No.1ベストアンサー
- 回答日時:
TheWK1981さん。
お久しぶりです。いつぞやはブロックしてしまい、失礼をいたしました。
さて、(1)は定義、(2)は便利な公式、という位置づけだと思います。
円の面積は、
∫[x=中心⇒半径r]太さdxで中心からの距離xのとき2πxになる厚さのないひもの面積の合計
= ∫[x=0⇒r]2πxdx
= 2π∫[x=0⇒r]xdx
= 2π・1/2[x^2][x=0⇒r]
= 2π・1/2(r^2 - 0)
= πr^2
= 半径 × 半径 × 円周率
円錐、角錐の体積は、
∫[x=頂点⇒高さh]厚さdxで面積が底面積Sにx^2/h^2をかけたものになる板の体積の合計
= ∫[x=0⇒h]Sx^2/h^2・dx
= S/h^2・∫[x=0⇒h]x^2・dx
= S/h^2・1/3[x^2][x=0⇒h]
= S/h^2・1/3(h^3 - 0)
= 1/3・Sh
= 底面積と高さが同じ円柱・直方体の体積の3分の1
こういうのは、先に公式を教えておいて、高校生になって微積分を習ってから理屈を知って「そうだったのか」と驚く、という学習手順がよいと思います。
理由は、公式と導出過程のギャップが大きすぎることが一つ。あと一つは、感覚として「3で割ると、なんとなく錘の体積になりそうな感じがする」と思えるということです。
一方、場合の数については、中学校では階乗とかPとかCとかを使わず、もっぱら樹形図で解くことになっていますよね。
これも、この学習手順でよいと思います。
なぜならば、樹形図を作ることと、順列の計算をすることは、式を使うか使わないかの違いはあれども、同じ操作をやっているわけで、樹形図の理解から入る方が本質を理解しやすいからです。
そして、本題の標準偏差ですが、
関数電卓のボタンには、たぶん(2)の公式が書いてあると思います。
ただ、定義はあくまでも(1)であること。また、本質も(1)であること。そして、(1)を理解できる人は(2)も理解できる可能性が高いこと。
そういうことがありますので、(1)の計算を教えずに(2)の計算を教えるのは、手順前後ではないかと思います。
樹形図と同様、いったん効率の悪い計算を経験してから、その後に便利な公式を使うようにするというのが筋というものだと思います。
蛇足ですが、
私が大学のときに、放射性核種の半減期の計算を習ったとき、ln2=0.693 という定数を覚えさせられました。
しかし、その0.693という数字を使ってどういう公式で計算をすればいいのかについては、一度覚えては忘れ、また覚えては忘れ、の連続でした。
もともとは、
-dN/dt = λN
っていう簡単な微分方程式から来るんですけどね。
結局、微分方程式のほうが(意味からして)いつでも思い出せる簡単な概念なので、今は多少時間がかかっても公式に頼らず微分方程式から考えるようにしています。
というわけで、公式を先にするか後にするかは、ケースバーケースだと思います。
この回答への補足
sanori先生がご質問をされた暁には、私も回答に参加させていただくことがございますので、その節はどうぞよろしくお願い申し上げます。
補足日時:2011/06/11 20:32No.3
- 回答日時:
数学的には(1)と(2)は等しいですが、実際にこのような式を使うのは物理・化学の分野のほうが多く、当然ながら誤差についても考慮する必要があります。
誤差論はあまり詳しくはないので証明はできませんが、(1)と(2)では最終的な誤差の範囲が異なるような気がします。
昔経験したことですが、(2)を使って計算したら本当の標準偏差とかけ離れた値になって、ひどい目にあったことがあります。
No.2
- 回答日時:
標準偏差を計算させるというのは手計算を念頭に置いているのだろうか?
もし,計算機を使って計算するのであれば計算精度の点でも(1)式の方が優れているし,定義に沿った計算という安心感もある。
手計算でやるとしても,例えば10人の身長が
169,173,172,169,165,171,171,174,172,169
と与えられたときに,平均を170.5と計算して
169^2+173^2+...+169^2=290763
290763/10-170.5^2=29076.3-29070.25=6.05
SQRT(6.05)=2.46
などとするのだろうか?
それよりも仮平均を170として
(-1)^2+3^2+2^2+(-1)^2+(-5)^2+1^2+1^2+4^2+2^2+(-1)^2=63
63/10-0.5^2=6.3-0.25=6.05
SQRT(6.05)=2.46
とするのではないだろうか?この方が計算量の点ではるかに優れている。
つまり(2)式は,特別な場合にしか役に立たない,つまらない式ではないだろうか?
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