
暗黒物質(Dark Matter)は透明ですか?
天体の運動量と軌跡を考えると観測できる天体以外に質量がないと辻褄が合わないことから、現生人類では観測できない暗黒物質なるものを仮説し、その質量が影響していると解釈するのが現在の標準的宇宙論とのことです。
暗黒物質それ自体がいかなる波長の電磁波も自らは発していないのは良しとして、他から発信された電磁波を妨げることも無いのでしょうか?
つまり、深部の銀河を観測する時、観測者と観測対象の間に暗黒物質があると考えざるを得ないのですが、この中間にある暗黒物質が電磁波を衰弱させるとか、偏光させるとかの影響があると思うのですが。
もし「暗黒物質自体が何も発していない」のみならず「暗黒物質はいかなる影響も及ぼさない」というのではれば、そのような”物質”を仮定するのことに無理があるのではないでしょうか?
そのような無茶な仮説よりも、重力以外で天体の運行に影響を与える力を仮説するのが自然と思うのですが。
質問を整理します。
質問1:暗黒物質は電磁波的に透明ですか?
質問2:天体の運行に重力以外の力(引力か斥力)が影響を与えていると仮説することは無意味でしょうか?
なにか、考えるヒントをいただければ有り難いです。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
質問1:
今のところ電磁波に対しては「重力」としての作用しか確認できていません。(一般相対性理論では電磁波は重力で曲がります。)一般的には透明だと考えていいでしょう。
質問2:
今まで多くの学者がそのような考えで研究を進めてきていますが・・。
ある高名な学者とその点で討論しましたが、「アインシュタインの式より綺麗な方程式が書けないのです。それで皆あきらめているのです。」という話がありました。つまり光の速度を他の要因の関数にしたり、斥力の伝達も光速と違いものにしたりこれだけでも現在解っている全ての現象を解くには今までの物理常識では出来ないということのようでした。
まあ自然が綺麗な方程式だけで解ける物ではないということかもしれませんが、今の物理屋さん、数学屋さんには耐えられないのでしょうね・・・。
この回答への補足
質問後にMONDというのを発見しました。
=====
修正ニュートン力学(しゅうせいニュートンりきがく、Modified Newtonian Dynamics)、略称 MOND とは、銀河回転の問題を説明するために暗黒物質の存在を仮定することなく、力学の法則を変更することによってその説明を試みた力学理論の仮説のひとつである。
=====
1983年にイスラエルの物理学者モルデハイ・ミルグロムが提唱したそうです。
27年も前に私と同じ疑問を持った奴がいたとは!
万有引力が距離の二乗に逆比例するニュートンの法則を、距離が10000天文単位以上などの超長距離では万有引力は距離に逆比例すると仮定すると、銀河回転問題は暗黒物質を仮説しなくても整合するそうです。
一旦、物理現象を数式モデルに当てはめると、その適用限界が有るか無いか忘れて、超長距離、超高温、超長時間、超強力磁場、なんでも通用すると考えがちです。
でも、数式が正しいのではなく、物理現象が正しいのですから、物理現象をより良く記述できる数式に改めるべきで、この場合古典的なニュートン力学が超長距離では適用できないという、まさにコペルニクス的な展開があるかもしれないですね。
毎度ありがとうございます。
闇夜のカラスなら認めてあげても良いと思ったのですが「体重のある透明人間」ということになるとそう簡単に認めたくないですね。
アインシュタインだって、良く分からずにラムダ項を入れといたという説もあるぐらいですから、数学的に美しいかどうかじゃなくて、自然現象を「良く記述できる汚い方程式」が真理を表しているかもしれませんね。
しかし、人類は宇宙に関して本当に無知なんですねえ。
わくわくします。
No.8
- 回答日時:
No.6 です。
>なぜ、この仮想質量をDark Matterなどと命名したのでしょう?
