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なぜpn接合に逆バイアスを印加しても電流は流れないのでしょうか?

まず私が理解しているpn接合の流れを書きます。

・ドナー不純物をドープされているn型半導体(キャリアとして動ける電子が多数存在)
・アクセプタ不純物をドープされているp型半導体(キャリアとして動ける正孔が多数存在)

両者を接合させると

(1)濃度勾配により、n→p向きに電子が、n←p向きに正孔が拡散していく。
(2)接合面近傍では電子と正孔の結合によりキャリアは消滅。空乏層ができていく。
(3)そして接合面近傍では、n型半導体がプラスに、p型半導体がマイナスに帯電していく。
(4)それによってできた電位差によって、拡散方向とは逆向きの力を受けて電子と正孔の移動は停止する。

ここに順バイアス(n側にマイナス、p側にプラス)をかけると、
n側で多数キャリアである電子は接合を横切ってp側へ移動していき、回路へと流出していく。
そしてその分、電子が回路からn型半導体に流入し、これが続くため、電流が流れる。

このようなストーリーだと理解しています。

しかし私が思うに、逆バイアス(n側にプラス、p側にマイナス)をかけたとしても、
n側で多数キャリアである電子はそのまま回路へ流出していく。
そしてその分、電子が回路からp型半導体に流入し、接合を横切ってn側へ移動していき、そのままやはり回路から流出する。

という事が起こるのではないでしょうか?

よく参考書等に書かれているのは、

(1)p型半導体はキャリアとしての電子が少ないので、n側へ流入してくる電子がない。このため電流は流れない。
(2)逆バイアスによってキャリアが両端に引き寄せられ、空乏層が広がるだけで電流は流れない。

と言った内容です。
しかし、私の疑問として

(1)p型半導体には確かにキャリア電子が少ないが、電子は回路から流入してくるから、それが流れるのではないか?
(2)意味は分かります。例えばp側に注目すると、正孔が電極側に集まっていきます。
 つまり価電子帯に充満している電子が少しずつ接合面に向けて移動しているということだと思います。
 しかし価電子帯の電子は自由に動けるキャリアではないので、そのままn側へ移動していって回路へと流出するわけではありません。
 しかし、この(2)の説明でも、(1)の疑問を解決できているとは思えません。


以上、長くなりましたが要約しますと、
逆バイアス時になぜ回路からp型半導体にキャリア電子が流入しないのか?
ということです。

どなたか、よろしくお願いします。

A 回答 (8件)

今回の最初の疑問「[金属][p+][空乏層(p半導体の)]という構造になるため、電子は流入しない」に対する回答は、No.5回答と同じです。


第1に、自由電子はp領域に過渡的にしか存在できません。正孔が安定して居れる場所がp領域です。
第2に、p領域には電界が存在しないので、電子を動かす力が働きません。

第2の疑問ですが、例えば対面する2枚の金属を考えて下さい。
片側に(電子線を照射する等で)電子を溜めると、それに対抗するもう一方の金属表面に+電荷が誘起されます。
それはコンデンサーが充電された状態と見なせます。
このコンデンサーは(放電が進む間は)電池と同じ働きをします。
この場合、「電子を押し出したり」「電子を吸い取る」働きはどのように説明できますか?

物理学では、ファラデー以来、+電荷と-電荷の間には電界(あるいは電気力線)が存在して、その中に電荷を置くと力を及ぼすと解釈しています。
これは非常に単純で一般性の高い考え方であると思います。
この考えでは、電位は電界を距離について積分した値になります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

No.5での
>このようなp領域中に自由電子が入っても、直ぐに正孔と再結合して消滅します。
>何せ、正孔が居り易く、自由電子が居り難いのがp領域です。

という説明と、No.6での説明、そして今回の

>第1に、自由電子はp領域に過渡的にしか存在できません。正孔が安定して居れる場所がp領域です。
>第2に、p領域には電界が存在しないので、電子を動かす力が働きません。

