りはです。書いていない実験をやっているかもしれません)。他の解釈もできる、というより、素直に解釈すれば、通常の観測の解釈で説明できる、ということを述べたかったのです。ただし、この実験に関しては、偏光をどのように観測したのかとか、十分な情報がないので、これ以上のことは分かりません。
 本来のご質問に対して、少し補足説明をしたいと思います。私は先の回答で、観測は外乱であると申しましたが、観測に限らず、そこに障害物があれば、状態は変わっていきます。この二重スリットの実験もそのよい例です。スリットを通過する前の電子の波動関数は、もっとも単純な形では、次のような1つの波として表されます。
ψ = exp(ikx)
 スリットを通過した後は、位相のずれた2つの波の重ね合わせになります。
ψ'= exp(ikx) + exp(iδ)・exp(ikx)
 つまり、スリットを通過することによって、電子の波動関数は変化を受けています。この波動関数の変化は、人間が見ているかどうかには関係ありません。人間の行う観測も同様に、波動関数に変化を与えるものです。その観測による影響で、干渉縞ができない波動関数に変化した、と考えるのが自然です。
 最後に、「ボール大くらいの大きさのものでも、波の性質をもつらしいです。」についてです。まず、物質そのものが波となるのではなく、「物質が存在している」という状態が波として記述される、と理解されるとよいでしょう。物質そのものが波として振動しているのではありません。存在している状態が、波、として表されるのです。そのとき、波動関数は、その運動量によって決まる波長を持っています。物質が大きければ運動量もおのずと大きくなってきますので、波長はかなり短くなりますから、波としての性質はあまり出てきません。また、ボールはたくさんの素粒子の集合体です。これらの粒子が相互に影響しあうため、全体として波としての性質は打ち消しあいます。したがって、ボールを波とみなすのは無理でしょう。
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 No3です。

No2の方の参考URLの論文を読んでいたため、回答が遅れました。少し質問の中身が変わってきているようですので、参考URLの論文についての私の解釈を説明したいと思います。
 私の解釈では、この実験は、別の観測を追加することで干渉が復元するというものではありません。論文では、QWPを設置し、そこを通過してきた光子(s光子)の偏光と、entangleされたペアの光子(p光子)の偏光を観測することで、どちらのスリットを通ったかが分かり、そのときには干渉縞は現れないと、記載されています。この解釈が間違っているのではないかと考えます。例えば、QWPの手前ではx方向に偏光していたとすると、QWP1を通過した光子は左旋光しており、QWP2を通過した光子は右旋光しています。この2つの光子は、完全に直交したスピン状態にあるので、干渉しないと考えられます。最初にy方向に偏光している場合も同様です。つまり、QWPの手前でxかyのどちらかに偏光していれば、干渉縞は生じません。逆に、QWPの手前でxとyの中間に偏光していれば、干渉縞が生じます。
 スリットのどちらを通過したのかを調べる目的で、p光子の偏光を調べようとしたときに、xかy方向に偏光を変えてしまっています。これによりs光子の偏光もyかxに決まってしまい、干渉縞が現れなくなります。p光子の検出の前にpolarizerを入れるというのは、p光子の偏光をxとyの中間にしてしまうことですから、干渉縞は現れます。しかし、polarizerを入れなくとも、偏光を測定しなければ、干渉縞は現れるのではないかと思います。
 以上の解釈は、p光子が先に観測される場合の話です。s光子を先に観測する場合は、上記では説明できません。ここから先はまだ検討できておりませんが、干渉縞ができない場合では、s光子の偏光も観測しているはずです。それが影響していることは十分考えられます。

この回答への補足

ありがとうございます。お返事が遅れました。
ただ、申し訳ありませんが、専門用語が多すぎてちょっと意味が分かりません・・・。

つまりは、観測が干渉縞に必ず影響を与えるわけではないということでしょうか?

