誕生日にもらった意外なもの

 日本語を勉強中の中国人です。2006年05月31日(水曜日)の「天声人語」について若干分からないところがあるので、ご教授をお願いいたします。

参考ページ:
http://www.asahi.com/paper/column.html

1.全文の主旨に自信がありません。「平和は何よりである」で合っていますか。

2.第一段落(「最近の言葉から……」)の言葉の意味は全部分かりますが、全文との関係がよく分かりません。なぜ第一段落を書くのでしょうか。何を表したいのでしょうか。

3.第四段落(「元ハンセン病患者の人権回復運動……」)の言葉の意味は全部分かりますが、理解できないところがあります。なぜ、「外国にも何度も行き、日本中に行きました。それでもただ1カ所だけ、行けないところがあります。ふるさとです」でしょうか。自分のふるさとの人を救いたくないのでしょうか。とても理解できないような気がします。

 また、質問文に不自然なところがありましたら、それも指摘していただければ大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。

A 回答 (8件)

ここには6つの言葉が記載されています。


1.太古からの命のバトンリレーの中で人は生きている。
2.商売と政治は別ではなく、「経済も含めて国の政策は決めるべきだ。
3.ごく普通の私たちに何が出来るのかが問われている。
4.外国に何度も行き、日本中にも行ったが、一ヶ所だけ行けないところが【ふるさと】である。
5.美しい、すてきな国に日本はなった。本当にうれしかった。
6.ヤギと過ごす学校生活。子供たちの心に永遠に残る思い出になるでしょう。

この第一の「太古からの命のバトンリレーの中で人は生きている」は非常に強いインパクトをもっています。
⇒この大自然と人間の対比がこの文章のテーマではないでしょうか。1.5.6.で自然に関する事柄が記述されています。そして、2.3.4が人間の心の闇の部分が記されています。
◎大自然は脈々とした大きな流れの中にあり、ここで登場したフタバススズキリュウは、日本の大型恐竜の歴史を塗り替えた発見だったのです。
◎また63年ぶりに帰国した上野さんも大自然の流れの中にある日本という国の美しさに触れて感激して第二の祖国となったウクライナに帰っていったのです。
◎さらに、人口の減少、少子化から新入生が一人もいないことになった土川小学校でも、ヤギを仲間に迎えて、ある意味で自然との共生という教育を試みています。
⇒このように大自然の前で、人間は歴史の流れから見ても小さく、また存在そのものもちっぽけなものであり、自然と向き合うときに人間は、その自然から様々なものを教えられ、心穏やかなひとときを過ごすことが出来るのです。

⇒ところが、大自然の前ではちっぽけな存在である人間は、ほんとに些細なことで意地を張ったり、なすべきことをやらなかったり、昔からの偏見の虜になっているという愚かな行為を繰り返しているのです。
◎小泉首相は自らの意地を貫く為に、「商売と政治は別ものだ」とまで言い放ち、すぐさま「経済も含めて国の政策は決めるべきだ」と反論されたのです。
◎日本は平和になって、ものが自由に言える時代になっているのに、物事をきちんとやるべきにも拘わらずやっていない、一人ひとりに何が出来るのかが問われている。
◎らい(ハンセン)病に関しては、伝染性、遺伝性ともにほとんど無いにもかかわらず、長く医学的根拠がないままに、らいが恐ろしい病気だとの偏見が過剰なまでに撒き散らされてきているのです。
⇒これまで受けてきた傷があまりに深く、国が謝っても、第3者はそれで良いかも知れないが、肉親はまだまだ恐れており、元患者が家に帰ってくると、「迷惑がかかる」「社会生活をこわされるのではないか」と心配する状況が続いているのです。ふるさとに帰って家の敷居をまたぐには、地域の中にある偏見が払拭され、一般の疾患などと同様に受け入れられるようになることが先決であり、そこがクリアされて、ようやく可能になるという状況なのです。

⇒人間とは、大自然とは異なり、個人の意地とか利己主義とか偏見とかに囚われている悲しい生き物であるということが書かれているのではないかと思います。

平和が何よりであることは否定いたしませんが、平和になっても解決しない「人間の弱さ」と「大自然の偉大さ」が対比されていると、【私・shigure136】は思います。(勝手な解釈ですから悪しからず)
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この回答へのお礼

 毎度お世話になります。
 shigure136さんのご感想を拝見できてとても嬉しいです。大変参考になりました。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/06/02 00:21