という説明で、

・p領域(p+領域)には電界がかかっていないため、電子を動かす力は働かない。 ・・・☆1
・もしp領域に侵入しても、正孔と再結合して消滅する。 ・・・☆2

以上の2点がようやく理解できたと思います。

同じ内容を別の観点から何度もご説明して頂き、本当に助かりました。
本当にありがとうございます。



さて、第二の疑問についてですが、
上記の過程でできたコンデンサを作り、その後放電させる場合、私は以下のように解釈しています。

電子を溜める方の金属をA、もう一方の金属をBとすると、

(1)金属A内では、陽子数<電子数となるため、Aは全体的にマイナスに帯電していく。
(2)金属B内では「Aと向き合っている側」にいる電子が、Aから受ける電気的な斥力により、反対側(「Aと向き合っていない側」)へ移動していく。
(3)「Aと向き合っている側」は、陽子数>電子数となるため、プラスに帯電していく。(ただし、金属B内でのプラスの電荷量とマイナスの電荷量は、いずれも変化しない。)
(4)B内で反対側に移動した電子は、「Aと向き合っている側」のプラス電荷の引力に引かれる。このため、最初の斥力とこの引力がつり合った時に、見かけ上の移動が停止し、平衡状態になる。

こうしてできたコンデンサに対して、AとBを導線で繋ぐと、

(5)Aに過剰に溜まった電子は、お互いに及ぼし合う電気的な斥力によりBへ移動していく。(これは、Bの総合的な電荷がゼロであることから、この斥力を相殺する力が電子に働かないために起こる移動)

ということが起きる。

そして(5)での”斥力”が「電子を押し出す」、つまり電池としての働きであると思います。
そして上記のコンデンサの「電子を押し出す」働きの本質は、電子がお互いに及ぼし合う斥力だと思います。

実際の電池では、Aに電子を溜めるために使った電子銃の役割を、電解液が担っていると思います。
電子がどんどん一方の金属に送り込まれていくため、その金属内で溜まった電子が互いに斥力を及ぼし合い、回路へ押し出される。
これが電池で言うところの「起電力」の根本だと思います。
したがって、やはり電池の本質は「電子を押し出す働き」にあると思います。





”電池が「電子を押し出す働き」をしているのに何故回路からp領域に電子が流入しないのか?”
という疑問も、上記の☆1の説明でクリアされているのかもしれませんが、
やや完全にすっきりしていないので、もう少しお付き合いして頂けると嬉しいです。

m(__)m すみません...。

お礼日時:2015/01/15 06:51

対面する(十分広い)金属からなるコンデンサーが充電している時、+, -電荷は対面している側だけに現れて、各金属の外側は中性状態になってます。


金属Aが負電位に帯電した時、対向する金属Bの表面に現れる+電荷は、そこの電子が反対側の表面に移動するのでなく、電子の分布が僅かに金属内部にシフト(分極)することで現れるのだと思います。
どちらの金属の内部も(自由に動ける電子が多数いるので)電界は存在しません。そして、+, -電荷の存在は対面する電極表面に限られてます。
ですから、金属Aの外側にリード線をつけても、電子をリード線から押し出す働きはありません。

あるアイデアを深く考えることは大事ですが、着想したアイデアが異なる状況で有効であるか確認することが一層大事です。
複数のアイデアを考えても、その内に正解が含まれるかどうかは覚束ないものです。その中で、最も納得が行くものを選択することで、知識は積み上がると思います。
1つや2つ考えても、まずは間違っていると思うのが懸命です。
思い込みは禁物です、謙虚でないと袋小路に陥りますよ。

次の事例を考えてみてはどうですか。
(1)電線を流れる電流をどう考えますか?
(2)充電したコンデンサー電極の間に存在する電子の運動はどうですか。

(専門家ではないので、この回以上の回答は控えます)
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金属と低不純物濃度の半導体を接触させると、原理的には、その間に電気的な障壁が生じて金属から半導体に電子は自由に入り込めません。


n形半導体との接触では、金属を+電位にすると電流が流れ、-電位にすると電流は流れません(p形では反対)。
この特性を利用しているのがショトキー バリア ダイオードです。

上手に、半導体と金属を接触させればショトキー バリア ダイオードになりますが、余程の装置と技術がないとこれは出来ません。
どちらの方向にも電流が流れたり、間に酸化膜が形成されたりするとどちらにも流れなかったりします。