昨日、ある本を読んだところ、C20とかいう炭素原子?20個からなる、大きい分子でも干渉縞を作ることに成功しているようです。
このような大きな分子が光子の影響を受けるとは私にはどうも考えられません。

その本によるとボール大くらいの大きさのものでも、非常に小さい(10の30乗分の1くらい)割合ですが、波の性質をもつらしいです。これは、10の30乗回に1回くらいは、ボール大のものでも両方スリットを通るということではないでしょうか?
なんの根拠もなく、なんとなくそう思うだけなのですが・・・

補足日時:2006/01/09 00:55
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この問題は非常に微妙な問題なので、用語の使い方により誤解を招くようですね。




「絶対に復元できないように粉砕(消去)」

には、一旦記録されたものを粉砕、消去するというニュアンスがあります。一旦記録されたものを消去しても意味がありません。何故なら、これはその記録を消したという情報が過去に伝わるということになります。なので、提案されている実験はナンセンスです。



また、

「また、調べたのであれば、センサーが電子に影響を与えるので、絶対に干渉縞は出来ないはずです。」

とありますが、それは何故ですか?
Quantum Eraserの論文はそうではないという趣旨の論文です。この論文では、ある観測を行なったら干渉縞が消えた時に、その観測はそのままに、別な観測を追加して、どちらを通ったか判らなくする実験を行なえば、干渉縞が復元するという論文です。これは、単純に、観測により干渉縞が消えたことにはならないと思いますが如何でしょうか。

つまり、観測して電子に影響を与えることが干渉縞を無くす原因ではないということです。


これは質問者さんの言われる

「衝撃的」

な内容ではないでしょうか。


純粋なコペンハーゲン派の解釈はちがいますね。誰が書いたか知りませんが全く違ったことが公然と公開されていることが恐ろしいです。ボーアの著書を読まれることをお勧めします。

「量子に光が当たっても、誰も見ていなければ、観測はされていないので、波動関数は収束しない。」


ボーアなら恐らくこう言うでしょう。

「観測されていなければ、量子に光が当たったかどうかをどうやって知るのでしょうか。」

です。この違いを理解してください。Wikiの文章は全くナンセンスです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

> 「また、調べたのであれば、センサーが電子に影響を与えるので、絶対に干渉縞は出来ないはずです。」
> とありますが、それは何故ですか?
これは、No1、No3の回答から、そう判断しました。

> これは質問者さんの言われる
> 「衝撃的」
> な内容ではないでしょうか。
衝撃的です。

Wikiの件も、ありがとうございます。
今後は、ちょっと注意して参考にします。

とにかく、もう少し勉強してから出直します。
Wikipediaも、出来るだけ英語版を読むことにします。

お礼日時:2005/12/22 12:35

証拠を消すことが出来、その結果干渉縞が復元します。



ただ、誤解をされているようなので心配なのですが、データとして「保存」された時点でそれを幾ら粉砕しても意味がありません。

この論文の主張は、観測することで干渉縞が消えるが、

「その観測を行った状態で、どちらのスリットを通ったかということが解らない状況を作り出す」

ことが可能で、その時には干渉縞が復元しているということです。
このとき、あくまでどちらのスリットを通ったかは解らないということです。

なので、先の発言

「測定が測定対象に影響を与えるからという言い方もまた誤解を生じますね。」

につながります。
これは、No.3さんの言われている状況とは少し違ってきますので注意してください。



原子でも同じように出来るはずです。実験的に確かめられたかどうかは定かではありませんが、理論的にはそうなります。(波長の関係でエネルギーを上げる必要はありそうですが)

ビー玉に関しては無理ですね。大きいとか小さいとかは相対的な概念のようですが、量子的にはhという絶対的な尺度があります。これに比べて大きいか小さいかが決まります。

これは巨視的な対象なのか微視的な対象なのかの違いです。ちょうどその境界付近の大きさというのも勿論あり、その振る舞いは興味深いものだと思いますが、まだ思考実験の域を出ていないのではないでしょうか。

この回答への補足

再び、回答して頂きましてありがとうございます。

> どちらのスリットを通ったかということが解らない状況を作り出す
というのが、やはりよく分かりません。
どちらのスリットを通ったかということが解らないのであれば、初めからどちらのスリットを通ったかを調べないというのと同じではないでしょうか?

