プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

先日、テレビを観ていたら、ある弁護士が、
「時効寸前に逮捕しても、時効成立の日までに公訴提起(起訴)できなければ、時効が成立します。通常、起訴には2週間ほどかかるので、時効の三日前などに逮捕しても起訴はできないので、時効は成立してしまいます」と言っていました。
これって事実なのでしょうか。
ちなみに、ホステス殺しの福田和子は時効21日前に逮捕され、公訴時効成立まで11時間前の起訴で、ギリギリだったそうです。
事実とすれば、時効期間から起訴手続き日数を引いた期間が、
実際の公訴時効ということになるのでしょうか。

A 回答 (4件)

簡単に言うとね、事件が起こってそれを捜査機関が認知したら、公訴提起するには必ず捜査するわけよ。

捜査ってのは、公判に向けた証拠収集と被疑者の身柄の確保が目的なのね。その捜査をやるための期間制限が公訴時効だと思えば良いわけ。
もちろん厳密に言えば、時効完成後でも捜査はするし、公訴提起後も捜査はするから、公訴時効期間=捜査期間ってのは本当は正しくないけど。だけど、捜査を公訴提起に向けた準備期間という意味で考えれば、当然、公訴時効完成前までに準備をする必要があるってわけで、そういう観点で見れば実質的には同じと思っても良いってわけね。

そこで起訴に2週間ほど掛かるというのは実は不正確で、正確に言えば、2週間くらいは掛「け」るだけなの。その気になれば、起訴状作成して裁判所に出す時間だけで起訴自体はできる(起訴状には証拠類を添付しては「いけない」ので証拠書類とかは揃える必要がない)。ただ、証拠が足りなくてとても公判が維持できない=立証できないですぐに無罪判決が出てお終いになっちゃうだけ。そこで、最低限の証拠を集めるのに2週間程度の期間は掛けるってだけ。逮捕状が出るような事件なら逮捕前にある程度の証拠は集めているのでそれでもいいけど、逮捕状が出ないような事件(必要ないんじゃなくて嫌疑が不十分の場合)だと2週間程度じゃ起訴できないことだってあるよ。

>ホステス殺しの福田和子は時効21日前に逮捕され、公訴時効成立まで11時間前の起訴で、ギリギリだったそうです。

これは、ギリギリだったと言うよりは、ギリギリまで引っ張ったと言うべきだろうね。元々、逮捕したら原則として最長で20日+72時間しか身柄拘束できないの。だから、この期間内に起訴することが多いわけ(勾留期限満了に伴い、処分保留で釈放というのもないわけではないけど)。そこで21日前に捕まえたんなら身柄拘束できる限度一杯まで取調べを行って起訴したってだけだと思うよ。

ちなみに、逮捕と起訴は関係ないの。逮捕しなくたって起訴できるんだから。時々あるのは、被疑者が逃亡中に時効を停止させるために敢えて起訴するという例。逃亡中だから起訴しても起訴状が送達できなくて公訴棄却になるんだけど、そうしたらまた起訴する。これを40回以上も繰り返した事件とかもあるくらいで、これなんかはもう、逮捕前にある程度証拠が集まっている事件だからできるわけなんだけど、証拠があまり集まっていないと流石に無理。

ちなみに、人違い起訴の場合に当該被告人が無罪になったとして、真犯人について時効が停止するかどうかは両説あるけど、判例はない。もっとも、元東京高裁の刑事裁判官の石丸先生の著書には、「当該事件(公訴提起により時効の停止する事件のこと。筆者註)は、被告人と訴因によって定まる。その被告人が無罪となる場合は、(中略)真犯人については、その訴因につき(略)公訴提起によって、時効が停止することはない」と断定的記述があるので、「人違い起訴で真犯人についても時効が停止する」という回答は、少なくとも実務においては主流の見解でないことは間違いないと思うよ。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

お礼が遅くなりまして、どうもすみませんでした。
大変勉強になりました。本当にありがとうございます。

テレビドラマや映画などとはかなり違うのですね。
よくセリフで「あと1日で時効だ。急いでホシをあげろ!」
なんて、つまりはもう時効が成立しているわけですか。

何だか、ドラマの見方が変わりそうです。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2009/12/07 16:46

追加。


ってか、足利事件の真犯人の公訴時効はもう完成してるでしょ?もし冤罪になった菅家さんの起訴で時効停止しているんなら真犯人の公訴時効は完成してないはずじゃないの?
だから実務的には冤罪の場合に真犯人の時効は停止しない扱いと思って間違いないと思うけどね。
    • good
    • 0

>「時効寸前に逮捕しても、時効成立の日までに公訴提起(起訴)できなければ、時効が成立します。

通常、起訴には2週間ほどかかるので、時効の三日前などに逮捕しても起訴はできないので、時効は成立してしまいます」と言っていました。

「逮捕された」だけでは「身柄を拘束された容疑者」になるだけで、立場上は「一般人」です。

「容疑者」は「起訴される」事により「被告」になります。

そして、時効は「起訴された瞬間(起訴状が裁判所で受理された瞬間。裁判所が「受理」のハンコを書類に押した瞬間)に停止」します。

で、実はいうと、逮捕後「時効だから」と慌てて起訴しても「法律上は何の問題も無い」のです。

ですが、その場合、公判中に相手弁護士から「逮捕してから起訴まで、充分な審理をせずに起訴した」とツッコミを入れられると、起訴した検察官は反論できず、公判で不利になり有罪に出来ないかも知れません。

つまり「時効だからと慌てて起訴しても、公判で不利になり、有罪に出来なくなる可能性が高くなる」のです。

なので「逮捕後、それなりの審理期間が取れないと、起訴しても無駄になってしまう」のです。

>事実とすれば、時効期間から起訴手続き日数を引いた期間が、
>実際の公訴時効ということになるのでしょうか。

時効は、あくまでも「起訴により停止」です。それ以外では停止しません。

ですが、起訴は「裁判所が受け付けしている時間内」にしか出来ないので、時効成立前であっても「裁判所が閉まってしまうとアウト」です。

そう言う訳で、極端な例を挙げれば「時効前日に逮捕、自白があって、即日で起訴、公判で被告が犯罪事実を認める」とかだと、時効の前日に逮捕されて有罪が確定するって事も有り得ます。

もちろん、検察官が「明日時効だって!?じゃ、今すぐ書類を!」って頑張って起訴してくれて、弁護士に反論の余地が無かったら、の話ですが。

因みに「冤罪で無実の人が起訴された場合」にも「起訴の時点で時効は停止」します。

そのため「上告や再審請求などで審理が10年を超え、もう時効になった筈だからと、法廷で真犯人が『実は私がやりました。被告は無実です』とかって証言しちゃう」と、真犯人は緊急逮捕&起訴される事になります。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

わかり易く、丁寧なご説明をありがとうございます。
逮捕後の起訴手続きとは大変なんですね。

でも、これでギリギリ逮捕した人間が後に有罪とわかっても、
時効成立で無罪になってしまう場合もあるかと思うと、
社会正義ってなんだろうな、と考えてしまいます。

とにかく、ご回答、ありがとうございました。感謝!

お礼日時:2009/12/07 16:54

事実です。


公訴時効も現実問題としては質問者の考えいいと思います。

ただ、質問者さんも認識していると思いますが、国外に滞在した時間は時効が停止します。
今までは基本的に長期滞在とかがこれに該当したようですが、最近の判例では2,3日の旅行とかでも適用したようです。
この辺も逮捕してみないとわからないことがあるのでは?
偽造パスポートをつかったとかで
    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!