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 他のGPS衛星と組み合わせて「みちびき」を使うとGPSの精度が格段に良くなる,という報道がなされていますが,なんでそうなるのかが分かりません.
 静止衛星の高度にある「みちびき」は,地上から見ると日本の天頂付近からオーストラリア?上空あたりまで,ほぼ子午線上を往復していますから,天頂にあるときには,ビルの陰になることもなく,地上で信号を受信しやすい.
 それは分かるんですけれども,その信号で測れるのは「みちびき」までの距離,すなわち測定地点の高度だけではないか.
 そもそも,準天頂衛星なんか使わなくても,GPS信号の搬送波の位相を使って(時間さえ掛ければ)cm単位の測定もできているはず.(岩盤にGPS受信機を固定して,大陸の移動量を測った研究があったと思います.)
 というわけで,「みちびき」にどういう意味があるのか教えてください.

A 回答 (6件)

従来の方法でも、位相を利用するRTKのような方法ならば、リアルタイム(1秒程度)で数センチの精度で測定が可能です。


地上局は、国土地理院の電子基準点を使えばよいので、自力で地上局を作る必要もありません。
http://www.f2.dion.ne.jp/~ats_alfa/gps01.htm

ただし、この方法を使うには、別途回線でデータの補正情報を入手する必要があるから、
測量業者は持っていても一般には無理です。

で、みちびきの場合、電離層や大気の状態も衛星の信号に相乗りしているから、
別途回線なしでRTKが使えます。
精度があがる理由。リアルタイムでなく時間をかけるほう。
http://www.gsi.go.jp/common/000054541.pdf


で、
今までは1周波数型の受信機では単独測位しかできなかったところ、今度はRTKもできるようになるから
精度が格段に上がる
という意味と思います。


>GPS信号の搬送波の位相を使って(時間さえ掛ければ)cm単位の測定もできているはず.
それって、基点間が長い(100キロとか。)場合、搬送波の位相だけでなく、電離層や大気の状態も
何らかの方法で入手してデータ補正してはじめて達成される精度では??

この回答への補足

良い資料を教えていただきありがとうございます.

> 電離層や大気の状態

 つまり大気の屈折率分布の変化の影響を補正する.なるほど.
 「電離層の状態」は誘電率の変化に伴う屈折率の変化のことだと思われますが,これの程度はよく分かりませんでした.一方,大気圧が大きく変化するのは対流圏特有のことでしょう.大気圧の変化1%あたりだいたい3E-6ぐらい空気の屈折率が変わる.水蒸気圧の変化の影響も対流圏だけで生じ,しかし気温が低いと飽和水蒸気圧がひどく小さいので,こちらはごく低高度でしか効かない.
 ともあれ,「みちびき」の見かけの高度を(地上局の干渉計などで)測定すれば,天頂方向の平均屈折率の変化による遅延の変化のトータルが分かる.変化の原因までは分からなくても,これと,地表の気圧の情報,および高度ごとの屈折率分布のモデルを組み合わせれば,(主要な要因が比較的低高度に集中しているために,よほど地平線に近いGPS衛星を見るのでないかぎり)いろいろな方向のGPS衛星からの信号の遅延量のシフトが大体計算できるだろう.これならずっと精度が上がることになると,納得が行きました.

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 ご紹介の論文にある「1周波数型の受信機の方が安い」なんて理由付けは,電話機のオマケでGPS受信機が付いてくるような時代には苦し過ぎるないんじゃなかろうかと思いました.

> 別途回線なしでRTKが使えます。

 それだけなら冬山登山用衛星てことに(ANo.3への補足をご覧ください)

> それって、基点間が長い(100キロとか。)場合、搬送波の位相だけでなく、電離層や大気の状態も
何らかの方法で入手してデータ補正してはじめて達成される精度では??

 大陸移動のスピードを測ろうという話ですから,基点からして信用できませんでしょう.むしろ,うんと長期間の平均を取って誤差を打ち消しているのではないかと.

補足日時:2011/09/17 18:00
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> 沢山のGPS衛星を観測することで冗長度を利用しても,「ランダムな誤差」というモデルしか使えなければ格段の精度向上は無理で,4機を観測してようやく誤差の程度が分かり,5機以上で多少の精度向上ができるということになりませんか.



