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ふと思ったんですけど、芸人がやってるギャグとかって著作権あるんですか?
もしあるとしたら、一般人が勝手にそれをやると法律違反になるってことですよね?

自分は法律のホの字も知らない理系の学生ですので、簡単にお願いします。

A 回答 (2件)

著作権法では、以下のようになっています。


第十条 (著作物の例示) この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一  小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二  音楽の著作物
三  舞踊又は無言劇の著作物
“芸人がやってるギャグ”が上記のいずれかに該当すれば、それは著作物です。但し、
第二条 (定義) この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
上記の定義に該当しなければなりません。

“一般人が勝手にそれをやる”については、著作権はいくつかの条件下でその行使を制限されています。
その例としては、
第三十条 (私的使用のための複製) 著作権の目的となつている著作物...は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること...を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

第三十八条 (営利を目的としない上演等) 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金...を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。...

よって、家庭内で家族の前で“演じる”ことは問題ないし、学校などで友人の前で演じるのも問題ありません。しかし、入場料を取るのであれば、それは著作権を侵害する行為です。例えば、有料で行われる、“素人演芸大会”などで、“実演”するには、著作権者の許可が必要です。

なお、余談ですが、“理系の学生”が“法律”を知らないでもよい、ことはありません。
通常の社会生活(例えば自動車の運転)を除いたとしても、化学や薬学の学生であれば、危険物に関する法令や薬事法を知ることは必須ですし、電気関連でもその取扱いに関する法令はあります。また、数学であっても、著作権法を知らないと、他者の著作権を侵害したり、自己の著作権を侵害されることもあるでしょう。
当然にその専門家たる“法曹”家ほどの知識は必要でなくても、“法律のホの字も知らない”では、将来(例えば就職したのち)通用しません。認識を改めることをお勧めします。
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この回答へのお礼

営利目的でない限りやってもよいということですね。納得できました。

あと「法律のホの字も知らない」というのは、「この質問に答えてくださる法律に詳しい方に比べて自分は到底足元にも及ばないであろう」という意味でありました。質問時において言葉足らず、誤解を招いてしまいました。申し訳ございません。

しかし最後のご忠告を読んで法律の重要性を再認識致しましたのもまた事実であります。このご忠告を肝に銘じ、今後も精進していきたい所存です。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/05/01 23:35

実は、これ案外難しい問題なのです。

確かに著作権法には「著作物の例示」として具体例が示されています。が、もちろん法律に例示されている以外にも著作物はあり、著作権の対象となりえます。そうでなければ、十条で例示されている以外のものは、「著作物ではない」ということになってしまいますよね。

ある「もの」が「著作物」であるかないかということを、「著作物性の有無」と言います。そして、その「著作物性の有無」については、一定の条件があります。その条件から、個別具体的な事例(ご質問のギャグなど)を判断すれば良いのです。

一般に権利の対象となる「著作物」の条件については、以下のような条件と留意点があります。
・「創作性」の有無
「創作的に」作られたものでなければ、著作権の対象とはなりません。例えば、十条で例示されている「音楽」「論文」などでも創作性がなければ、当然権利の対象にはならないわけです。創作性の無い「音楽」「論文」の代表が、他人の創作物のコピー(パクリ)です。
また、路上にカメラを設置し、それを放置して録画し続けただけの「映画」なども、創作性がありませんから、著作物ではありません。同様に訃報などの新聞記事や「鎌倉幕府は源頼朝が作った」などという事実の記載も創作性がありませんから、著作物ではありません。

・「アイデア」は著作物では無い
代表的なものが、料理のレシピです。ある料理人が、画期的な料理を創作し、それを料理ブックとしてレシピの公開をした場合、その料理のアイデアそのものは著作物ではないのです。つまり他のレストランがその料理を作っても構わない、ということになります。
同様に、小説や脚本のアイデアも著作物ではありません。例えば、私が小説家から、次回作のプロットを聞き出し、それを使って小説を書いた場合、道義的・道徳的問題を別にすれば、著作権上の問題はありません。

・著作物は固定される必要はない
原稿無しの講演、即興の音楽や詩なども著作物です。

さて、以上のような条件・留意点から、具体的に「ギャグ」を検討してみましょう。
最初に例として「そんなの関係ねぇ」という一発ギャグを取り上げます。
まず、「そんなの関係ねぇ」というセリフそのものに、「創作性」があるかと言えば、ありませんよね。日本人だったら、過去・現在・未来に渡って、誰でも言いそうな言葉だからです。

このギャグのポイントは、ある状況で、あるポーズをしながら言うことで、普通の言葉におもしろさが出るという点です(この話の流れで、こういう風にポーズしながら、こういうイントネーションで言えば、普通の言葉が面白く聞こえるだろう)。

つまりこれは典型的な「アイデア」だということになります。従って、このギャグには著作権はありません。

ところが、同じギャグでも、「みじかびの きゃぷりきとれば すぎちょびれ すぎかきすらの はっぱふみふみ」という、かつて大橋巨泉がやったギャグになるとちょっと話が変わってきます。お読みになれば分かると思いますが、これは短歌の形式になっていて、しかも普通の日本語ではありませんよね。ここまでくると、創作性もある著作物になりそうです。

ということで、一口にギャグといっても、著作物であるかどうかは、個別に検討する必要がある、ということになります。ただ、一般に一発芸に近いギャグは、大部分が「アイデア勝負」(誰もが言いそうな言葉を、特殊な状況や特殊な方法で使う)ですから、著作物と判断される場合は少ないでしょう。

次に「一般人が勝手にそれをやると法律違反になる」かどうか、という点ですが、これは#2 さんが過不足無く回答されていると思います。結論だけ言えば、仮にあるギャグが著作物だとしても、よほど特殊な状況でもない限り、大丈夫ということです。
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この回答へのお礼

奇遇ですが、実は自分は小島よしおを見ていてこの疑問を抱きました。
アイデアならば著作物ではないと言うところで「なるほど!」と感じました。どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/05/01 23:12

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