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近赤や中赤外分光で散乱体のスペクトル測定に用いられる拡散反射分光法は、物質の吸収だけでなく散乱スペクトルにも依存します。純粋な吸収スペクトルまたは近似的な吸収スペクトルを得る方法あるのでしょうか?

A 回答 (2件)

MSCとは,スペクトルに付随する乗算的散乱因子及び加算的散乱因子を最小二乗法により推定して,この推定値から仮想的なスペクトルを算出するという方法です。


この手法は,試料の粒度が異なり,これを補正する場合に効果があります。(実際にこの手法の恩恵を受けたことがあります。)

スペクトルは数式で様々に表すことができますが,ここでは,

Y = k×log(1/R)+bias

Y:スペクトルの値(としておきましょう)
k:回帰式の傾き(スキュー)
log(1/R):吸光度(としておきましょう)
bias:回帰式のy切片

と表すことができます。
ここに,乗算的散乱因子(a)及び加算的散乱因子(b)が加わると,上の式は

Y = a×(k×log(1/R))+b+bias

となります。
すなわち,乗算的散乱因子は,kとlog(1/R)を乗じた値に更に乗ぜられ,かつ,加算的散乱因子は,余計なものとして右辺に加算されてしまいます。乗算的散乱因子及び加算的散乱因子は,どちらも余計なものなので,ない方が良い訳です。

この2つの値を最小二乗法により推定し,推定値を変換式に代入(スペクトル値も代入します)することにより,仮想的なスペクトルを算出します。

なかなか,式でニュアンスをお伝えすることができませんので,本説明で理解度がイマイチであれば,下に示した「近赤外分光法入門」という本をご一読ください。(←別に宣伝する訳ではありませんが,近赤外分光法について分かり易く記述されているものですから,ついついこの本を紹介してしまいます。)恐らく問題解決になると思います。

ちなみに,MSCはMultiplicative Scatter Correctionが正解でした。
また,unscramblerについて調べたいのであれば,下のURLをクリックしてお調べ下さい。

参考URL:http://www.camo.no/
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この回答へのお礼

すいませんお礼遅くなりました。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2001/02/06 01:05

純粋なスペクトルを測定もしくは計算することは,難しいと思いますが,近似スペクトルは計算ができます。

といっても,装置ノイズを除去したり,試料粒度の影響を除去したりといった程度ですが・・・
Multiple Scatter Correction(MSC)という解析手法は,粒度の影響をある程度除去しますし,スペクトルのスムージングや微分処理は装置ノイズの影響を除去したりします。

処理を行うためのソフトウエアですが,微分処理は,一般的に販売されている波形解析ソフトに付属していると思います。また,MSCはCAMOというノルウェー(だったかな?)にある会社が販売しているUNSCRAMBLERというソフトに含まれています。まあ,MSCも最近は市販の波形解析ソフトに付属するようにはなってきたと思いますが。

近赤外分光法に関しては,幸書房から販売されている「近赤外分光法入門」という本を一冊読めば,概略を把握できると思いますよ。

回答になってますか?

この回答への補足

ありがとうございます。
そのMSCですが、それについてもう少し教えてもらえないでしょうか。
お願いします。

補足日時:2001/01/20 04:21
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