

No.5ベストアンサー
- 回答日時:
今日は。
文学に関しては作家たちの精神病理(パトグラフィー)を調べながら日英文学をつまみ読みしている暇人です。私はアーサー・ウェイリーが英語に翻訳したものを、さらに日本語に翻訳したものを読みました。今まで長編小説など根気が続かず読まなかったのですが、現代語翻訳本とは言え、一気に(とは言ってもかなり日数はかかりましたが)読めました。
私も最初は光源氏が主役で、様々な女性に手を出し、あちこちで問題を引き起こすわがままイケメン皇子の1人だと思いました。しかしある時、紫式部の生きていた時代、紫式部の生い立ち、さらに対抗馬として清少納言とう存在、当時の時代を牛耳っていた藤原道長の存在などに関する書籍も平行して読み始めました。
すると最初の考え方が少しずつ変わってきました。主役は本当に光源氏なのか?後半は「夕霧」終盤は「薫」と「匂宮」の話し、そして「浮舟」の入水自殺未遂。そして「薫」が「浮舟」と「匂宮」を『疑い』ながら物語が終わってしまう。なんと切ない終わり方なんでしょう。
すこし前に戻って、光源氏の死もわずかに言及されたまま、「夕霧」「薫」の話しに移っていった点。言い尽くせない人間の心理の微妙な動き。すべてに魅了されてしまいました。そして本当の主役は光源氏・薫の周りにいる「女性たち」ではなかったかと思うようになりました。当時の女性たちは、少しでも地位・権力のある男性に身を委ね、自分たちの人生を託すしか生きていくすべのない生き方しか出来なかったのではないかと思うようになりました。そしてたとえそのような幸運に巡り会えたとしても、そののち宮中などでの他の女性たち(貴族は一夫多妻制度)とのつきあい。そしてすぐに出家してしまう女性・男性たち。
生き霊・死霊となって、光源氏にはとりつかず源氏の周りの女性たちに取り憑く「六条御息所」の心理。原文ではなく様々な評論的書籍を読むにつれて、調べ尽くしても尽くしようのないほどの深さを感じました。なぜ源氏物語がこれほどもで世界中でも読まれ、文学作品としてこれほどまで高く評価されるのかが片鱗ですがやっと分かったような気がします。その他の登場人物に関しても言い尽くせないほどの独自性があります。
現在は、なかなか他の小説を読む気にはなれず、源氏物語の古典原文(現代語訳付き)とE・サイデンステッカー氏とアーサー・ウェイリー氏の英訳本を比較しながら読んでいます。(かなり時間がかかるでしょう。)
最初に申し上げました源氏物語に関連した書籍の名前を挙げます。
・精神科医が読んだ「源氏物語の心の世界」---紫式部からの現代へのメッセージ
・「紫式部の欲望」
・「紫式部日記」(参考)
・「源氏物語の端役たち」
・「平安の祈り」源氏物語にみる人生観・死生観
・「源氏物語」英訳についての研究(参考)
・「アーサー・ウェイリー」源氏物語の翻訳者(参考)
No.4
- 回答日時:
古代(平安時代)の貴族の文学ですが,男女間の情愛がきめ細やかに描かれています。
光源氏とは,源(氏)の子で光と名付けられた人のことなのに,何故,「源光」でなくて「光源氏」なのか,少し不思議に感じます。
後世の仏法や儒教の教えに影響されない自由奔放な恋愛観が,現代にも通じる要素を沢山伝えています。それが人と人との根源的な感情に基づくものであるため,美しい文章表現・自然描写の手法と共に,今日的共感を得て愛読され続けているのだろうと思います。
あの時代には結構女性の地位が高く,朱子学や民法に縛られることのない,古代社会の自由で対等な男女関係に,驚嘆する思いでした。
平家物語に見られるような「諸行無常」のような,観念的記述は見られません。
主人公にも作者にも,不逞とか不貞・不倫などの観念が少なかったようです。
それだけに古代の『自然人』の暮らしぶりに,色々と思いを馳せることが出来ました。
No.2
- 回答日時:
まあ、今風に言えば、「幼女誘拐監禁事件」ですよね。
「紫の上」のくだりは(苦笑)。おまけに、それをやったのがマザコン少年で、
手当たり次第に女性を捨てまくってるどーしょーもない奴、ってこと
にもなりますし。
でもそれが、「大河王朝ロマン」で「長く読み継がれている名作」
になるわけですから、小説なんぞ要は書き方次第、ってことと、
いつになっても「受けるネタ」ってそんなに変わらないのね、
ってのが「学べること」でしょうね。
もっとも、小説作法という面からみると、実に面白いですが>源氏。
批評する前に大和和紀の「あさきゆめみし」で良いから、一度通読
してみることをお勧めしますよ。普通に面白いエンターテイメント
ですから。
No.1
- 回答日時:
源氏物語から学べる事?
平安という時代はマザコンでロリコンの精力絶倫恋愛依存体質の高貴な優男が知的階級の女性達にとってはある種の理想像だったんだなぁ・・・といったところでしょうか。
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