通常のpnダイオードでは、良好なオーミック接触とするために、p領域やn領域が金属と接触している所は高不純物濃度にしてます。
この場合でも、例えばp領域の不純物濃度が低目で、領域長も短い場合はp領域全体が空乏化されることが有り得ます。
そうすると、(オーミック接触なので)金属から電子が空乏層に入り、n領域に向かって移動することが起こり得ます。
この時は、電流が流れます。まあ、放電に近い現象となって、ダイオードは破壊するでしょう。
実際のpnダイオードでは、このようなことが起こらないようにp領域の不純物濃度や領域長が設定されてます。

なお、電子はp領域に動き得ないからn領域側では問題ないと思われる下も知れませんが、こちらが全て空乏化してもやはり破壊します。
オーミック接触の半導体側には自由電子と正孔が必ず出来るからです。(ここは、普通の本には書いてない微妙な問題ですが..)

さて、あなたの質問には「電池が何らかの力を与えている」と言った文章がありますが、あまり技術的でない表現だと思います。
電池の働きは、pnダイオードのp領域とn領域に電位差を与えることです。
そして、ダイオード内部のp領域とn領域が接触している箇所に、この電池の電位差がそのまま掛かります。
この境界で、この電位差がどう扱われているかに注目する必要があります。
逆方向電圧が加わっている場合には、p領域側に-電荷(-に帯電したボロン原子)が現れ、n領域側に+電荷(+に帯電したリン原子)が現れて、p領域側からn領域側に電気力線が伸展します。
すなわち、対向する電極の表面に-電荷と+電荷が現れているコンデンサーと見なすことが出来ます。

なお、正孔や自由電子は、自分の周りの環境(今の場合電気力線)だけに影響されます。遠く離れた、電池の影響を考えるべきではないでしょう。
あなたの場合、考えるべき対象を広げ過ぎないようにすべきです。
先に紹介したwebサイトには、半導体デバイスについて一応系統的な資料が並んでいるようです。始めの方を見られてはどうでしょうか。

この回答への補足

図が汚いことに変わりは無いのですが、
やや図の一部がずれていたので、一応訂正します。

    -・A    B・-
   |         |
   |         |
    ---[+ -]---    

補足日時:2015/01/14 07:45
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この回答へのお礼

>通常のpnダイオードでは、良好なオーミック接触とするために、p領域やn領域が金属と接触している所は高
>不純物濃度にしてます。
>この場合でも、例えばp領域の不純物濃度が低目で、領域長も短い場合はp領域全体が空乏化されることが有
>り得ます。
>そうすると、(オーミック接触なので)金属から電子が空乏層に入り、n領域に向かって移動することが起こり
>得ます。
>この時は、電流が流れます。まあ、放電に近い現象となって、ダイオードは破壊するでしょう。
>実際のpnダイオードでは、このようなことが起こらないようにp領域の不純物濃度や領域長が設定されてます。

ということはつまり、

【p領域の不純物濃度が低目で、領域長も短い場合】には、
[金属][空乏層(p半導体の)]という構造になるため、電子は[金属]→[空乏層]流入してしまう。(破壊が起こる)

しかし、

【金属と接触する部分のp半導体の不純物濃度が十分高く、領域長も長い場合】であれば、
[金属][p+][空乏層(p半導体の)]という構造になるため、電子は流入しない。

ということでしょうか?

そして、もしそうだとすれば、[金属][p+][空乏層(p半導体の)]という構造が電子の流入を妨げる仕組みはどのようなものなのでしょうか?



>さて、あなたの質問には「電池が何らかの力を与えている」と言った文章がありますが、あまり技術的でない表
>現だと思います。
>電池の働きは、pnダイオードのp領域とn領域に電位差を与えることです。
>なお、正孔や自由電子は、自分の周りの環境(今の場合電気力線)だけに影響されます。遠く離れた、電池の影響
>を考えるべきではないでしょう。
>あなたの場合、考えるべき対象を広げ過ぎないようにすべきです。

たしかに「電池が何らかの力を与える」という表現は適切ではなかったかもしれません。

しかし、これは私の考えなのですが、「電位差」というものはそもそも、
電荷がその間を流れることがないA地点とB地点との間に発生するものなのではないでしょうか?
つまり、