そうです「朝日新聞」は頭のいい人の集団ですから時々分からぬことを言うので読むのを止めました。


第三段落で朝日新聞の記者がテロで殺されたことがかかれてあります。これは「言論をテロで抑える事」を非難しています。ロシアで生存していた元日本軍の兵士が国の復興を見て喜んだとあります。靖国神社関係では「なぜ国が強制して戦争へ国民を兵隊として駆りだした指導者達をまつる神社」へ参拝するのか。なぜ「悪を賛美・お参りするのか」すなはち「国=悪」
なのです。これは昔から「朝日新聞の信仰」なのです。ハンセン氏病の人は故郷に帰れない。日本の社会では以前「らい病」は隔離されていました。非常に嫌がられたのです。だから家族が故郷で非難されないように家へ帰るのを避けるのです。したがって「生命軽視」⇒戦争・テロ・ハンセン氏病など日本の国や社会がもつ生命の尊厳を傷つける事・・・はないようにという趣旨に読めます。恐竜から現在の人まで生命を軽視しないようにヤギとのふれあいで将来子供が「悪」
に染まらぬ事を願う文でしょう。
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この回答へのお礼

 詳しく教えていただき誠にありがとうございます。大変助かりました!
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/06/02 00:52

最近取材したニュース素材の中から筆者の気になる言葉をピックアップし、「時代の流れとわが国の現状」について記したものではないでしょうか。



・地球時間を基準としたもの
・戦後の日本
・現代の日本

それらの時間軸を同時に「現在」で捉え、当時の証言、現在の状態を織り交ぜて、『日本』というものを象徴的に表現しているように思います。
そして、現在の『日本』を表わすことにより、将来像が見えてくるのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

 毎度お世話になります。
 ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。大変参考になりました。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/06/02 00:49

1.全文には主旨がありません。

あえて見つけるなら「(筆者の心の琴線に触れた)最近の言葉一覧」です。

2.「最近の言葉から」とは毎月末の天声人語の書き出しです。
よほどの大事件でも無い限り、月末の天声人語はその月にあった事件や発言を掲載しています。(お近くに図書館があれば4月30日や3月31日の天声人語をご覧いただければ分かりますよ)
なので、全文との関係はありません。(全て最近発言された言葉であるという共通点だけです、文脈的には無関係なのです)

3.「誰か故郷を思わざる」勿論、ふるさとの人を含め全ての差別を無くし、多くの人を救いたいのです。しかしハンセン病は昔、日本では遺伝病だと思われていました(又は悪い事をした人が天罰で発病するという迷信がありました)。その為、ハンセン病に感染した人は家族や親戚によって、死んだ事にされたりして、別の名を名乗らされ隔離されました。そして隔離された先では非人間的な扱いを受けたのです。
 ふるさとに行けば、過去の親族の偽りが明るみになってしまいます。また、戻ったとしても昔通りの生活ができる訳でもなく、差別した人が生きていれば彼らの誤りを指摘する事になります。戻っても誰も幸せにならない、だからふるさとへ行けないのです。又、誰でも故郷に錦を飾るのは名誉な事です。別の事で有名な論客になったのなら故郷へ行くでしょう。しかし、望んで今の立場になったのではない彼は有名になればなるほど故郷へ行きにくい心情があるのだと思います。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。「最近の言葉から」は毎月末の天声人語の書き出しなのですね。毎日「天声人語」を読んでいるわけではないので、この特徴が知りませんでした。日本にいないので、月末の「天声人語」を探すのも無理です。今後月末の「天声人語」に気をつけます。大変参考になりました。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/06/01 23:17

私の印象を書きますので、参考になればと思います。



一見、ばらばらなトピックスを集めているような文章構成ですが、それぞれの段落の意味を考えながら読むと、ある一貫した流れが読み取れます。はっきりとは書かずに読者に想像させる文体なので、分かりづらいですね。

第一段落で、この文章が最近の話題を集めていることをまず述べています。化石の話題は、歴史の連続性のようなものをほのめかしていることが、後を読めば分かるようになっています。最後の段落と対になって、大きな意味で次世代(子供たち)に伝えていくものとは何だろう、という思いを読者に持ってもらいたいのでしょう。

それぞれの話題は、個人の話でありながら、その背景にある世の中の変化・動きを連想させるものばかりです。過去あるいは現在の政策の影響なしではあり得ない、悲しみや、それを越えた人の微笑です。

