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債務不履行における契約の解除で、こんな問題が出てきました。
以下の2つの設問の違いがよく分からないのですが、
アドバイスをいただけないでしょうか。

問題をそのまま記載します。

(問題)
Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約に関する次のそれぞれの記述は、民法の規定および判例によれば○か、×か。

(設問1)
「Bのローンが不成立のときは、契約を解除できる旨の特約がある場合、ローンの不成立が確定すれば、Bが意思表示をするまでもなく、当該契約は解除される。」

(答え=×)
解説を読んでみると、ローン不成立の場合、解除するかどうかはBの自由意志に掛かっており、解除権を有するBが意思表示をしなければ契約は解除できないということらしいのです。


(設問2)
「Bのローンが甲土地の引渡し期日までに成立しないとき、契約は解除される旨の特約がある場合、当該期日までにローンが成立しなければ、Bが意思表示をするまでもなく、当該契約は解除される。」

(答え=○)
この場合は、Bの意志に関係なく解除されるとあります。


ローンが成立しなければ契約が解除されるというのは「停止条件」のことだと思うのですが、停止条件の場合解除する権利はBにだけ発生して、Aには発生しないということがあるのでしょうか?

また、「ローン不成立の場合、契約は解除する」という特約がある以上、自動的に契約は解除されると考えるのが自然だと思うのですが、どうなのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

この設問1の場合は約定解除の問題で、設問2は失権約款の問題ではないでしょうか。


解除権には民法等の法律で解除権の発生要件が定められている法定解除権と、当事者が合意で契約中に解除権発生事由を定めておく、約定解除権があります。
どちらもその権利行使方法は民法540条によって意思表示で行うことになっています。解除権は形成権であることから一方的な意思表示をするだけで、解除の効果が得られます。もちろん行使は自由です。
設問1では「Bのローンが不成立のときは、契約を解除できる」と特約を定めているため、約定解除権が発生しているものと考えられます。
設問2では「~成立しないとき、契約は解除される」としているため、特約でもって、解除の意思表示を不要として、解除できるよう定めていると考えられます。契約中に解除の意思表示不要としている以上、Bの意志に関係なく解除されるのでしょう。このような特約を失権約款といいます。
AがBの代金支払方法が必ずローンでしてほしい現われなのか、Bがどうしてもローンでなければその目的物がほしくないのかよく分かりませんが、このような違いではないでしょうか。
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この回答へのお礼

なるほど。解除のための意思表示が必要な「約定解除」と、意思表示の必要がなく不成立と同時に解除される「失権約款」があるわけですね。
それに問題をよく読んでみると「解除できる」「解除される」の違いがあるので、そこを見落としてはいけませんね。
ご丁寧にご回答を頂きまして、ありがとうございました。

お礼日時:2004/08/20 14:55

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