    -・A      B・-
   |           |
   |           |
    ---[+ -]---    (汚い図ですみません)

という回路を作った時に、電池はその内部の働きによって、
電子をマイナス端子からB点へ向けて押し出し、逆に、Aからプラス端子の方向に電子を吸い取っていきます。
ここで「A地点とB地点の間では電子は流れない」のであれば、電子はB点に溜まっていき、逆にA点では電子が無くなっていくので、
両者の電位レベルに差ができていく。
というしくみで電位差はできると考えています。

つまり電池の働きの本質はあくまで「電子を押し出す又は吸い取る」であって、「電位差をつくること」は副次的なものなのではないでしょうか?

何が言いたかったと言いますと、
「pn接合している半導体に電位差が生じる」というのは「電子がpからn側へ流れない」という前提のもとに成り立っているのではないか?
ということです。

上の図のB側をp半導体、A側をn半導体と考えるなら、
「pからnに電子は移動しません」という前提があるからこそ、電位差は発生しているのだと思います。

したがって、やはり最初の疑問に戻るのですが、「なぜ金属からp半導体の伝導帯に電子が流入しないのか」という疑問が消えません。



>先に紹介したwebサイトには、半導体デバイスについて一応系統的な資料が並んでいるようです。始めの方を見られてはどうでしょうか。

OCWの”パワーデバイス特論”、拝見しました。
良い参考資料をご提示して頂き、本当にありがとうございます。
最初の方を読んでいるのですが、まだ理解が及ばない部分が多く、今回は取り急ぎ返信を書いてしまいました。
もし疑問が解決すれば、その際は改めて伝えさせて頂きます。


私の理解不足と勉強不足でご迷惑をお掛けしていますが、非常に詳細な解説、大変参考になります。
本当にありがとうございます。

お礼日時:2015/01/14 07:43

あなたの疑問点が判りました。



自由電子は、n領域に対して負電圧が加わったアノード電極からp領域に入り込みません。
電極と半導体との接触が理想的に出来ておれば、その接触部では電位差は生じません。と言うより、そういう状態(抵抗性接触あるいはオーミック接触)を目指して電極構成をします。
ですから、あなたの言うように、自由電子をp領域側に動かそうとする電界は存在しないのです。

それでも、実際には接触部に僅かに電界が存在するかも知れません。
しかしながら、p領域中には、多数の正孔が存在するので、電界が存在し得ません。

このようなp領域中に自由電子が入っても、直ぐに正孔と再結合して消滅します。
何せ、正孔が居り易く、自由電子が居り難いのがp領域です。

なお、電極と半導体との接触は微妙な問題です。
この箇所の状況とか、半導体中の正孔や自由電子の振る舞いは、前回の引用文献と全く同じサイトからdown load出来る”バイポーラトランジスタの基礎(改訂版)”が参考になると思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

”しかしながら、p領域中には、多数の正孔が存在するので、電界が存在し得ません。”
とありますが、
それでは「空乏層が全領域に広がったあと」はどうなるのでしょう?

このとき電子がp領域に入り込めないのは、p側に溜まった負電荷のせいなのでしょうか?

すみません。自分でも疑問が整理し切れていないかもしれません。

また「電極と半導体の接触は理想的なオーミック接触である」と仮定しておけばよかったですね。
すみません。私の疑問点から考えると不必要な要素だったと思うので、初めから排除しておけばよかったです。


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【以下、私の考えです】

たとえばpn接合している半導体に電池を繋いで逆バイアスを印加したとすると、電池は、
「n側から電子を奪い、(電池を通って)p側に電子を送る力」を与えているはずです。
つまり、この状況で「電流が流れない」ためには、
「電池とは逆向きに電子を押し出す力」が必要だと思うんですね。

どんな力が働いて電流を流れなくしているのでしょう?

pn接合内の空乏層にかかる電場はn側が高位でp側が低位のはずなので、
p側にさえ自由電子が入ってしまえば、電子はn側へ移動していきそうな感じがするんです。

唯一「拡散電流」は電池とは逆の向きに電子に力を与えるはずです。
ですので、このままだと、この力によって電流が流れなくなっているという事に
なってしまいますが、これはなんだか違う様な気がします。


