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こんにちは。
量子論の入門書『量子論を楽しむ本』を読んだのですが、どうしてそう考えるのか理解できないことがいくつもありますので質問します。

電子の二重スリット実験について。
観測前の電子は波だから、1個の電子でも2つのスリットを同時に通り抜けてスクリーンに到達した。
でも2つのスリットにセンサーを付けて本当に2つのスリットを通り抜けたか確認しようとすると
必ず一方のセンサーしか反応しないので同時に通り抜けていない。これはおかしい。
電子はセンサーに観測されると波から粒になるので同時に通り抜けられないし干渉縞はできない。
こう考えれば説明がつきますから、ここまでは理解できます。
しかし、以下のことが理解できません。

観測前の電子はA点にもB点にも存在している状態が重ね合わさっている。
ただしこれは「A点にもB点にも同時に存在しているという意味ではない」「本当はどちらかに存在しているが確率でしか推測できないという意味ではない」だそうです。
この「重ね合わせ」とは結局どういうことなのか分かりやすく教えて下さい。
またなぜこのような考えになるのかも教えて下さい。
電子が観測されて粒子になるのは、波の電子に力を与えるからなのですか?
二重スリット実験の場合、スクリーンにぶつかるから粒子になるのですか?

「電子は観測されて初めてどちらの場所にいたか決まる」というのも理解できません。
例えば『量子論を楽しむ本』に以下の思考実験が出てきます。
箱の中に1個の電子を入れてふたをして、真ん中を仕切りで分けて左右の空間に分けます。
箱の中には1個の電子を入れたのだから、電子は必ず左右どちらか一方の箱で観測されるはず。
しかし、観測前はどちらの箱にあるかは決まってなくて一方が観測されて初めて電子の位置が決まる。
これはおかしい。月は見ていないときはそこには存在していないと言ってるようなものでは?
さらにEPRパラドックスの説明で箱の一方を1億光年先に持って行き
一方の箱を開けたら電子の有無の情報が瞬時に伝わるのは相対論と矛盾している。
しかし、同時の相対性があるから矛盾はしないと説明されていました。
相対性が禁止している超光速は「質量のある物体が超光速に達すること」です。
この場合は「質量のある物体が移動したわけではないので相対論とは矛盾しない」が答えではないかと思うのですが
どちらの方が正しいのでしょうか?
よろしくお願いします。

A 回答 (8件)

>観測前の電子はA点にもB点にも存在している状態が重ね合わさっている。


>ただしこれは「A点にもB点にも同時に存在しているという意味ではない」「本当はどちらかに存在しているが確率でしか推測できないという意味ではない」だそうです。

 電子は分割できない素粒子です。つまり一つの物体で、割ったりすることはできません。相対論を含む古典的な物理学では、一つの物体が同時に2か所に存在することはできません。

 観測したときは期待通り、粒子と考えたものと一致する結果を得ますが、観測していないと結果が異なる点が問題なわけですね。まるで波のような結果になる。しかし、電子が素粒子であることは間違いない。

 それは、一つの電子がA点もB点も通っているとすれば説明はできる。でも、それってどういう物理状態なのかということです。観測していないときの電子の状態ということです。

 それは、古典物理学で考えるような一点に確実に存在する電子ではなく、その一点を中心にして、もわっと雲のように広がってしまっていると考えると辻褄は合います(高校化学の教科書に、鉄アレイを輪っかが取り巻いたような奇妙な形の原子の図示があったりするのが、それ)。

 ただし、一つの電子が作る雲は実体ではありません。実体でない雲は古典物理学的なイメージとして何かということについては、未だに具体的な説明はありません(近代物理学では、確率的に分布していると表現するが、やはりイメージ不能なことに変わりはない)。長年未解決の「シュレディンガーの猫」も、それに属する問題と考えて、差し支えありません。

>この「重ね合わせ」とは結局どういうことなのか分かりやすく教えて下さい。

 存在するということについて、量子力学は確率的だとします。電子がスリットを通り抜ける瞬間なら、存在確率50%の電子という、いわば電子もどきが、A地点にもB地点にもいて、その二つ分で一つの電子となります。A地点の電子もどきとB地点の電子もどきを「重ね合わせ」ると、一つの電子になるということです。

>またなぜこのような考えになるのかも教えて下さい。

 そう考えないと、二重スリット実験の結果がうまく説明できないからです。

>電子が観測されて粒子になるのは、波の電子に力を与えるからなのですか?

