
アフリカに住んでいたことがあるので、エチオピア人の友人に誘われて、エチオピアのキリスト教の日曜礼拝に行ったことがあります。
いろんな説があるものの、エジプトに伝えられたキリスト教が、エチオピアに伝えられたのは、ローマにキリスト教が伝えられたのより早いようです。礼拝のスタイルもちょっとギリシア正教会のような感じでした。
エジプトでは、コプト教会は衰退して現在はイスラム教が主流ですが、エチオピアではやはり伝統的なキリスト教が主流です。この聖書は古代ギース語で書かれているので、普通のエチオピア人は読めないと言っていました。
それで、私は不思議に思ったのですが、今、日本で新約聖書とか旧約聖書とか呼ばれているものは、やはりローマ経由で内容もいろいろ修正されて、現在に至っていると思うのですが、エチオピアのようにローマを経由しないで伝わっている聖書はそういったものとは内容がかなり異なるのでしょうか。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
使徒・初代教会の時代に、当時のローマ帝国内に、比較的急速にキリスト教が伝播していますので、厳密にどこが先というのは難しいかもしれません。
ただ、アレキサンドリアもローマもキリスト教(当時はカトリックと正教とが分離していないのでキリスト教会としては一つ)の重要都市であったことは事実と思います。聖書正典としては、四世紀ごろに従来から正典としていた旧約(ギリシャ語版)に加え、ミサ典礼で朗読されていたイエスをキリストとする諸文献を新約聖書として定めたとされています。
この段階で、エチオピアの教会はローマ(現代からみての正統信仰)から分離しておらず、聖書正典としても、同一であったと思います。
その後、コプト教会は、三位一体二性論(現在から見ての正統信仰)に反対して、単性論をとり正統(主流?)教会から分離してしまいましたが、この段階ではエチオピアはまだ主流教会の側に属していたと言われています。ここから13世紀までの間に、エジプトの(コプト教会の)影響を受けて、単性論教会に変化したと言われています。
こういった流れの中で、エチオピア教会は独自の聖書改訂をすすめ、エノク書などを追加的に正典化したそうです。(主流教会で定めた正典も、独自改訂のなかで、多少ズレが生じていると聞いたことがあるような気がしますが、詳細ははっきり記憶していません。すみません。)
一方の主流教会の方ですが、11世紀にカトリックと正教とに分離してしまいます。ただ、正典としての聖書が、それで両者で大きく異なるということにはなっていません。それまでに、ギリシャ語聖書・ラテン語訳聖書が確定していたからと想像します。
(その後、カトリックからプロテスタント諸派が分離してしまいますが、実は両派で旧約聖書の範囲が違います。プロテスタントは、キリスト教会成立後にユダヤ教で行われた正典確定に準拠して旧約聖書の範囲を定め、一方のカトリックは伝統的に準拠してきたギリシャ語版旧約聖書に基づいているからです。話がくどくなるので、詳細は割愛します。)
>>>想像ですが、カトリック・正教・プロテスタントといったこの1000年に分裂した教派間では、聖書に本質的な差はないと思います。(上記のように旧約正典がちがうのだから問題といえば問題ですが、私の認識では不思議とそれは教義論争の種にはなっていません。)それ以前に分離した諸派(コプト教会・アルメニア教会・シリア教会など)では、もしかしたら多少のズレがあるのかも知れませんが、勉強不足で分かりません。
わかりやすいご説明をありがとうございます。
そういえば、連れて行ってもらったエチオピアの教会からそう遠くないところに、なぜかコプト教会の事務所のようなところがあったので、どう違うのか、質問させていただいたらよかったなぁ、と今になって思います。
エチオピアの教会の礼拝のときに、大きな聖書が回ってきて、それに各自が触れたりするのですが、周りの人がそれにとても敬意を払う様子を見て、何が書いてあるんだろう、と読めない文字を見つつ、とてもとても気になったのです。でも、内容は、私が日本で目にする聖書とそんなに違わなかったりする可能性が高いのかもしれません。
ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
エチオピア正教の教典は今でもエノク書という、
なんというか旧約の外典(偽という表現もあるようです)を使っているそうです。
ギース語というのはよくわかりませんが。。
外典ですから、旧約新約という、本筋とは別の内容です。
でも信仰のジャンルとしてはキリスト教ですね。
モルモン教でもエノク書は重要な教典です。
エノク書については、検索すればヒット数もかなりありますし、内容などを確認することができます。
参考サイトは、真ん中あたりに解説があります。
参考URL:http://www.mikio.wada.catholic.ne.jp/Vox_DDS04.h …
No.2
- 回答日時:
いい加減な個人訳ならいざ知らず、現在、世界中の各宗派の教会礼拝で実際に使われる聖書は、翻訳に翻訳を重ねたような、でたらめな代物ではありません。
真の意味での原典は既に失われていますが、全世界の神学者たちの調査・研究の成果として、旧約聖書ならヘブライ語(一部アラム語)原典、新約聖書ならギリシャ語原典に「限りなく近いもの」が存在し(もちろん現在でも原典への更なる近似は続けられていますが、実用上は現状のテキストで全く問題ありません。)、今日出版されている聖書は何語であれ、これを基にしていると思って構いません。
コプト教会で実際に使われている聖書がどんなものかは寡聞にして存じませんが、私は日本で読まれている聖書と同内容であると信じます。万一、教義に関わるような本質的内容の差異があるなら、それはもはや「聖書」ではなく、それを経典とするコプト教会は「キリスト教」ではなくなります。
No.1
- 回答日時:
参考程度に
イエス様の伝道自体が3年ほどの短い期間でしたので、伝えられた教え(新約聖書部分)にさほどの差は無いと思います。差があるとすれば、イエス様を取り巻いた女性の福音書ぐらいかと思います。女性の福音書のみが聖書から外されてますので、エチオピアの聖書には入っているかもしれません。
尚、イエス様は、ユダヤの方言、アラム語を使っていたようですが、キリスト教がローマに弾圧されている間は、スペインが本拠地であったとも聞いています。だから、本来のものはラテン語でかかれてたようです。それを後世ドイツ語に翻訳してから一般に広まったとのことです。それから、旧約聖書部分はユダヤ経典ですから本来のキリスト教の部分ではありません。
>キリスト教がローマに弾圧されている間は、スペインが本拠地であった
ああ、だから、アイルランドにはスペインから伝わったんですね。。と関係ないところで納得してしまいます。
現在のものとあんまり変わらないかもしれないんですね。
ありがとうございました。
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