----------------------------------------


どうしても疑問が100%解決しません。
すみません。
返信が遅くなってしまいましたが、お暇がありましたらもう一度ご回答頂ければ幸いです。

お礼日時:2015/01/12 12:25

p領域とn領域が接して、外から電圧が加わってない状況を説明する、あなたの(1)から(4)の理由の(2)番目の”接合面近傍で電子と正孔が消滅する”が間違ってます。

再結合は考える必要がありません。
シリコンやゲルマニウムでは、実質的に再結合がない状況のデバイスが作られています。

次のように考えるべきです。(p形領域にはリン, n形領域にはボロンが拡散されているとしてます)
(1)の拡散については正しい。
(2)自由電子が動いた後には正のリン原子イオンが残り、正孔が動いた後には負のボロン原子イオンが残る。これら+と-イオンの間に電気力線(電界)が生じる。
(3)外部電圧が加わってない時には、自由電子と正孔の拡散とこの電気力線が釣り合っている。
その時、p-n領域の境目には、+/-イオン原子のみ存在して、自由電子と正孔は存在しない。
(4)逆方向電圧(pに負、nに正電圧)を加えると、元から存在して、自由電子をn側に動かそうとし、正孔をp側に動かそうとしていた電界を強める。
これらの動きが、自由電子がnからpへ、正孔がpからnへと拡散しようとする動きに勝るので、両者ともpn接合を跨ぐ動きは尚更出来なくなる。

こうして、逆方向電圧が加わっている時には、電流は流れません。
ちなみに、順方向電圧が加わると、元からあった電界を弱めるので、拡散運動が優勢になって自由電子も正孔も移動します。

東工大OCW "パワーデバイス特論"からdown-loadできる資料に詳しい説明があります
補足資料"半導体デバイスの内部電位の説明(改訂版)"
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

(1)~(4)の流れはとてもよく理解できます。
しかし、”自由電子をn側に動かそう”とする電圧を加えているのですから、電極からp型半導体へ電子が流入し、それがn側へ流れていくということが起きてもおかしくないのではないか?
というのが私の疑問です。

しかしご紹介して頂いた資料は探して読んでみようと思います。
きっと根本的な部分で勘違いをしていると思うので...。

お礼日時:2015/01/04 03:00

>(1)p型半導体はキャリアとしての電子が少ないので、n側へ流入してくる電子がない。

このため電流は流れない。
>(2)逆バイアスによってキャリアが両端に引き寄せられ、空乏層が広がるだけで電流は流れない。

このような説明を、半導体の「準古典力学近似」と言っています。
この説明は確かにある種のゴマカシが入っています。
というか、準古典力学近似の枠組みの中では、こういうゴマカシが入っている説明しかできません。
したがって、この説明で納得できない、と思うのは無理ないといえば無理ないです。

この説明で納得できないというのは、つまり、準古典力学近似の枠組み自体が納得できないということなわけで、これ以降、どんなに準古典力学近似の枠組みで議論しても、質問者さんが納得いく答えは絶対に得られないでしょう。

というわけで、準古典力学近似の説明ではなくて、もう一段プリミティブなレベル、具体的には、バンド理論に戻ってポテンシャル関数を見てみるのがよいと思います。「半導体なんたら」とかいう教科書ではなくて、「固体物理学」とかそんな感じの教科書を見れば、載っていると思います。

さらに言えば、バンド理論自体も近似です。もし、バンド理論を勉強してもなお納得がいかないということであれば量子論まで戻るしかありません。
ただし、今日現在、半導体のように大量の原子が並んだ結晶の波動関数の厳密解は知られていません。(現時点では、バンド近似よりも精密なモデルは存在しない)
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

正直、バンド理論は最小限にして理解したかったのですが、そうもいかない気がしてきています。

また、数多くの回答者様がご回答くださっていますが、それらもゴマカシが入っていて、
実は間違っているということなのでしょうか?
それとも合ってはいるけど、とても厳密に考えると、全てを説明しきれてはいないということなのでしょうか?