 観測は、観測する人と、観測されるものの相互作用です。観測したいものに何の影響も与えずに観測することはできません。電子そのものを見ようとすれば、力を与えてしまう、エネルギーを与えてしまう、といった影響を与えます。その結果、電子は粒子のように観測されます。

>二重スリット実験の場合、スクリーンにぶつかるから粒子になるのですか?

 そう考えていいかどうかは厳密には不明ですが、そのようにイメージしても問題はないでしょう(例えば、スクリーンが観測者だと考えればいい)。

>「電子は観測されて初めてどちらの場所にいたか決まる」というのも理解できません。

 上述したように、確率的に分布しているからです。どこにでも在って、どこにも無いという禅問答もどきなことです。電子が存在可能な空間全部(二重スリット通過時なら、A地点とB地点)に広がって、電子のようで電子でない電子もどきが存在するわけです。

 それを全部重ね合わせたら一つの電子になり、電子をそうする方法の一つが観測という行為です。電子が観測されて一点にあるようになることを「収縮する」と言ったりします。それまでは、存在可能な限りの空間いっぱいに遍在していたからです。

>しかし、観測前はどちらの箱にあるかは決まってなくて一方が観測されて初めて電子の位置が決まる。

 その通りです。

>これはおかしい。月は見ていないときはそこには存在していないと言ってるようなものでは?

 実際に「月を見ていないときに月はない」と表現する物理学者もいます。この「ない」は、なかなか曲者な表現なことは注意が必要です。存在していないと確認もしていないという意味の「ない」です。

>さらにEPRパラドックスの説明で箱の一方を1億光年先に持って行き一方の箱を開けたら電子の有無の情報が瞬時に伝わるのは相対論と矛盾している。
>しかし、同時の相対性があるから矛盾はしないと説明されていました。

 普通はそういう解釈や説明はしないと思います。問題は「因果律の逆転」です。原因より先に結果が起こるということです。

 光速度が基準の相対論では、超光速で物体が移動したり通信できたりすると、因果律を逆転させることが可能です(その結果、深刻なパラドクスが生じる)。逆に言えば、あらゆるものが光速度以下なら、問題は起きません。

 アインシュタインは、量子のもつれ(対になる素粒子のスピンが、一方を観測して状態が確定すれば、同時に他方も状態が確定する)が超光速で起こるのは、因果律に反するという疑問を持ちました。そこで、他の物理学者とともにEPRパラドクスを提唱し、量子力学に疑問を呈しました。

 結果は、アインシュタインの間違いとなりました。同時に、量子のもつれは確かに超光速で起こるが、因果関係を伝えられないということも明らかになっています(通信として使えない、といったこと)。因果関係を持たない超光速は何の問題も生じません。

>この場合は「質量のある物体が移動したわけではないので相対論とは矛盾しない」が答えではないかと思うのですが

 そのように考えてもいいです。質量をエネルギーと言い換えると、より正確です(質量はエネルギーの形態の一つなので問題ない)。例えば、通信も情報と同時にエネルギーを送ります。エネルギーがゼロだと、受信側に何の物理的変化も起こせず、したがって受信できません。

 そういう観点で、エネルギーが送られていない(送れない)から、という解釈は有効です。それなら、何の因果関係も伝えられませんから、光速度に何も制限されません。
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No.6さんの回答が適切です。



同じモノが同時に複数の位置に存在可能です。
実際の話ですが、五感のうち、視覚では実際に見えるのは、複数のうちの1つのみです。しかし、触覚においては、複数を同時に触る事が可能で、自己の肉体ならば自由意思で、変形させられます。これは粘菌型生命体の特徴の一部で、私は実際に可能です。もしも視覚でしか信用できないのであれば、X線動画撮影などで、私の奇異な【肉体ダブリ&変形現象】を捉える事が可能かもしれません。
また、私は貴方の目の前で、白紙に書かれた1本の黒いボールペンの曲線を、指で触りながら、立体化させ髪の毛状にしてから、それを白紙上の線の始まりか終わりの部分へ、押し込み、だんだん線は短くなり、最後には点になる現象をお見せ致しましょう。(ちなみに私自身が、まるでエスパー的そのもの、と驚き気付いたのは40歳の頃です。ただ、量子の世界を知り、No.6さんからも多くを盗学した結果、科学的に説明しうるモノだと解りました。もちろん全てを言語化できません。イメージ・ビジョン的な思考こそ、言語では表現できない本質を得られます。多次元的思考とも言います)



