「これはヤバかったな」という遅刻エピソード

物理学には多世界解釈というのがあるそうですが、その「多世界」とは、あくまで解釈に過ぎないのであって、この世界とは別の道を辿った世界があった/くるであろう可能性を示しているだけなのですか?
それとも、ゲームのシュタインズゲートに出てくるような複数の世界線が存在していて、この世界は世界線同士を行ったりきたりしているのでしょうか?
またその他SFに出てくるような平行世界のことですか?

・・・シュタインズゲートに出てくる世界線は実在しますか?

無知で滑稽な文系学生の素朴な疑問です。
物理学に詳しい理系の方、是非教えていただきたいです!

A 回答 (3件)

>・・・シュタインズゲートに出てくる世界線は実在しますか?



 二つの理由で実在しません。

 まず世界線というのは、いくつも分岐した世界のことを指しません。相対論において物体が一つの4次元時空(3次元空間+1次元時間)を移動する軌跡のことを言います。それは分岐したりするものではありません。

 他世界解釈は量子力学では、エヴェレットの他世界解釈として知られています。分かりやすいほうの説明をすると、ある世界がプランク時間(物理的に意味を持つ最小時間)後には、あり得る可能性だけの世界に分岐するというものです。

 これは無暗に可能性いっぱいに増えるということではなく、たとえばサイコロ1個を振ったとすると、1~6の目が出た6つの世界に増えるということです。しかし、突如サイコロが消え去ってしまう世界は生まれません。あり得るものだけが、普通の確率計算に従った割合で増えて行きます。

 今のこの世界も、過去からすれば無数にあり得た世界の一つだということになります。

 さらに注意したいのは、この世界は我々にとって100%の確率の存在で、過去からすればあり得た他の無数の世界の存在確率は0%になっています。存在確率0%ということは「無い」ということです。

 しかし、そういう他の0%の世界からすれば、その各々が100%の存在確率であり、一つの他の世界からすれば、こちらの世界も含めて、その世界以外の世界の存在確率は0%です。

 存在確率0%の世界は「無い」という意味ですが、たとえばそれは「その世界に行くことは絶対にできない」ということです。

 シュタインズゲートを含め、量子力学の他世界解釈っぽいことを言いながら、他の世界と行き来するのは、あえてはっきり申し上げますと、SFの嘘の部分です。穏やかに申し上げるなら、科学考証で説明できないことを設定する、SF考証の領域です。

 シュタインズゲートでは、そこへ、物理学の定義から外れた世界線という言葉を使って、その世界では何か独自な物理法則があるように設定しているということですね。

 量子力学の他世界解釈をベースに、SF設定を付け加えたものに、とある魔術の禁書目録があります。その作品世界では「量子力学の確率を操る」ことにより「科学的に(超)能力が使える」ことになっています。操作できないから確率なわけで、そこにシュレディンガーもアインシュタインも強く疑義を呈したわけです。

 ありていに言えば、物理学が強く主張しているのは「この世界に奇跡は無い」ということです。当たり前のことしか起こりません。物理の啓蒙書では、非常に極端な場合での奇妙で面白い現象を紹介したりしますが、それには身近に木星の質量以上のブラックホールが必要だったり、見える限りの全宇宙の恒星のエネルギーでも全然足りなかったり、この銀河いっぱいに実験装置を並べて1億年動かしても一つも作動しなかったりと、まあ、そういう無理があります。

 SFとしては、どうしてもどこかで「嘘」を入れなければなりません。それができるだけ分かりにくいほうが良い。これの古典的成功例としては、小松左京の「日本沈没」があります。多少知識がある程度の人では、どこまでが科学考証でどこからがSF設定なのか、判断に迷ったと聞いています。
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この回答へのお礼

なるほど、SFとはいかにそれっぽい嘘を科学考証に織り交ぜるか、ということなのですか。
私自身、趣味でSF小説を書いてみたいと思っていたのでとても参考になります!
それから、禁書目録が量子力学で超能力を説明しているということは始めて知りました!
禁書目録自体は好きで原作読んだりアニメ見たりしていたのですが・・・知りませんでした・・・!
量子力学の世界観にも興味が出てきました。
ありがとうございました!

お礼日時:2012/06/20 20:02

「多世界」という言葉の根底には、『この世界は1つの時空である』


という古典的な世界像が下敷きになっています。
たとえば、宇宙空間で相対運動をしている2隻の宇宙船において、
“互いに相手の時間が遅れる”=相対運動ごとに異なる時空が
無限に派生しているのです。

この時空は、1つの共通の実体ではなく、無数の量子的可能性を
重ね合わせたものである事は、素粒子レベルにおける経路積分=
「素粒子の相互作用において、Aの状態からBになる確率は、途中
の色々な可能性のそれぞれの確率を足したもの(=素粒子は複数の
経路を経る)」においても明らかです。

それは計算上の話だけではなく、たとえば完全に1個、2個と数え
られる電子を、1個ずつ二本のスリットに向けて発射すると、向こう
のスクリーン上に次第に描かれる痕跡の集まりは、二本線ではなく
干渉縞になる=1個の電子が2つのスリットを同時に通り、自分で
干渉し合うのです。
無数の可能性がオーバーラップが、観察において崩壊する=確率
波動の干渉=ホログラムが、有限な実体=この世界なのです。
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この回答へのお礼

なるほど、なんとなくではありますが、どんなものであるのか全体像をつかむことが出来ました。
量子力学に対する興味が増してきたので、もう少し詳しく調べてみたいと思います!ありがとうございました!

お礼日時:2012/06/20 20:11

他世界解釈は、電子が確率的に存在するという量子力学の解釈を延長してでてきます。

現象を説明できる解釈であるが、実験で反証できない領域であるために反論できない。そのため、他世界解釈まで発展したのだと私は思っています。

『シュレディンガーの猫』で検索すれば、他世界解釈の考え方がわかります。
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この回答へのお礼

なるほど、やはり解釈なのですね。
シュレディンガーの猫、検索してみます。
ありがとうございました!

お礼日時:2012/06/20 19:56

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