ご提案頂いたカテゴリーの参考書を読んで勉強しようと思います。
ありがとうございます。

お礼日時:2015/01/04 03:00

まず、基本から・・中学校の理科あたりから。

ここで躓いている。
ある物質に電圧をかけると、電場が変化して電荷を持つ粒子に力が働きます。
金属は、自由に移動できる電子があるために定位から隣に移動できます。移動した空席には更に次の電子がはいる。こうして電子は電場の影響を受けて移動します。
 電子の移動速度はとても遅いですが、電場の変化の信号はその物質内の光速で伝わっていきますから、結果的に電荷が一方から他方に移動します。
 電流が流れるとは電荷の移動であって、電子の移動ではありません。電子の動きはとても遅い・・。小中学校でまなぶ水流モデルで言うと水が一杯詰まったホースに水圧をかけると、他方に圧力の変化が伝わると同時に水は出てきますが、入った水分子が出てくるわけじゃない。

 イオン結合や共有結合は電荷を持つ粒子--この場合は電子--が移動できないために電圧が加わっても移動できません。電解質を含む水の場合はイオンが移動できますから電流は流れる。

 共有結合は移動できる電荷を持つものがありませんから電流は流れません。

 半導体とは共有結合の物質ですから電流は流れないのですが、温度や大きな電圧が加わると、伝導帯に押し上げられた電子が自由性を獲得して移動できる様になります。
 導体と異なり、温度が上昇すると抵抗が下がる。

 p型半導体、n型半導体は、不純物を含む半導体です。純粋な半導体と異なり電荷を持つ電子やホール(仮想的なもの)が存在し、移動できますから、導体のように電気を流すことができます。

 n型半導体は電圧が加わると電子が移動し、空席には電線から電子が供給されます。
+) 電子←|・・・←電子・・・|←電子 (-
      n型半導体
 p型半導体は電圧が加わると正孔が移動し、電子を奪われて正孔ができます。
+) 電子←|○○○正孔→○○○|←電子 (-

ここで接合すると
+) 電子←|・・・←電子・・・|←電子←|○○○正孔→○○○|←電子 (-
逆電圧
-) 電子→|・・・電子→・・・|    |○○○←正孔○○○|→電子 (+

 接合部では不純物を含まない半導体--共有結合性--と同じものになっちゃって、正孔を埋め合わせるための電子が供給されない。


 
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。とても参考になりました。

確かに共有結合している物質には電流は流しにくいはずなので、それと同じことなのでは?
と考えられます。

しかし、たとえ「不純物を含まない半導体--共有結合性--と同じもの」だとしても、伝導帯に電子が注入されないのはなぜなのでしょうか?そこは空のはずなので電子が入れるような気がします。

また、たしかに「電流が流れる」とは電子の流れに限ったことではないとは思いますが、
(たとえばプロトンのビームなども電荷が移動しているため電流だと思う)
ここでは電流=電子の流れなのではないでしょうか?
「電場の変化が空間を伝わること」そのものが「電流」という訳ではないですよね?

お礼日時:2015/01/04 03:00

電界があっての電流ですからね。



電子の加速度F=-eE

空乏層に電圧が集中すれば、回路上の電極に位置する電子は加速しない。
コンデンサと一緒で、p型半導体に仮想的に電子を埋めていく際に要するエネルギーを計算してみればいい。


順方向ではp型半導体に流れ込む電子はそのまま流れて行き動的ですが、逆バイアスではそれが静的になります。(コンデンサと一緒)
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

しかし、それですと単純に抵抗器と電池を接続した際も、抵抗器に電圧が集中しているので
抵抗器に繋がっている電極に位置する電子が加速されないような気がしてしまいます。
(実際は、電子が押されて抵抗器に流れ込んでいくはずが....。すみません。ご説明をしっかり理解できていないです...。)

また、コンデンサと一緒ということですが、コンデンサの電極間は電子が移動できないので電流が流れないのは理解できるのですが、p半導体とn半導体の間はキャリアさえあれば移動可能ですよね?
私の疑問はそのキャリア(電子)が、なぜ回路から供給されないのか?
ということなんです。

すみません。それでもご回答参考になりました。

お礼日時:2015/01/04 03:00

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