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電車のエアー機器についてなのですが、
抵抗制御の頃は運転士のワイパーやドアエンジンもエアー駆動でしたが、インバータ制御のあたりから電動に変わっています。 変えた理由はどこにあるのでしょうか?
また、電動になった機構はその他に何があるでしょうか?
製造コストやメンテナンスや使用上の差異、という点になりますが。

A 回答 (3件)

 昔、乗用車など工業製品が一般大衆に普及する以前は、鉄道車両は部品まで国鉄などが仕様を定めて作らせる、手造り状態でした。


 鉄道車両はブレーキや空気ばね台車(空気ばねでない車両は除く)にエアーを大量に使用するので、コンプレッサーは必需品で圧搾空気は利用し放題の状態です。このため、昔はエアーを利用できるなら使ったほうが構造が簡単で力も強く開発も楽で部品も安くできるため、空気制御機器を多用していました。
 しかし、乗用車や家電製品など一般大衆にも電気機器が普及してくると、大量生産により汎用の電気機器のほうが安くて高性能で部品確保も楽といった状況になってきましたので、最近は安全に問題がない限り積極的に汎用電気機器を使用するように変わってきたと思います。
 ワイパーについては、電動ワイパーなら間欠ワイパーなどきめ細かい電子制御も可能です。
 自動ドアについては、ワイパーに比べて電動化は遅れていると思います。JR東日本などが積極的で関東地方では普及が進んでいますが、自動ドアについてはまだまだ空気制御が多く残っています。これは、建物の入口などに使う汎用の電動自動ドアと異なり、走行中にドアが開くと事故になるので、安全上の配慮が必要でどうしても特殊な物になるからだと思います。空気制御なら空気圧で開かないように簡単にできますが(もし元の空気圧が低下すると、ブレーキも問題となるので、元の空気圧が少し低下すると非常ブレーキが作動し停車する)、電動ドアではドアを開閉する機構に加えてドアをロックする機構を追加した特殊な構造で世の中に利用がほとんどない鉄道独特の部品となるため、電動式でも量産効果出ず割高だと思います。しかし、JR東日本などではドア開閉のきめ細かい制御ができることや保守性の面で、割高な電動式を積極的に採用していると思います。
 これにひきかえ、デッキと客室を仕切る自動ドアは安全上の問題がないので、手動ドアから自動ドアになったごく初期は空気式のようでしたが、もう何十年も前から電動式になっていると思います。
 あとは、警笛などは空気式が今でも主力ですが、電気式も出てきています。
 トイレは垂れ流しの時代は、空気で水を揚げて流す方式でしたが、循環式や真空式汚物処理装置搭載となって電気式ですね。但し、洗面所などの手洗い水は今でも圧搾空気で床下水タンクから揚水していると思います。
 電車においてパンタグラフの上昇はバネの力で行なっていますが、そのフックをはずすのは、昔はエアーだったと思いますが(その昔は手動式の時代もあったが)、今は電気式だと思います。しかし、パンタグラフを降下させるのは今でもエアーだと思います。
 摩擦ブレーキは今でもエアーで駆動しますが、そのブレーキ力制御について昔は制御も含めて全てエアーでしたが、最近の新車は電気指令式がほとんどです。
 
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この回答へのお礼

詳しく回答いただき、ありがとうございます。
昔は、何でもエアーでやっていましたね。
また何から何まで国鉄内部で設計して。
手洗い水も言われれば確かにエアーでやっていそうな感じですね。
ドアに関しては、なるほどというところです。
きめ細かい制御・・・、そういえば何かで引っかかって止まったドアは、その後で勢いよく閉まるのがエアーの欠点ですね。
また115系の初期の車両はエアが抜けないので手動扱いが重くて大変でした。
排気音で開閉のタイミングがわかるのが長所とも言えるんですが。
でもドアの電動化はJR東日本が特に積極的なんですか。
他の地域の方は知りませんでした。
実は生産設備のエアー機器の電動化の有利不利の調査というのが根底にあって、そういえば鉄道車両ではどうだったかな、という話でした。

お礼日時:2010/09/18 23:24

空気配管はどうしても大きく重いうえ、漏れた場合の交換作業が大変です。

電動にすると単なるケーブルの引きまわしなので、軽いしメンテナンスも楽なんです。

昔はモーターを細かくコントロールすることが出来なかったので、その辺のコントロールが楽な空気式を使っていたんですが、現在はステップモーターなどが安価に使えるようになったので、ドアエンジンを電動にするようになったんですね。また、昔に比べてメンテナンスの人件費が上がったので、細かい調整が必要な空気式のドアエンジンより、壊れたらユニットごと交換する電動式の方が有利になった、という面もあります。

この辺も、制御方式云々の問題とはあんまり関係ないですね。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
そうですね、鋼管で引きまわしていたら製作は大変ですね。ブレーキ管は鋼管が当然としても。
ステッピングモーターは生産工場でも使われますが、価格の低下ですか。
制御方式は、その頃の時代に、程度の意味合いで書きましたが、ブレーキ方式の違いはいくらか影響も与えたみたいですね。

お礼日時:2010/09/17 23:04

こんばんは。


首都圏の私鉄で電車運転士をしております。

抵抗制御と、ワイパーが空気制御⇒電動になった経緯とは、関連ありません。

また、JR東日本では205系辺りの新車からワイパーは電動になっていますが、その当時の他の私鉄では、まだワイパーが空気制御の車両も。
制作する側の車両メーカーや納入される鉄道会社の協議の過程で決まった事です。

空気制御によるワイパーは、
ブレーキがHSCなどなら動力源の空気が確保しやすい事、
空気の量(バルブの加減)でワイパーの速度調整できる利点がありますが、この弁の調整が難しく故障するケースも多かったのです。
また、ブレーキもMBSが主流になり運転席に空気配管が無くなり、圧縮空気をわざわざ持って来なければならなくなる問題。
そんな問題を無くす為に電動ワイパーは採用されました。

不安視されていた故障のリスクも低い安定した性能のワイパーも出てきた為です。

安定した性能、かつ故障も少ない為、旧型車両でも改造で電動ワイパーに。

今日では電動ワイパーが主流です。
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この回答へのお礼

なるほど、空気配管がなくなったんですね。
そういえばそうですね。
しかもエアー駆動は故障があったとは。
簡単で頑丈なものかと思っていました。
乗務員にとっては、排気を処理していなかったので、あのシュコーン、シュコーンという音は耳障りだった事でしょう。
(国鉄、JRに限った話をしております)
納得です。
だいたい電動ワイパーは乗用車で品質は鍛えられてますよね。
ドアについても、ぜひぜひお聞かせ下さい。

お礼日時:2010/09/14 23:20

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