もしくは、調べたけど解らないようにするというのであれば、
私の言うところの
> 絶対に復元できないように粉砕(消去)
と同じような気がします。

また、調べたのであれば、センサーが電子に影響を与えるので、
絶対に干渉縞は出来ないはずです。

例えば、こういう実験ならどうでしょうか?

1. 電子がどちらのスリットを通過したかを、センサーでキャッチする。
2. そのセンサーが得たデータを、(まだ実用レベルまで完成していないようですが)量子暗号技術により封印し、誰かが覗き見ようとすると完全にデータが崩壊する。


現代の物理学界においては、コペンハーゲン解釈は誤りとされているのでしょうか?
それとも、
> たとえ観測者が見ていても、頭が酩酊状態であれば、観測はされていないので、波動関数は収束しない。
と記述されている下記の説明自体に誤りがあるのでしょうか?

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%9A% …

補足日時:2005/12/22 01:43
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 他の方が回答されておりますように、観測結果と人間の意識とはまったく関係ありません。

観測とは外乱を与えるものです。センサーでキャッチするかどうかに係わらず、センサーが設置された状況である、ということが、電子の状態に影響を及ぼします。ただし、どの時点から影響を及ぼすかは、量子力学では明らかにできておりません。そこに「シュレーディンガーの猫」の問題の本質があります。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
干渉縞が出来ないのは、分かりました。

ただ、No.1の方にも、質問したのですが、どこかで、この実験は電子でなく原子でも同じ結果が生じると書いてあったような気がします。(この文献自体に誤りがあるかも知れませんが)

また、私の非常に勝手な認識では、「電子」と「原子」には大きな差があります。前者は、「その辺のどこか」に存在するものであって、後者は、ズバリ「そこ」に存在するものだという認識があります。(この認識も大きな誤りがあるかも知れません・・・)

つまり、原子で同じ結果が得られたとすれば、大げさに言えば、ビー玉でも同じ結果になるんじゃないかと・・・。
馬鹿げた発想かも知れませんが、ご存知であれば、お願い致します。

補足日時:2005/12/18 01:49
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ojisan7さんの言われているように、データを粉砕するだけでは干渉縞は出来ません。

これは、不可逆的な過程が既に起こっているからですね。人間が関与するかどうかとは関係ありません。

しかし、データではなく、量子的にそのことを消すことは出来ます。Quantum Eraserというのがそれです。

http://grad.physics.sunysb.edu/~amarch/

測定が測定対象に影響を与えるからという言い方もまた誤解を生じますね。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
No.1の方の回答で、干渉縞が出来ないのは分かったのですが、
> しかし、データではなく、量子的にそのことを消すことは出来ます。
というのが、ちょっと意味が分かりません・・・。
これは、どちらのスリットを通ったかという証拠を消すことが「出来る」のか、証拠を消すと干渉縞が「出来る」のか、どちらでしょうか?

もし、後者だとすると、ひょっとするとQuantum Eraserというのは、私の言うところの、
> 絶対に復元できないように粉砕(消去)
かも知れません。(ちょっと英語が苦手で、あまり読んでませんが・・・)

とんでもない勘違いだったらすいません。

補足日時:2005/12/18 01:42
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>それでは、下記のような実験をした場合は、干渉縞は出来ますでしょうか?



回答・・・できません。
電子がどちらのスリットを通過したかを、センサーでキャッチするという操作が、実験に影響を与えます。人間の意識とは関係ありません。人間の意識の問題でよく引き合いに出されるのが、「シュレディンガーの猫」ですね。しかし、これは、一般人(私を含めて)には非常に誤解を生じやすい思考実験だと思います。

この回答への補足

ありがとうございます。
そうしますと、量子論は、私のような一般人にとらえられているほど、「衝撃的」ではないようですね。

では(これは物理学の質問ではありませんが)、どうして、巷では量子論が「衝撃的」であるというように、伝わっているのでしょうか?

また(これは物理学の質問です)、どこかで、この実験は、電子でなくても、非常に重い(複雑な?)原子でも同じ結果になると書かれていましたが、これは本当でしょうか?
素人の考えで滑稽かもしれませんが、電子と原子では大きな差があるような気がします。

補足日時:2005/12/18 01:22
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