半波長ダイポールの短縮率を計算する時の、「特性インピーダンス」について教えてください。
半波長ダイポールの短縮率を求める時の公式 δ=43/(πZo) で、Zoは単線式線路の「特性インピーダンス」とか半波長ダイポールの「特性インピーダンス」とか書いてあって、値はいずれも138log(2L/d)となっています。(L=λ/4、d=導体の直径)
疑問①特性インピーダンスはそもそも線路の長さに関係しない値だと思うのですが、2L=λ/2なので、無限長と同じと考えてよいのでしょうか。しかし、その場合は周波数によって特性インピーダンスが変わってしまいそうです。
疑問②単線式線路の特性インピーダンスは、大地の影像を考慮した単線式線路の特性インピーダンスの式に似ていますが(Lとhの違いがある)、完全な単線の特性インピーダンスの式は見つけることができません。(ちなみに単線式線路はZo=138log(2h/r) r:銅線の半径、h:地上高 となっています)
単独線路のインダクタンスL「H/m」とキャパシタンスC[F/m]を計算する式があって、Zo=√L/Cで求めたのでしょうか?
138log(2L/d)がどのようして求められたのか、あるいは物理的に何を意味する値なのか、教えて頂けたら助かります。
A 回答 (5件)
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No.4
- 回答日時:
訂正
E=Qk{1/r-1/(r-2h)} , k=1/(2πε₀)
なので
C=Q/V=2πε₀/log(2h/a)
でした。
したがって、所定の解となるには
L=Φ/I=(μ₀/2π)log(2h/a)
とならざるを得ず、磁束の積分範囲は a~h としなければ
いけませんが、この論理でよいか、よくわからない。
No.3
- 回答日時:
専門でもないのに、お気楽に回答しましたので調べました。
>半波長ダイポールの「特性インピーダンス」とか書いてあって、<
●アンテナにあるのは「放射抵抗(インピーダンス)」と思うので
この言葉は変です。
>138log(2L/d)となっています。(L=λ/4、d=導体の直径)<
●L=λ/4というのが全く理解できません。どんな書籍の記述でし
ょうか? (調べた限り、短縮率を扱った書籍は見なかった)
>対数部分が ln(2h/a)となっており、導体の半径は同じですが、分子の値が異なります<
●私も変だと思って、真面目に計算しました。
線の半径、位置をa,0とし、線電荷の鏡像の位置を2hとします。
すると
E=Qk{1/r-1/(r-2h)} , k=1/(4πε₀)
V=∫[a,h] Edr=Qk[ log|r|-log|r-2h| ][r=h,a]
=Qk{ log(h/a)-log|-h|/|a-2h| }
=Qk{ log(h/a)-log(h/(2h-a)) }
=Qk{ log(h/a)-log(h/a) - log(a/(2h-a)) }
=Qk{ log((2h-a)/a) }≒(Q/4πε₀)log(2h/a)
C=Q/V=4πε₀/log(2h/a)
同様に電流Iの鏡像の位置を2hとします。鏡像の電流は(-I)なので
B=kI(1/r-1/(r-2h)) , k=μ₀/(2π)
すると、単位長の鎖交磁束は
Φ=∫[a,2h-a] Bdr=kI[ logr-log|r-2h| ][r=2h-a,a]
=kI{ log(2h-a)/a - log(a/(2h-a)) }
=2kI log{(2h-a)/a}≒(μ₀/π)I log(2h/a)
L=Φ/I=(μ₀/π)log(2h/a)
したがって
Z₀=√(L/C)={√(μ₀/ε₀)}(1/2π)log(2h/a)
ここで鎖交範囲は、電流の閉回路であるが、Iと 鏡像の(-I) の範囲
に等価であるから、積分範囲は a~2h-a となることに注意。
No.2
- 回答日時:
なにが疑問かわからないのですが。
半波長で共振のときのインピーダンスを考えているのだから周波数によってインピーダンスが変わるのは当然です。LCRの直列共振回路を考えてください。138は
1/2π・√(μ0/ε0)
を自然対数を常用対数に変換するためにlog(e)=0.43で割ったものです。
No.1
- 回答日時:
疑問①
特性インピーダンスは √{(R+jwL)/(G+jwC)}ですが、伝送路
としては R=G=0 として考えますので √(L/C) です。
なお、L,Cは伝送距離に比例しますので、単位長あたり後を取り、
Z₀は伝送路の距離に無関係です。
疑問②
単線路の特性インピーダンスは下記の図6d です。
https://ednjapan.com/edn/articles/1910/08/news01 …
Lがごっちゃなので、大地から単線までの距離をhとすると
ちなみに、L=(μ₀/2π)log(2h/a), C=2πε₀/log(2h/a) です。
つまり、間隔が2hの往復線のL,Cを求めています。
なお、138log(2L/d) は拙い表現です。
138log₁₀(2L/d)
としなければ通じません。昔と違って、電卓で簡単に出るので無用
の表現で、
(1/2π)(√(μ₀/ε₀))log(2L/d)=60 log(2L/d)
とすべきです。
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endlessriver様、早速のご回答ありがとうございます。
質問の趣旨が十分伝わっていなかったようなので、補足しますのでご検討よろしくお願いします。
疑問1 無損失線路のZo=√L/C の意味は理解しております。LとCは単位長当たりの値ですので、特性インピーダンスはその線路の長さに無関係に一定だと思います。短縮率に使う特性インピーダンスは、Zo=138log10(2L/d)となっています。L=λ/4を使うようになっていますので、周波数によってZoの値が変わります。Zoを特性インピーダンスと呼称するのがおかしいのか、特性インピーダンスでなければは何を表した値なのかが分らないという疑問です。なお、常用対数と自然対数の違いは理解しております。工学系での一般的な対数の表記は、10を底とする常用対数をlog、ネイピア数eを底とする自然対数をlnと表すことが多いので、それに従いました。(追加あり)
補足の追加です
log10(2L/r)の場合の係数は138で正しいと思います。
疑問2 ご指摘の図6dは、対数部分が ln(2h/a)となっており、導体の半径は同じですが、分子の値が異なります。図6dは大地間との距離の2倍(影像を考慮しているので結局は平行2線式線路の計算式で、単線とは言い難い)、短縮率を求める際に使うZoの対数部分は導体の長さと導体の半径の比になっています。log(2L/r)
図6dの考え方を流用するのは難しいような気がします。
長文になりましたが、よろしくお願いします。
詳しいご説明ありがとうございます。
●L=λ/4というのが全く理解できません。どんな書籍の記述でしょうか? (調べた限り、短縮率を扱った書籍は見なかった)
無線技術士の国家試験(一陸技工学B)の問題です。
最新版は、令和3年1月期1回目A3番に出題されています。
使用周波数だけ記載された半波長ダイポールの片側の素子の長さを求める問題です。問題には短縮率δ=43/(πZo)もZoの計算式も記載されていませんが、Zo=138log(2L/d)にL=λ/4、d=導体の直径を入れて計算しなければ答は求まりません。
手元にある資料(平成25年7月期無線工学BのA4番の解答集)には、上記のδとZoの式が書かれており、L=λ/4で計算するようなっています。
CとLを求めてからZoを計算する式は、少し時間をかけて検討してみますが、鏡像を想定した時点で、2線式線路のLとCを求めているような気がします。
長いお付き合いありがとうございました。
質問の解答が大昔(50年前)にもらった教科書に書いてありました。
「特性インピーダンスのZoの定義を拡大して・・・・」の断り書き付きで、課題の公式が書いてありました。参考までに資料を添付しておきます。
これで解決済にします。