質問タイトルうまく浮かびませんでしたが、教えてください。
興味があって、1939年以降くらいの日本の軍事関係の本をよく読みます。そのなかで後の連合国軍の常套手段となる艦船に対しての航空攻撃と、艦砲による陸上攻撃の有効性を証したのは日本軍であるということをいくつかの書籍で読んだ記憶があります。
前者においては真珠湾攻撃とマレー沖海戦、後者のおいてはヘンダーソン飛行場への攻撃がその例として挙げられていました。
そこで前者においての疑問があります。それまで世界の常識とされていた、航空機によって艦船攻撃しても有効ではないという根拠はどういうものだったのでしょうか。また、なぜ日本海軍はそれまでの常道を破る航空機による艦船攻撃で成果を出し得たのでしょうか。航空魚雷の発達によるものでしょうか。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
>それまで世界の常識とされていた、航空機によって艦船攻撃しても
>有効ではないという根拠はどういうものだったのでしょうか。
敢えて申し上げますが、そのような「常識」はありませんでした。
太平洋戦争の10年前の軍事書籍でも航空機が軍艦に重大な打撃を与えうる事は当然とされています(参考文献:光人社「日米もし戦わば―戦前戦中の「戦争論」を読む)。
また航空機による艦船攻撃は第二次大戦でも英海軍が先んじており(例えば1940年11月のタラント空襲)、真珠湾攻撃の前でも米海軍は11隻ものエセックス級空母の建造を決定しています。
真珠湾攻撃が世界に先んじていたと言えるのは空母6隻の集中運用(英海軍は基本的に分散して運用していました。これは同等の空母が欧州には存在しなかったからです)であって、艦船攻撃ではありません。
ご回答ありがとうございます。
>敢えて申し上げますが、そのような「常識」はありませんでした。
ご指摘ありがとうございます。そうであればどこでそう思いこんだのか、完全に思い違いをしておったようです。
空母の集中運用についてはおっしゃるとおりなのでしょう。機動部隊の司令が山本だったら、と考えてしまいます。
No.14
- 回答日時:
12番さま、すみませんでした(;^_^A
ところがです、この戦艦ローマ(リットリオ級)といっしょにいた戦艦イタリアも、おなじ滑空誘導爆弾フリッツX食らったのですが、
沈みませんでした。イタリア戦艦特有のプリエーゼ水管防御システムの構造的欠陥(弾薬庫同士を砲弾はこぶモノレールがつないでいて、水密が不十分)と、イタリア側は安心しきって戦闘配置ではなかったのがローマ沈没の原因とされていますが、それでもフリッツX3発食らって沈んだほど固かったわけです(全般的にイタリアの軍艦は装甲を薄く、速力を早く、というデザインをしていました)。
また、フリッツXくらった別の戦艦、英国のウォースパイトは、一次大戦の時に建造されたクイーン・エリザベス級の戦艦でした。この船もフリッツX3発食らいました。が、
沈みませんでした。この艦が沈みかけたのは2度目でして、最初は第一次世界大戦最大の海戦ユトラント沖で15発砲弾食らってます。
でも、沈みませんでした。二次大戦も北はノルウェイ(駆逐艦を引き連れてフィヨルドに突入し、ドイツ駆逐艦隊と輸送船皆殺し)、地中海(イタリア戦艦に史上最遠距離で砲弾を当てる)、南はインド洋、またもどってノルマンディで艦砲射撃したいたらフリッツX命中、それでも現地にとどまり任務続行、と暴れ回って生き延びました。近代戦艦の歴史で、一番働いた武勲艦として、評価が確立しています。保存する予算がないのでスクラップになることとなりましたが、スクラップ業者の引き船から逃げると言う(綱が切れた)悪あがきまでした、すごい船でした。
まあ漫談になってしまいましたが、戦艦は固かったが、フリッツXという誘導鉄鋼弾がそろそろ戦艦に引導を引き渡す役割をし始め、戦後米ソが対艦ミサイル作ることとなります。それでも戦艦は兵器を積む土台(プラットフォーム)として具合がよかったので、フランスのリシュリュー、アメリカの諸戦艦はよく使われました。ソ連は英国から借りた旧式戦艦ロイヤル・ソヴリンをアルハンゲリスクと名をつけ愛用し、何だかんだと返すのをいやがりました。でも、維持に予算がかかりすぎる世の中になっていきます。
最後の任務中損失戦艦は、ソ連がイタリアから賠償で手に入れたカイオ・ジュリオ・チェーザレを改名したノヴォーロシスクで、この時は停泊中、基地近くの海底にあった古い機雷が爆発した、という冴えないものでした。この話について最近、ロシアのジャーナリストが「おもしろい」ネタをひろったのですが、それは検索でもしてみてください。
No.12
- 回答日時:
>>実際問題、第二次大戦を通じて航空機「のみ」で「作戦行動中」に沈められた戦艦は、P・O・ウェールズ、レパルス、武蔵、大和のみです。
