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毘沙門天の像は通常、左手に宝塔を奉げ右手に鉾または宝棒を握るお姿になっていると思いますが、時折、この持ち手が逆(右手に宝塔、左手に鉾)になっている像があります。
以前に「持ち手が逆の像は何かの祈祷法要の本尊として造られたもの」というお話をうかがった記憶があるのですが、何の祈祷法要であったか忘れてしまいました。
どなたかご存知の方がおいででしたら、ご教示ください。
よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

本題とは無関係と思われる教学的なことを、得意になって専門用語ばかり並べる方や、密教に詳しい方が常連の回答者にいらっしゃるので、そのような専門家の回答がついてからと思ったのですが、無いのでごく簡単に述べます。





ご存知のように経軌によって形像が異なることは多々ありますし、経軌によらず作られる仏像も少なくありません。

仏像の印契や持物の左右には意味があります(ご存知でしょうからここでは省略します)。経軌とは左右逆に造られた仏像を鑑賞する場合、
「普通の仏像は礼拝の対象で、拝むことによって御利益を受けようとするが、左右逆のものは拝まずとも仏の方から先に利益してくれる。」
とする見方があります。そのような願いを込めて造られた仏像もあるかもしれません。


さて、本題に入ります。
>「持ち手が逆の像は何かの祈祷法要の本尊として造られたもの」

四種法のうち、形像を儀軌と逆にした本尊は霊験あらたかであるとされる修法があり(ロイ)、そのように意図的に造られた天部の仏像が稀にありますが、ごく一部の密教僧にしか縁の無いことです(キーワード “四種法”)。お会いする仏縁があればお話しましょう。

毘沙門天の形像は、仰るとおり“左手に宝塔を奉げ右手に鉾または宝棒を握るお姿”が多く見うけられますが、毘沙門天像は非常に多様なので左右逆もあまり意味が無いものと思われます。

また、朝鮮半島には智拳印を左右逆に組む大日如来が多数見受けられます。これらは特に意味は無く“間違え”という認識でいいようです。









貴師の当質問サイトにおけるご活躍はよく存じております。貴師や浄土系A師の、当方ではとても述べることは出来ない、葬祭業者のような回答(金額的なこと)に驚きを禁じえません。

大阿闍梨 boronboron 敬白
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
詳しいご紹介でよく理解できました。
今後ともご縁がありましたら、ご叱正下さいますようお願いいたします。

お礼日時:2007/02/14 13:24

仏像の姿は、教典や儀軌によって規定されているそうですが、例外もけっこう多いです。


趣味で石仏の写真を撮っていますが、持物や手の形は例外も多く、それを見つける楽しみもあります。

手元にある山川出版社『図説歴史散歩事典』には、毘沙門天のお姿について「右手宝棒、左手宝塔またはその逆など」と書いてあります。
次の「飛不動」のHPには、「宝塔を右手で捧げていたのが平安時代は左手で捧げるようになります」と書いてあります。
http://www.tctv.ne.jp/members/tobifudo/butuzo/4t …

前記の事典には、毘沙門天像として、東大寺戒壇院の天平時代の多聞天像(四天王の一人で毘沙門天のこと)が掲載されていますが、右手宝塔、左手宝棒です。
他に、法隆寺、唐招提寺の四天王立像(奈良時代8世紀)の多聞天も右手宝塔です。

また、熊本県人吉市南光院の毘沙門天も右手宝塔です。
http://homepage2.nifty.com/nankouin/page005.html

ただ、「何かの祈祷法要の本尊として造られたもの」ということについては、分かりません。
「毘沙門天 右手 左手 宝塔」で検索すれば何か出てくると思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
ご指摘いただいてあらためてご紹介頂いたサイトなどを参照させて頂き、持ち手が逆の像が思いのほか多いことに愕きました。
とても勉強になりました。

お礼日時:2007/02/14 13:22

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