https://www.youtube.com/watch?v=yH6uOGMMMII
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量子論の基本はある物理量を測定しようとすると、その物理量に影響を与えないで観測することは不可能であると言うことです。


観測するには、量子同士の作用の結果がどうなるかを見ることになります。
観測する前がどうであったかを確定することは不可能なのです。
このことを前提に物理法則を構築したのが量子論です。
絶対的な存在や運動があって、物理法則が成り立つと考えると量子論は理解できません。
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「波」ではなく、存在確率波動です。


あるのは1個の電子であり、その1個の電子のある確率が、
両方のスリットを通るのです。
その1個のある方をチェックしたら、それは存在確率では
なくなるので、干渉縞は表れないのです。
量子性は、認識との相対において、有限な存在性を生じる
ものであり、認識性の介在を考慮しない、外的独立性を
存在に期待するのが間違いの元。
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かなり前に聞いた事のある受け売りの話で、ある量子力学の方を専門としている教授が言っていた言葉のようなのですが、



「難しい量子力学を教えている教授が本当に量子力学を理解しているのかどうかを訊きたいなら、『先生は量子力学を理解出来ていますか?』と聞いてみると良い。もし『理解出来ている』と答えたならその教授は量子力学を理解していない証拠であり、もし『理解出来ていない』と答えたならその教授は量子力学をよく分かっている証拠だ。」

基本的に物理学は難しい学問ですが、中でも素粒子や量子論などは特に難解な分野です。もう30年以上前の話になってしまいますが、材料の物性の授業の時にその教授(上の話の教授では無いです)が、「固体の中が一体どういう振る舞いをしているのかは私にも分かりません」と言っていた時には少し驚いてしまいたが、それぐらい厄介な学問なんだと思います。私もそう思います。
全く答えになっていなくてすみませんが、こういう話もあったという事です。
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量子論はこの世の奇妙を集めたようなもので、とても面白いですよね。


解説書などは分かったような書き方をしていますが、実は「実際のところ何が起こっているのか全く分からない」んです。我々が出来るのはせいぜい実験などの観測結果を、理解できる範囲で説明する程度です。あくまでも“結果はこうなる”と計算は出来て、観測結果もそれに従いますが、中で何が起こっているのかはさっぱりなんですね。人知を超えているとも言えます。

そんな量子力学の不思議さを理解するには、2重スリットより量子エンタングルメント(量子もつれ)の実験のほうが分かりやすいと思いますので、簡単に説明します。(私も概念的な部分しか知らないのですが)


電子にはスピンと呼ばれる物理量があり、これは2進値でたいてい上向きか下向きかで呼ばれます。そして対生成した電子-陽電子のペアでは、片方のスピンが上向きなら、もう片方が必ず下向きとなることが知られています。どちらのスピンも、少なくとも片方を観測するまで、上向きか下向きか“確定しない”ことに留意してください。

そんな電子-陽電子の対を2つ用意します。簡易的に、電子(A-)、陽電子(A+)の対生成のペアと、電子(B-)、陽電子(B+)のペアと、名前をつけておきましょう。
これら4つの粒子はそれぞれスピンを持ちますが、A-とA+は必ず反対のスピン、B-とB+も必ず反対になります。

ここで(スピンを観測する前に)、陽電子(A+)と電子(B-)をぶつけて対消滅させてやります。

この時、電子(A-)は、対生成したペアの陽電子(A+)が、どこのだれともしらない電子と対消滅したとしても、なんの関係も無いように思えます。しかもその対消滅した電子の、対生成のペアの相手(B+)などとなると、さらになんの関係もなさそうです。
ところが、そのなんの関係もないはずの電子(A-)と陽電子(B+)の間に、スピンに関して必ず反対になる、という不思議な性質が現れるのです。再度書きますが、対消滅させたのは(A+)と(B-)です。