ドイツ空軍の攻撃で撃沈されたイタリア戦艦ローマを忘れちゃだめですよ。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC% …
No.11
- 回答日時:
艦船に対しての航空攻撃
これの有効性を実証したのは確かにマレー沖海戦です。
ですがそれまでもかなり確度の高い推測として成り立っており、それを晴れて実証したにすぎません。
なぜにそれまで成果がなかったかというと、それまでの戦争ではヨーロッパでの戦争が主であり、当時は大航続距離の攻撃機が、大海面で戦艦を迎撃というシーン自体が発生しませんでした。
せっかく攻撃機があるなら、それは陸戦で爆撃に使いたい、航続距離のある機体を作るくらいなら防弾の厚い機体をとなります。
必然的に艦船の迎撃は艦船がとなり、航空機が使われる機会はほとんどありません。
つまり限られた航空機の使い方として、対艦船にはなりえなかったわけです。
逆に日本軍は、奇襲を仕掛ける側として、敵戦艦を待ち受けるためにマレー沖に長距離攻撃機をかき集めて、イギリス東洋艦隊を手ぐすね引いて待ち構えていたわけです。
またここに戦艦を派遣せず、大量の陸攻のみを対戦艦に用意したことからも、証明(実例)はなかったものの航空攻撃が戦艦に有効であると自信を持って考えられていたことがうかがわれます。
No.10
- 回答日時:
「航空機だけで戦艦は沈められない」
艦載機で魚雷を搭載して軍事作戦ができるほど
航空機のレベルが上がったことが要因の一つだと思います。
空母が本格的に作られるようになったのが1920年代だったと思います。
空母に搭載できるようなコンパクトな機体で
雷撃機を作るとなると技術的に難しかったのではないでしょうか?
それと空母の場合、誰でも発着艦できる訳ではないですし、
夜間の発着艦は非常に困難であったと思います。
(多分、夜間は行なっていなかったと思いますが自信ないです…)
飛行機は工場で作るのは容易でしょうが、
パイロットの養成は、工業製品ではないので簡単ではないですね。
開戦当初は対空砲火をあまり重要視していなかったし、
上空を戦闘機が守っていなかったため、
攻撃機のみで勝ってしまいました。
しかし、当然のごとく対応策を講じるわけで
対空砲火を強化し、攻撃機に対する備えとして
戦闘機に上空を守らせました。
そして、攻撃機を護衛する為に戦闘機を配備するという
非常に大規模な戦闘になっていきましたね。
No.9
- 回答日時:
漫談です。
実は、航空機のみの攻撃で沈んだ戦艦は、パールハーバーで浮揚をあきらめた船のほかは、POW、レパルス、武蔵、大和、だけなんです。ジャジメント作戦のイタリア戦艦や、カタパルト作戦の時のフランス艦も、航空機のみで沈みはしなかったのです。ティルピッツも、Xクラフト使っています。戦艦はそれほどに固いのです。
艦砲射撃も、さかのぼればデ・ロイテルが英欄戦争の時にテムズ川さかのぼってロンドンと港湾施設撃ちまくっているので、大砲を十分に積んだ軍艦が陸を撃つことは有効だ、とみな知っていました。日露戦争の日露海軍、一次世界大戦の英独海軍もやっています。
一方軍艦に対する爆撃は、一次大戦でロシアの戦艦・スラヴァが(日本海開戦にでてきたボロジノ級の4番艦。スウォーロフがそう)世界初の「航空機からの爆弾命中」という記録をもっていますし、雷撃は英国海軍がトルコの商船に魚雷あてて沈めています。やることは、一応やっていたのです。
航空機による艦船攻撃が有効ではない、という考えの根底には、「航空機の攻撃は常に初弾である」という言葉の理解が必要です。
近代軍艦(ドレッドノート以降)が、敵艦を砲で攻撃する時は、まずねらって発射して、外れた位置を観測して、徐々に「あたるように直していき敵艦に対する命中を期待する」ことを行います。つまり、最初の一発は外れて当然だったわけです。航空機が攻撃しても、その攻撃は一回だけだし、修正もできないから(航空機で運んだ爆弾・魚雷の)命中は期待してもムダ、だという考えでした。
これが覆ったのは日本海軍が96陸攻作った時でして、なんでのろい双発機作ったんだ、と言われたのですが、飛行機にしてみれば軍艦なんてとまっているようなもので、実際演習をやったら、軍艦の対空砲火はまったくあたらず、逆に飛行機は「狙いをつけながらせまってきて、攻撃する」ことにより、長門、山城、魚雷10数本命中轟沈、扶桑4発命中辛うじて浮いているが戦闘能力喪失、という結果になりました(練習魚雷の弾頭には電機がついていて、審判が船にのっていて数えます)。
そこで、戦艦を量産できない貧乏国日本が、航空機でやろう、と思いついたのです。で、やるなら空母を集中して一気に殴ろうよ。こうして第一航空艦隊が、世界初の空母中心の機動部隊(といっても、実際は航空打撃艦隊)ができました。飛行機の着艦誘導装置などは、日本は世界一の装備を開発していました。翔鶴の機関馬力は大和より大きいです。