電磁波を出さないため、望遠鏡で見えないからです。
>適用範囲に制限がなく成り立つと無邪気に信じているのでしょうか。
まともに物理やってる人なら無邪気に信じていませんよ。
重力の逆二乗則を検証する実験も行われています。
http://cosmophysics.kek.jp/documents/090514Ando. …
ちなみにLHCでブラックホールが出来る可能性があると言われているのは、余剰次元があると近距離での重力が強くなるからです。(逆二乗則が成り立っていればできません。)
>超長距離でも短距離と同じ万有引力の法則が成り立つと仮定するのは妥当でしょうか。
根拠がないので、妥当ではありません。
現在測定できるスケールでは逆二乗則が成り立っているので、
それより大きなスケールでも成り立つだろう、とするのが今のところ最も自然です。
追加の情報ありがとうございます。
重力逆二乗則を検証しようとせれている方々が実際にいらっしゃるのですね。
超長距離での重力逆二乗則の検証は、重力波の伝播だけでも何万年もかかるため、実験可能性に関しても困難を極めますね。観測事実から重力逆二乗則に反する事実がたくさんでてくると面白いことになりそうです。
ありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
いろいろな仮説があるので、とりあえず私は、インフレーション宇宙論をベースに回答をしてみますね。
インフレーション宇宙論は、ビックバン以前にもっと小さい状態があって、その後、爆発的に広がった、という考え方です。最初の宇宙が素粒子サイズだと仮定した場合、量子論による不確定性原理が働きます。存在自体が確率で定義されるようになるんです。無から有ができる可能性が生じます。
素粒子サイズのものが、一気に大きくなった場合、その途中で物質ができ、宇宙が晴れ上がります。その時期に出来上がった素粒子自体も、当然不確定性原理が働き、確率で存在が定義されます。これを、存在確率の雲と呼ぶことがあります。
その時期でもまだ膨張は進んでいて、初期の宇宙に存在をしていた素粒子が、現在、宇宙全体を覆う存在確率の雲が多数あるのでは、そして、これがダークマターの正体で、物質(マテリアル)ですらないのでは、という仮説ですね。
質問1:暗黒物質は電磁波的に透明ですか?
はい。存在確率自体がおそろしく希薄なので、電磁波への相互作用はほとんどないと考えられています。
質問2:天体の運行に重力以外の力(引力か斥力)が影響を与えていると仮説することは無意味でしょうか?
重力は、マクロの単位で影響を及ぼす力です。力の素粒子が場と相互作用をすることによって発現しますが、量子論の世界である素粒子自体が大きな範囲で働く力は、まだ理論として作られていないので、重力がどのように影響するかも不明な状態です。
ましてや、力の影響範囲が小さい他の3つの力が、遠距離でどのように働くかも、まだ理論を作っている段階です。
ありがとうございます。
もし質量があるとして、暗黒物質(Dark Matter)ではなく、透明物質(Transparent Matter)または透明質量(Transparent Mass)と命名していただきたかったですね。
しかし、暗黒物質(Dark Matter)などという不可解な相互作用を仮説するよりも、重力より強い電磁力が作用していると考えると素人には分かりやすいのですが、、、。
とはいえ、私の生きている間に暗黒物質(Dark Matter)の観測が成功することを期待しております。
No.6
- 回答日時:
(ダークマターがあるとすれば、)今まで観測されていないことと、現在まで存在していることから、
1.電磁相互作用をしない
2.安定
3.重い
である必要があります。
質問1
1,2より、電磁気的に透明です。
質問2
その仮説が論理的に正しくて、今までの実験結果と矛盾しないなら意味があります。
=======余談===================
・ちなみに、ダークマターが提唱されたのは、銀河の回転曲線の観測がきっかけですが、
それだけでなく、宇宙論や重力レンズ効果によってもダークマターの存在が支持されています。
例)CMB(宇宙マイクロ波背景放射)の非等方性のパワースペクトル(WMAP-7yearのもの)
http://lambda.gsfc.nasa.gov/product/map/current/ …
黒い点が実験値で、赤い線がコールドダークマター(CDM)入りの宇宙モデル(ΛCDM model)からの理論値で、よく合っています。
・上記1~3を満たす粒子は素粒子の標準模型には存在しません。
現在の最有力候補は、LSP(lightest supersymmetric partner 超対称性粒子のうち最も軽いもの)です。
・今までの実験結果とよく合う=ダークマターが存在する
ではありませんし、その詳細な性質を調べるために現在ダークマターを検出しようと様々な実験が行われています。
-CDMS(cryogenic daek matter sarch)実験 http://cdms.berkeley.edu/
半年ほど前にダークマターを観測したかも!?と話題になりました。(結局発見には至っていませんでした)
-XMASS実験 http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/index.html
そろそろ実験が始まるかも。日本の神岡にあります。
-LHC(large hadron collider)実験 http://lhc.web.cern.ch/lhc/
最近の実験結果がSUSY(supersymmetry 超対称性)を支持しているみたいです。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science_and_environme …
ありがとうございます。
確かに、論理的に電磁気的透明である必要がありますね。
なぜ、この仮想質量をDark Matterなどと命名したのでしょう。
属性から言って、Transparent Matter,i.e.透明物質と命名するべきだったと思います。
そうであれば、存在に関する疑義は残るものの名称に対する疑問は生じなかった。
ニュートン以後、アインシュタインまでの200年にわたって、人類は、運動エネルギE=m*V**2/2におてい、値の範囲に制限なくEを4倍にすればVは2倍になると誤解し続けていたわけです。
今、低速でなりたつ式が超高速(=光速の近く)で成り立たない、すなわち速度に関して適用限界があることが判明したのに、距離に関しては相変わらず短距離で成立つ式が、適用範囲に制限がなく成り立つと無邪気に信じているのでしょうか。
超長距離でも短距離と同じ万有引力の法則が成り立つと仮定するのは妥当でしょうか。
それとも、すでに銀河回転問題以外において、5万光年ぐらいの超長距離でもF=(G*m1*m2)/R**2が成立することが検証されているのでしょうか?
