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塩素の実験室的製法は、「酸化マンガン(IV)に濃塩酸を加えて加熱する」というものですが、
MnO2 + 4HCl → MnCl2 + 2H2O + Cl2
酸化マンガン(IV)より強い酸化剤である、
過マンガン酸カリウムKMnO4を用いても問題ないと聞きました。
そして、その場合は加熱が不要だとか。
それなら何故、最初から過マンガン酸カリウムを使って塩素を製造しないのですか?

A 回答 (3件)

加熱が必要であるからこそ、酸化マンガン(IV)を使います。

過マンガン酸カリウムを使う製法は、加熱なしでも反応がどんどん進んでしまうので、酸化マンガン(IV)を使う製法よりも安全面で劣ります。

気体の実験室的製法において、好きなときに気体の発生を止めることができるということは、大事なことです。塩素や硫化水素のように毒性の強い気体では、このことは製法を選択する上でとくに重要になります。もし加熱を必要とする製法ならば、加熱を止めて試験管やフラスコを冷やせば気体の発生を止めることができます。あるいは加熱なしで液体と固体から気体を発生させる製法なら、ふたまた試験管やキップの装置を使うと、液体と固体を分離して気体の発生を止めることができます。

ですので、酸化力の強い過マンガン酸カリウムを使う製法よりも、酸化力の弱い酸化マンガン(IV)を使う製法の方が、フラスコを冷やせば気体の発生を止めることができるという点で、より優れた製法です。ふたまた試験管やキップの装置を使えばいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、それならば過マンガン酸カリウムを使う製法よりもさらし粉を使う製法のほうが、試薬の取り扱い易さという点で、より優れています。

なお、過マンガン酸カリウムを使う製法では、たしかに加熱不要ではありますけど、反応が暴走しないように(反応速度が速くなりすぎないように)「氷浴で冷却しながら反応させること」という注意書きがついているのがふつうです。このことからも、この製法が簡単でもなければ最良でもないことを理解していただけるのではないかと思います。
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この回答へのお礼

ご教授感謝します。
確かに、
下方置換用のビーカーから溢れ出る程塩素を生成しすぎた時、
過マンガン酸カリウムだと、
急いで逃げる以外どうしようもないですものね。

お礼日時:2011/01/01 18:12

No.1の方の回答で正しいです。



でも、高校生ですよね。それならばもっと大きな理由があります。
過マンガン酸カリウムで簡単に生成してしまうと、問題が作れないのです。
塩酸を加熱するから、発生装置の後ろに「水」と「濃硫酸」のトラップが
必要になり、それを出題したいのです。

同じようなことがボルタ電池にも言えます。
ボルタ電池がすぐに分極がおこる性能の低い電池です。
しかし、これ以外の電池では分極や減極剤という単語が出題しにくい
のです。

問題を作る方から言えば、最良の製法が好まれる訳ではなく、問題の
ある方法を示して、その問題点を聞きたいのです。
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(1)値段がとても高い


 過マンガン酸カリウムは学校試薬のカタログで 100g 3000円以上します。
 対して酸化マンガン(IV)は陶芸店で 1kg 400円です。

(2)とっても危険
 過マンガン酸カリウムは、危険物第一類に指定される劇物で、取り扱い
 や保管が難しいんです。有機化合物と混じると発火の危険がありますので。
 それに比べると、酸化マンガン(IV)はかなり安全です。
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