それがいかに働いて、いかに滅びたかはいうまでもないでしょう。
漫談は以上です。ネタになれば。
No.8
- 回答日時:
ご質問については、下記の本
「パールハーバーの真実 技術戦争としての日米海戦」PHP文庫
兵頭二十八/著
http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/31624972
を精読されると概ね疑問が解けると思います。
非常に深い話ですので、とてもここでは説明し切れません。
なお、上記の本では
「前の晩から準備していないと、雷撃機を編隊で出撃させることは難しい」
「閉鎖型格納庫の日本空母での、艦攻の爆弾<->魚雷の換装は困難を極めた。詳細については最早分からないことも多い」
「魚雷というのは現在の価格で一本が約2億円程度であり、非常に高価であった。よって、艦攻に魚雷を積んで出撃させるという判断は指揮官にとって容易ではなかった。敵を攻撃できなかった場合、着艦前に魚雷を海上に捨てなければならないため」
「日本の空母は、規定より少ない数の魚雷しか積んでいなかったらしい。高価で製造が難しい魚雷の調達が間に合わなかったためか」
「艦載機の空冷エンジンは、2週間も放置しておくとサビて使えなくなってしまうものだった。なので、ハワイに向かう南雲部隊の空母では、飛行機のエンジンを順番に試運転してそれを防いだようだ」
「魚雷も、一定の頻度で入念な整備を行わなければ使えないものであった」
など興味深い話が満載です。
ご回答ありがとうございました。紹介していただいた本、かなり興味をそそられました。特に魚雷が一発2億円でありそれが指揮官の判断に影響を与えていたという経済面での視点は目からウロコです。この本はぜひ購入したいと思います!
No.7
- 回答日時:
>それまで世界の常識とされていた、航空機によって艦船攻撃しても有効ではないという根拠はどういうものだったのでしょうか。
1939~1941年までに
英空軍が独伊海軍に与えた損害。
独伊空軍が英海軍艦艇に与えた損害。
これらを一切無視するならば、「それまで航空機によって艦船攻撃しても有効でない」という結論に至るでしょう。
沈没艦のみ見るならば大したことないかもしれませんが、損傷艦などを見るとかなり印象が変わるかと思われます。
航空攻撃による損害で作戦を断念せざる終えなくなった艦艇は存在します。
英独伊(日米含む)海軍は敵航空機の存在をかなりの脅威、艦載対空兵器では到底防ぎきれない攻撃、と見ているのです。
もち、1939年以前から。
No.6
- 回答日時:
真珠湾は水深が浅いので、従来の航空魚雷では攻略不可でした。
航空魚雷は投下後10m付近まで深度を下げてしまいます。
どうしても深度の下がらない魚雷が必要でした。
日本化軍は同じような水深の鹿児島湾で実験を開始し、
九一式航空魚雷改を完成させます。
更に高速度、超低空からの投下と言う猛訓練を行います。
当時の米軍雷撃機は日本軍のそれに比してお粗末な物でした。
航続距離700km(攻撃半径2~300km程度)
搭載魚雷500kg程度でした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/TBD_(%E8%88%AA%E7%A …
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E4%B8%83% …
真珠湾で沈んだ
オクラホマを例に取れば、12.7ミリ機銃8門。
アリゾナはこれに28ミリ対空砲8門が追加されている程度です。
雷撃機は戦艦に致命傷を与えられない戦力である
と判断していたと思います。
また、湾内に逃げ込めば航空機の援護もあり、
爆弾による消耗を防げばどうにでもなると言う作戦だったと思います。(実際は標的になるだけ。)
洋上の決戦兵器は戦艦である。
と言う意見を持つ者も多かったと思います。
真珠湾が攻撃されるまで、
800kg爆弾や800kgの魚雷など搭載して
航空機が長距離を攻撃出来るとは
夢にも思ってはいなかったと思います。
爆撃による兵器の消耗には敏感だったと思いますが、
航空機が決戦兵器になると思っていなかったと思います。
ご回答ありがとうございました。第1次大戦で複葉機から爆撃手?が手で爆弾を目標に投下する映像を見たことがありますが、その時代から考えれば一定に進歩しているとは言え、まさか航空機がフネにのって爆弾かかえてやってくるとは想像できないことですね。戦争は技術を進歩させるというのをあらためて実感します。
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