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今昔物語集「玄象といふ琵琶鬼のために取らるること」の中に次のような一節があります。

「~心に思はく、これは玄象を人の盗みて、楼観にしてひそかに弾くにこそありぬれと思ひて~」

この中の「して」なのですが、この助詞の種類はなんでしょうか。
格助詞なのか、副助詞なのかで迷っています。

根拠も添えて教えていただけると幸いです。

A 回答 (3件)

はじめまして。



ご質問1:
<この中の「して」なのですが、この助詞の種類はなんでしょうか。>

接続助詞です。

1.接続助詞「して」は体言について、「にして」の形で使われます。

2.この語法は今昔物語に多くみられます。

3.用法は「作用の行われる場所・状態」を表します。

4.意味は文脈によって、場所・状態のニュアンスで訳されます。
例:
「道にして、馬盗人ありて、この馬を見て」(今昔物語25-12)
意味:「道の途中で~」


ご質問2:
<根拠も添えて教えていただけると幸いです。>

1.「楼観にして」の「楼」は高い所「高殿」などを指します。

2.「楼観」はここでは「高い所から観ること」という動詞を体言化した表現として使われています。

3.従って、ここでの「にして」は「高い所から観る、という作用の行われる状態」として使われています。

4.この部分の現代訳は
「高い所から眺めながら」
となります。

5.ここではこの句は、連用修飾語として述語にかかっているのです。

6.「眺めながら」という「眺める」+「弾く」という異なる動詞をつなぐ働き、という点で「接続」の働きをしているのです。それが「接続助詞」に分類される根拠です。

以上ご参考までに。
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この回答へのお礼

非常に丁寧な回答ありがとうございました。
参考にさせていただきます。

お礼日時:2009/07/15 01:44

この場合、「して」だけでなく「にして」として考えるとわかりやすいかと思います。



「にして」は、格助詞「に」+サ変動詞「す」の連用形+接続助詞「て」の形の『連語』だと思われます。意味的には、場所を表し、「~において」となります。例文では「楼観(物見のたかどの)において」ということになるかと思います。したがって、「して」だけの品詞は何?ということであれば、『サ変動詞「す」の連用形+接続助詞「て」の連語』ということになります。

副助詞「して」は、副詞・格助詞に接続して、意味・語調を強める働きをするもので、「一瞬にして」などは、それにあたりますが、例文では意味的にあてはまらないと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
参考にいたします。

お礼日時:2009/07/15 01:43

 学生時代に使ったベネッセ古語辞典の「して」の項目に「格助詞『に』『を』と結合した『にして』『をして』は全体として『一語の格助詞』とみられるとありました。

また上掲辞典に「副助詞して」は「副詞や格助詞『より』『から』について強調の意を表す」とありましたから、お尋ねの例文では「副助詞」には該当しないだろうと思います。
ですから「格助詞の一部」と思います。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなってしまい申し訳ありません。
ありがとうございました。
参考にいたします。

お礼日時:2009/07/15 01:43

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