私はGPSの技術者ではないので以下推測です。
日本の都会ではビルが多いので反射波による誤差があるそうです。例えば新宿で三井ビルに隠れて電波の届かない衛星も住友ビルの壁に反射して受信される場合です。すると経路的に数十メートル長くなり誤差になります。その場合反射波の信号レベル的に低いので単純平均ではなく優先度を落とすとか無視とかの手法も可能になります。
また準天の場合は大気や電離層とも通過距離が短いので影響が少なく有力候補として使える可能性もあります。


> つまり地上基地局の機能を放送衛星に載せたということですね.衛星の信号は受けられても地上局との通信は無理,という事が起こるのは,高山か海洋の話でしょう.海で数十m程度の誤差がさほど重要なのかどうか.すると,日本の冬山を登る登山家のための衛星という話になりそうですが...

「地上基地局の機能」これの意味はなんでしょうか?携帯基地局?普通のGPSは地上の電波は利用していないと思います。

固定の測定局でGPSの信号を受信して本来あるべき信号からの誤差をみちびきに送ってみちびきの測位用信号に同梱していると思います。

例えば
ソフトバンクモバイル
http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/20 …
実験は網走ですが都会のなかのビジネス展開が想定だと思います。

それ以前にテレ東WBSで浅草で専用のスマフォを間口数mの店を案内していたのを放送してました。
http://d.hatena.ne.jp/cool-hira/20110804/1312405 …

> ご紹介のJaxaのページに関しましては,「見上げればいつもそこにいる安心感」だなんて掲げてます.お>前らに説明したってどうせ分からんだろうというナメた態度が気に入らないす.(ナメられてるのにすら気>づかずにそのまま報道する連中もヒドいですが.)しかしこれを裏から見れば,さしたる利点がなくてきち>んと説明できないもんだから「安心感」なんつって誤魔化してるんじゃないの?という疑いを抱かせるに
>分なコシヌケぶり,ってことで,この質問をしたんです.

そうですか。このことは質問に事前に書かれるの良いと思いますし、お礼に書かれてもJAXAでもマスコミでもないので回答しようがございません。直接メールで詳細の研究成果や論文を開示させて寄与率とかの詳細をお調べになるのが良いかと・・・
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「測定の制度があがる」理由は、moto21さんの「電離層の変化により電波の伝播速度が変わりそれが測定される距離が変わります。

」と関係があります。
GPS衛星は電離層の変化を見ているかどうか分かりませんが、もし見ていたとしても日本の上空の電離層の状態を正確に調べてGPSの電波に乗せて情報を送ってくれるとは思いません、「みちびき」は日本専用衛星です日本の上空の電離層の状態を正確に調べて送信しています。
GPS受信機はGPS衛星の情報で位置を計算し、「みちびき」の情報で日本上空の電波の伝播速度を元に補正します。GPS単独だと電波の伝播速度に関して補正できません。

この回答への補足

ありがとういございます.
電離層の観測衛星ではなさそうで,そもそも3万キロも離れたところから観測するのも変な話です.やはり放送機能しかないのだろうと思います.

補足日時:2011/09/17 18:02
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1)多くの衛星が受信できると誤差を少なくできる可能性がある。


2)GPSの誤差を補正する信号を同時(含んで)に送っている



1)について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AD% …

GPSの誤差要因として電離層の変化により電波の伝播速度が変わりそれが測定される距離が変わります。
その場合他の衛星とで計算し直して誤差を平均化して少なくできます。
電離層だけでなくビルや地面の反射波を拾うことも誤差要因になります。

そこの記述にもありますが現実の測定には、4つの衛星が必要です。

その理由は3次元空間3点からの距離がわかれば球の交点が自分の位置だと計算で出ます。
3つの衛星からの原子時計の時刻情報だけだと自分も同様の原子時計があれば可能ですがそれはできないのでもう1つの衛星からの情報を加えて時刻の未知数を補うそうです。


http://www.iiyo.net/aboutGPS/index.htm
現在発売されているガーミンGPSは12チャンネル並列受信機を採用しています。これは同時に12機の衛星と通信可能な受信機という事になり、常にその内で条件の良い4機を選んで測位に利用しているいます。周りに遮蔽物が無く4機以上の衛星からの電波を十分に受信出来ている場合は、15m程度の誤差に収まります。4機以上の衛星から十分なレベルの信号を受信するためには、仰角45度以上の空が周囲360度に渡り十分に見渡せるという条件を満足する必要があります


2)

http://www.jaxa.jp/pr/brochure/pdf/04/sat12.pdf
【GPS補強】
 GPS補強技術は、基準点で受信したGPS信号から生成した誤差補正情
報やGPS信号の使用可否情報等を、準天頂衛星から送信して、測位精度
の高精度化や高信頼性化を図り、ユーザの利便性向上に寄与します。




>それは分かるんですけれども,その信号で測れるのは「みちびき」までの距離,すなわち測定地点の高度だけではないか

現実には4つの衛星からの時刻情報とその衛星は何号機でこんな衛星軌道という情報がないとその衛星の位置が分からないのでその時刻の差とか衛星軌道を複雑に計算するので単純に高度ではないと思います。

>そもそも,準天頂衛星なんか使わなくても,GPS信号の搬送波の位相を使って(時間さえ掛ければ)cm単位の測定もできているはず

先ほどのwikiのGPSにありますが
高速スタティック測位 干渉測位方式。測量地点で、複数のアンテナを固定設置し、測位時間30分以下、誤差1cm以下が可能。

複数のアンテナが必要ということは単独での測位はできないということで、30分とかかかったたら人間の歩行でも使えないと思います。

この回答への補足

ありがとうございます.

