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m×n 行列の逆行列に相当する概念として一般逆行列がありますが, m×n 行列 A に対して, n×m 行列 B がAB=Em(Emはm次の単位行列)かつBA=En(Enはn次の単位行列) を満たすとき, B を A の逆行列と定義しないのはなぜでしょうか ?

A 回答 (2件)

memorytermさんの質問中にある通りに逆行列を定義しますと


Aが逆行列をもつのはn=mでかつAが正則な場合に
限られます.
たとえばn<mとするとき,成分を補うことにより
Em=ABは
Em = AB = (AO)(B)
....................................(O)
とm次正方行列の積で書けますが,detを比べると
det Em = 1,
det(AO)(B) = det(AO) det(B) = 0*0=0
..................(O).................................(O)
となり矛盾します.n>mの時はABの代わりにBAの
方で考えれば同様に矛盾が出ます.

だからこの定義は従来の定義と
全く同じになってしまいます.

(解答の行列がみづらくてすみません)
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この回答へのお礼

明解なご回答を頂きましてありがとうございました.
考えてみれば, 定義の条件から A は全単射になるから
n=m になるのは当然のことでした.

お礼日時:2005/05/21 15:46

結論をいうとmemoryterm様のおっしゃる方法で逆行列を定義すると、逆行列が存在しない行列がたくさんあるからです。

一般逆行列は、単に通常の逆行列を非正方行列に拡張するだけでなく、正方行列であっても非正則であるがゆえ逆行列が存在しなかった場合にまでも一般化することにあります。たとえばこちらをご覧ください。
http://www.is.seikei.ac.jp/~iwasaki/kouginote/L/ …

一般逆行列は、行列のランクが低いほど任意性があがります。したがって一意性はありませんが、一般逆行列の中でもいちばん性質のよいものを選びだそうという発想かどうか知りませんが、ムーア・ペンローズ逆行列というものがあります。擬逆行列(pseud-inverse matrix)ともいいます。これは、行列Aに対して、
AXA=A,XAX=X,(AX)^*=AX,(XA)^*=XA
になることを要求します。つまりAに対して、Xが擬逆であるとは、Xの一般逆行列がAであり、さらにAX,XAがともにエルミート行列になることを要求するわけです。一般逆行列の中でも特に性質がよいものと言えると思います。実はこれだけの性質をXに要求することによって、擬逆行列はただひとつしか存在しないことを示すことができます。一意性の証明にご興味がおありになれば、たとえば、東大出版会の線型代数演習(齋藤正彦著)なんかをごらんになられては、と思います。
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この回答へのお礼

詳細なご回答を頂きましてありがとうございました.
一般逆行列については全くの不勉強で大変参考になりました.

お礼日時:2005/05/21 15:50

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