まあ、ご専門の研究者の方々が先入観を持たずに、観測事実と、論理的整合性の両方を配慮しながら統一見解を組み立てられうのでしょうから、楽しみですね。
No.5
- 回答日時:
No.3です。
補足にありました「物理現象を数式モデルに当てはめると、その適用限界が有るか無いか忘れて、超長距離、超高温、超長時間、超強力磁場、なんでも通用すると考えがちです。」というご指摘はプロの研究者に対しては少し言いすぎだと思います。
有名なところでは湯川博士や朝永博士、この前の益川博士などは・・外国ではホーキング博士もですが・・ご指摘の適用限界の突破を第一の目的とされてノーベル賞に当たる業績をを上げられました。
私の知っている限り超高温、超長時間、超強力磁場に挑んで成果を上げている事例を沢山知っています。
超高温:宇宙の相転移
超長時間:ニュートリノ天文学、陽子崩壊(ニューカミオカンデ)
超強力磁場:超新星爆発のモデル、超伝導の原理
このような研究の中で従来考えられていたモデル(式と考えても結構です)は日進月歩で変わっています。ご指摘の研究は結局最近のデータを十分説明できず、今のところ没になっているものです。
有名な超ひも理論も現在とん挫しており、新しい考え方が期待されています。
「なんでも通用すると考えがちです。」と考えるのは学問の世界ではまずない事だと思って下さい。高等学校の理科レベルの考え方です。
学問の世界では「何も通用しない」というところから始まります。
質問者様の立場を考えず無礼な物言いをしたかもしれません。お許しください。
再度コメント有難うございます。
意図したことではありませんが、下記補足の表現で、現役のプロ研究者に対して失礼がありましたらお詫び申し上げます。
「、、、なんでも通用すると考えがちです」の省略された主語は「私は」であって「プロの研究者は」ではございません。
実際「私は」運動エネルギーが(MV2乗)/2という式を高校で習ったとき、十分なエネルギーを与えれば速度はいくらでも増加できると思ったものです。
現役のプロの研究者は過ちを起こすことは無いと思いますが、ニュートン以後、アイシュタイン以前の約200年間にもプロの研究者は居たと思います。
ニュートン力学が「超高速では成り立たない」ことが200年後に発覚し、さらに100年経って今度は「超長距離では成り立たない」ということになったら、、、、などと面白おかしく想像したまでです。
あしからず、今後ともよろしくお願い申し上げます。
No.2
- 回答日時:
基本的にダークマターというのは、可視光線や電波といった、
現代の人類の天体観測手段において観察できない、というだけ
=自分で光も電波も発していないという事です。
「暗黒物質」は、状況証拠から想定されているだけで、具体的な
原理を限定していないので、実用的に観測されないなら、すべて
OKです。
つまり、「透明」かどうかといえば、不透明であっても、
宇宙空間で背後に恒星があって、それを確認できる状況は稀なので、
観測できない=「自分で光や電波を発して」いるかどうかが、
主な暗黒物質の性質です。
(もちろん、目の前にあっても見えず、重力でだけ相互作用する
「影の宇宙」を暗黒物質の正体とする考えもあります)
ありがとうございます。
>宇宙空間で背後に恒星があって、それを確認できる状況は稀なので、
とのことですが、WMAPの観測によれば宇宙には普通の物体の質量の5倍ほど暗黒物質が存在するとのことです。
質量で5倍もあるとすれば、密度にもよりますが、相当の体積も考えられ、深い宇宙からの電磁波の線路に立ちはだかっている可能性も高いと感じます。
「体重がある透明人間」ですから、想像を絶する物ですね。
天体運動の重力バランスから想定するには都合がよいのでしょうけど、、、。
No.1
- 回答日時:
暗黒物質は電磁波的に透明ではありません。
見えませんから真っ黒です。天体の運行に重力以外の力(引力か斥力)が影響を与えていると仮説することは無意味ではありません。可能性は十分ありますから。
ありがとうございます。
「見えない」と言う現象があった場合、二つの可能性があって、
1.闇夜のカラスは見えないけれども、発光体の前面に立ちはだかったら光をさえぎる。
2.透明人間は見えないし、発光体の前面に立ちはだかってもやはり分からない。
1.が宇宙に存在するという仮定は受け入れやすいですが、2.が宇宙に存在するとは考えにくいです。
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