1.(全体の趣旨)
#2さんのお答えのとおりだと思います。私の受けた印象は上に書きましたが、読者がそれぞれ読み取るのに任せているものでしょう。

2.(第一段落の意図)
上に書いたとおりです。

3.(多磨全生園の前自治会長の言葉)
平沢さんは園長ではなく自治会長をしており、つまりご自身がハンセン病患者です。患者たちは当時の法律によって生まれ育ったふるさとから隔離されてきたのです。ふるさとに帰ることは、ずっと、親族に迷惑をかけることでした。そういった地域との絆は、法律が変わってもすぐに結びなおせるものではありません。ふるさとにいるのは、救うべき患者ではなく、会いたくても会えない親兄弟であり、年配の患者さんにとってはその親族ですら、もういないこともあるのです。

読解のご参考になればと思います。
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この回答へのお礼

 毎度お世話になっております。
 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。化石の話題の意図を説明していただき感謝いたします。まさに説明していただきたかった箇所でした。大変助かりました。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/06/01 22:41

こんにちは。

メディアを問わず、あらゆるジャンルから吸収しようと頑張っていらっしゃいますね。

お答えです。

1.文頭に、「最近の言葉から。」とあります。それを確認した上で全文を通して読んでみました。
あくまで私見ですが、「全文の趣旨」は存在しないのではないかと思います。文頭の言葉通り、「最近の、心に残った言葉」の羅列紹介ではないでしょうか。
ただ、筆者にはジャーナリストとしてのポリシーがあるでしょうから、そのポリシーが、紹介されている言葉から滲み出ていますよね。しかし、「趣旨を持って構成した」ということではないだろうと感じます。

2.羅列の最初に持ってきた、ということに過ぎないと思います。

3.故郷に行けない理由、それは、自治会長が過去に負った心の傷によるものでしょう。また、未だに存在する周囲の差別意識・・・それも原因の一つでしょうか。
自治会長は、自身もハンセン病患者であったと思われます。とするなら、その当時、故郷で相当に大きな差別を受けたでしょう。当時のハンセン病患者に対する差別はあまりに大きく、患者の家族でさえ「この子は生まれてこなかったのだ」と思い込まなければならないほどのものだったと聞いています。そして、国の政策として隔離された。
それは当然、患者本人にも重く暗い影を落とすことになったでしょう。「この人は私の母親だと、他人に知れてはならないのだ。母親に迷惑がかかる・・・」と、思ったかもしれない。
以上は、あくまで、私の推測です。


4.awayuki_chさんの文章の添削をさせていただきます。
3.第四段落(「元ハンセン病患者の人権回復運動……」)の言葉の意味は全部分かりますが、理解できないところがあります。それは、この言葉です。「外国にも何度も行き、日本中に行きました。それでもただ1カ所だけ、行けないところがあります。ふるさとです」
なぜ、彼はそう語ったのでしょうか。ふるさとに住む同胞を救おうとは思わないのでしょうか。理解に苦しんでいます。
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この回答へのお礼

 毎度お世話になります。
 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。大変参考になりました。また、質問文までも添削していただき心より感謝いたします。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/06/01 19:28

1.あなたがそう受け取ったならそれで良いと思います。


社説は趣旨一貫してますが、コラムはその人によって受け取り方が違っても構わないと思います。
わたしは平和に見えるけれど、それだけでは言い表せない過去が日本にはまだある、と受け取りましたが。
2.一段落目を付けなければ、ただの他人の言葉の引用で終わってしまいます。
さらに引用し一段落目を付けることで、趣旨をハッキリさせていると思います。
3.故郷は辛い記憶の一番最初の地点であり、また自分を追い立てた土地でもあります。家族も親戚も自分のためにその土地を終われているのです。
一番帰りたくとも、もしもまた同じ目にあったら、と考えてしまう(時代は変わったと言ってもそれを乗り越えるにはあまりに辛すぎる記憶を持った)場所です。
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この回答へのお礼

 ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。参考になりました。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/06/01 19:22

天声人語では、「最近の言葉から」で始まるものが時々見受けられます。

一種のシリーズとして掲載されているようです。全文が統一された文章ではなく、興味深い言葉を一段落にひとつ取り上げています。

1.2.上記の理由から、全文の主旨、「最近の言葉から」の意味はあまりありません。
それぞれの段落ごとに、言葉の持つ意味を捉えてください。

3.平沢さんはハンセン病患者です。ハンセン病の方は、昔は誤った認識から強い偏見に晒されていました。恐ろしい病にかかった人を一族の恥だと考え、ふるさとから追い出して治療院に押し込めるようなこともあったのです。
http://www.niyoniyo.net/vol6/hitolibrary/hirasaw …

今では認識が正されてきていますが、やはり自分のふるさとへは心情的に戻れないということなのだと思います。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。「最近の言葉から」で始まるものは一種のシリーズなのですね。平沢さんの情報もよく分かりました。大変参考になりました。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/06/01 17:37

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