> 1)多くの衛星が受信できると誤差を少なくできる可能性がある。

 沢山のGPS衛星を観測することで冗長度を利用しても,「ランダムな誤差」というモデルしか使えなければ格段の精度向上は無理で,4機を観測してようやく誤差の程度が分かり,5機以上で多少の精度向上ができるということになりませんか.

>  GPS補強技術は、基準点で受信したGPS信号から生成した誤差補正情報やGPS信号の使用可否情報等を、準天頂衛星から送信

 つまり地上基地局の機能を放送衛星に載せたということですね.衛星の信号は受けられても地上局との通信は無理,という事が起こるのは,高山か海洋の話でしょう.海で数十m程度の誤差がさほど重要なのかどうか.すると,日本の冬山を登る登山家のための衛星という話になりそうですが...

 ご紹介のJaxaのページに関しましては,「見上げればいつもそこにいる安心感」だなんて掲げてます.お前らに説明したってどうせ分からんだろうというナメた態度が気に入らないす.(ナメられてるのにすら気づかずにそのまま報道する連中もヒドいですが.)しかしこれを裏から見れば,さしたる利点がなくてきちんと説明できないもんだから「安心感」なんつって誤魔化してるんじゃないの?という疑いを抱かせるに十分なコシヌケぶり,ってことで,この質問をしたんです.

補足日時:2011/09/17 17:44
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本来であれば、日本独自のGPS衛星ですべての構成を行いたいところですが、予算的には無理なため、アメリカのGPS衛星を利用しています。



しかし、もともと軍事用に開発されたため、戦時などの状況により精度を変更されるため、日本列島をせめてカバーできるGPS衛星の設置を考えたのが「みちびき」のシステムです。

GPSのシステムは3つ以上の衛星からの距離を測ることで現在位置を割り出すわけですが、このうちの1つが国産のGPS衛星で、準天頂につねにあることで測定の制度があがるといわれています。

また、「みちびき」では従来のGPS衛星で使われているのとは違う帯域の周波数を使うことで、より制度をますといわれています。

また、常に準天頂に衛星を配置するために、3機での運用が予定されているそうです。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます.ぜひ,A.No.1の補足をご覧ください.

> 準天頂につねにあることで測定の制度があがるといわれています。

確かにそう「いわれています」が,天頂にあったのでは高度の測定しか出来ないはずなのに一体どうやって「測定の制度があがる」のか,というのが,この質問です.

補足日時:2011/09/16 20:54
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 GPSは他国の物なので戦争とかになると精度が変わるそうです。

またみちびきは3台運用が望ましく、常に上空に一台はある事に成ります。日本の物ですからそう簡単に調整されないです。3台の運用がなされることで常に上空に有る状態に成り、死角が減ることになります。

 GPSの衛星の使用を制限されたら使えませんからね。

 それと時間をかけずに精度が高い情報を得ることでの応用なども検討されています。まだ実験段階ですし使い方もどうなるかは分かりません。 
 細かい情報が瞬時に得られるとしたら、土砂崩れなどの警戒している地域に設置して移動を知らせる事も可能ですね。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます.が,質問をご理解頂けていないようです.

> GPSは他国の物なので戦争とかになると精度が変わるそうです。

 既存のGPS衛星が,軍事用としてわざと誤差を入れているのは良く知られたことですが,実際上,固定地上局がいくつかあれば,作為的に入れた系統誤差は簡単に補正できるので問題になりません.
 それはさておき,既存のGPS衛星が使えないという状況になった(たとえばGPS衛星の信号発信が停止された)場合を考えますと,「みちびき」1機ではもちろんのこと,子午線上に並んだ3機を同時に使ったとしてもGPSとして機能しないのではないでしょうか.質問の趣旨は,当然このことをも含んでいます.

> またみちびきは3台運用が望ましく

 常時日本の天頂付近に1機があるようにするにはそうすべきなのは明らかですが,質問とは関係のないことでしょう.

> 時間をかけずに精度が高い情報を得ること

 その原理について質問しています.

補足日時:2011/09/16 20:51
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