この不思議な現象を、量子エンタングルメント(量子もつれ)と呼びます。


少し長くなりましたが、量子エンタングルメントの概略は理解できたでしょうか。

ここで、次のようなことが理解できるとおもいます。つまり個々の粒子のスピンは、観測されるまで上向きか下向きか決まっていない。もし対生成されたときに決まっているとしたら、関係ない2粒子である電子(A-)と陽電子(B+)の間で、スピンが必ず反対になるという現象は起きない。
(これが2重スリットでの、「A点にもB点にも同時に存在しているという意味ではない」「本当はどちらかに存在しているが確率でしか推測できないという意味ではない」という話)

また電子(A-)と陽電子(B+)を十分離しておき、(A-)のスピンを観測してから(B+)のスピンを観測するまでに光の速度でも情報が伝達できないようにしたとしても、これらのスピンは必ず反対になります。つまり、どちらかが観測されて確定した後に、光速を超えてもう片方の粒子のスピンも確定しているのです。(さらに言えば相対性理論により、どちらが先に確定したかというのは観測系に寄る)
注意が必要なのは、光速を超えて確定していたとしても、これによって何らかの情報伝達を行うことができないので、因果律をやぶらず相対性理論は破綻しないということです。
(これがEPRパラドックス関連の話)


そうそう最後に、相対論では光速を超えて情報伝達が行われれば因果律が破れることになり、結果、相対性理論は破綻(現実は因果律が破れないので、理論が間違えている)となります。通常物質が光速を超えない、だけではないです。


理解の助けになれば幸いです♪
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だれしもが通る道ですね。

結論を一言で言えば,まだ誰にもわからない。

>ただしこれは「A点にもB点にも同時に存在しているという意味ではない」「本当はどちらかに存在しているが確率でしか推測できないという意味ではない」だそうです。

これはその著者の解釈ですね。波動関数の実在性を認めるか否かという点はまだ結論が出ているわけではないので,そうかもしれないしそうでないかもしれない,としかいいようがないというのが現状です。

>この場合は「質量のある物体が移動したわけではないので相対論とは矛盾しない」が答えではないかと思うのですがどちらの方が正しいのでしょうか?

波束の収縮とはなんなのか?これもまた結論が出ているわけでもないので,やっぱり,そうかもしれないしそうでないかもしれないとしかいえません。

わかっているのは,量子力学で定められた方法で計算すると正しい結果が得られるということだけで,その途中の過程の意味とか解釈になるととんとわからない。もうみんな匙を投げてるような空気さえあります。
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量子論、相対論は、私も子供のころから興味があって、何冊か本は読んでいます。



電子の2重スリット実験の結果については、質問者さんと同じような疑問を持っていました。
いろいろと本を読むことで、私は現在、以下のように考えています。もちろん、これが正しいという主張ではありません。

1)電子は、波動として存在している。判りやすいイメージとしては、波打つ短い紐です。紐ですから粒子のように1個、2個と数えることが可能です。さらに波ですから、波の性質を持っていることになります。
2つのスリットがあれば、1つの紐が順番に通り抜けるだけであっても、干渉縞のような効果が出ても不思議ではありません。

2)電子は、他の粒子や電界・磁界からエネルギーをやり取りします。その場合、波全体で小分けにしてのやりとりではなく、粒子のようにまとまってやり取りをする。そのため、スクリーンに到達したときは、特定の1点として観測される。

こう考えれば、スリット実験での結果は、問題なく解釈できるのではないでしょうか?


なお、EPRパラドックスについては、私は実験内容をきちんと理解できてないので、なんともいえません。
ただ、異次元空間を通じて、粒子がなにかのやり取りをしていると考えれば、納得できるのではないか?と思っています。

ちなみに、宇宙人との通信記録、あるいはUFO関連の書籍にも私は興味があります。それらを読むと、彼らは異次元空間を旅する技術を持っているようです。いわゆるワープ航行はもちろん、タイムマシンの機能までも持っているといいます。
そのような観点からすれば、ERPパラドックスも「まあ、当然の結果である」と思えるのかな?なんてEPRをあまり詳しく知らないくせに考えたりしています。
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