A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
まぁ・・・確かにややこしいですよね.
教科書は清く正しく(?)チマチマとしたところから入るので,余計わけがわからなくなるんですよね.でも,歴史を考えてみたら,いきなりそんな細かい話になったはずはなくて,実際にはもっとマクロな挙動から「いったいなんで??」といって掘り下げていったはずなんですよね.つまり教科書って歴史に逆行して一番難しいところからスタートしようとしているわけですね.
結局コイルというのは与えられたエネルギーを電流/磁束(磁界の強さ×面積ってところですが,イメージとしては磁界そのものの集合・・って感じなので磁界だぁ!でも良いと思います)を使って蓄えるというシロモノです.ちなみにコンデンサは電圧/電界で蓄えようというものです.
で,例によって教科書的にはやれ磁極だの何だの,やれなんちゃらの定理だの・・・って話になりますが,電気回路屋さんの世界なので,とりあえずそういう面倒な亜空間世界(笑)はワープしてしまいましょう.
コイルに電圧をかけるとかけた電圧やかけた時間に比例して電流が増えていきます.この比例係数をL(インダクタンス:単位はH(ヘンリー))として
Vt=LI
てな関係になっています.回路屋さんにとってはこれが基本の式だと思っておいて良いと思います.
で,LI・・からわかるとおり,L・・つまりインダクタンスが大きいと同じだけの(Vt)を与えてもIがあまり増えません.ちょうど物体に力を加えたときの力積の関係・・Ft=mv(Fが力で,tが時間で,mが質量で,vが速度)とよく似ていますね.Lが大きいというのは重い物を動かしているような感じで,同じ電圧をかけてもなかなか電流が増えていかないわけです.
ところで,振り返ってLIって何よ?というと,「コイルは磁束でエネルギーをためてる」のとおりで,結局コイルの中を通ってる全鎖交磁束(Wb:ウェーバーなんていうのが単位です)で,Φなんていう記号が使われたりしてます.全鎖交磁束っていうのはコイルを通る磁束(φなんていう記号です)にコイルの巻き数を掛けたもので,φがいっしょでもΦは2回巻きなら2倍,3回巻きなら3倍・・ってな調子になります.
Vt=Φ=φ・N=LI(V:電圧,t:時間,Φ:全鎖交磁束,φ:鎖交磁束,N:巻き数,L:インダクタンス,I:電流)
てな按配ですね.
じゃあ更にφって何よ?・・というあたりから先は勉強してみてください.
さて・・
Vt=LI
から,じゃあ,ごく短い時間Δtだけの間の電流変化は?っていうと
VΔt=LΔI
それなら,
V=L・ΔI÷Δt
となるんじゃないの?となってきて,これは正しいわけです.
#先ほどの力積の例なら,F=m・Δv÷Δt・・えっと,Δv÷Δt・・っていうのは
#単位時間あたりの速度変化だから・・加速度ですよね?加速度をaとすると,
#F=maなんて関係でしたね.
つまり
V=L・I(d/dt)
という調子で,LIの微分値が電圧になってくるんですね.LやIが電流が急激に変化すれば出てくる電圧も大きいわけです.ちなみにひっくり返して考えれば電圧を積分したものをLで割れば電流値になるっていう感じですね.
こういう性質をあらわすL・・これはコイルが単独の場合なので,自己インダクタンスってよばれます.
設問で10mHのコイルで2Aの電流が一様に減少して0.01秒で0まで減ったら何V出たのか・・といえばもうわかりますよね?
で,こんどはコイルを二つ・・A/Bとしましょうか・・巻いてやります.
Aコイルに電圧をかけてやると磁束がだんだん増えますよね?この磁束がBコイルの中も通ってるわけです.BにとってはAの存在なんて知ったことではありませんが,通ってる磁束が勝手に変化するのでこれを妨げるような向きに電圧が発生するわけです.
つまり,A側の電流変化でB側に電圧が発生するわけです.
先ほどは1つのコイルでみたときに
V=LI(d/dt)
としてみていましたが,これを拡張してB側の電圧(V(B))とA側の電流(I(A))の関係式
V(B)=MI(A)(d/dt)
としてみます.Lでは記号が一緒で混乱するのでMをあてがいます.このMが「相互インダクタンス」というわけです.
これで二番目の設問もわかりますよね?
ところで,
V(A)t=Φ(A)=φ(A)・N(A)
ですから
φ(A)=V(A)t÷N(A)
一方
V(B)t=Φ(B)=φ(B)・N(B)
ですけど,ここで100%磁束が伝わるならφ(A)=φ(B)ですから
V(B)t=V(A)t・N(B)÷N(A)
よって
V(B)=V(A)・N(B)÷N(A)
となって,巻き線比率に応じた電圧が出ることになります.これがトランスの基本原理です.
No.1
- 回答日時:
全て磁気結合回路における初歩の公式により求められます。
電流が一様に減少するということなので、自己誘導起電力φは、
φ=LΔI/Δt=2 [V]
と求められます。一様でない場合は、Δが、微分量のdに置き換わり、0.01秒間の間に一様でない電圧が発生します。
二次側に発生する電圧Φは、
Φ=MΔI/Δt=1.8
なので、M=1.8×Δt/ΔI=9 [mH] となります。
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