No.2ベストアンサー
- 回答日時:
電気部門の技術士です。
現在ご自身がどのような立場でどんな仕事をなさっていて、なぜ経営と衛生というまったく違う部門を考えておられて、技術士受験について何合目に有るかわかりませんので一般論を申し上げます。技術士試験は建設系とそれ以外でまったく様相が異なります。建設系とは建設部門のみならず、衛生工学部門における上下水道工事、電気部門における電気鉄道、応用理学における測量など官庁向けに監理技術者やコンサルタントとしての地位が確立されている部門とそれ以外とをいいます。
衛生部門でも上下水道の建設、計画などを専門にされているのであれば「建設系」であり、浄水、公衆衛生、食品衛生でればそれ以外です。
建設系ならば建設部門の参考書プラス専門分野の雑誌、論文などを10年分さかのぼるほか、官庁の白書などを調べて政策を知っておく必要が有ります。
「その他」の部門は書く技術者自身が専門家という位置づけになります。たとえば機械屋で塗装を専門とされている方、化学屋で耐熱プラスチックの専門家などのようにその人が斯界のだ第一人者のいう場合です。
その他系の人であれば過去問題から動向をつかんでその部門全体の一般知識を万遍なく答えられるように勉強し、専門分野での最新の動向を整理しておく必要があります。
まずは「技術士」という資格に社会が求めている姿を理解することがもっと重要です。建設系であれば官庁の求める一般的基準を満たせばよいことになり、その他系であれば、その分野の幅広い常識プラス自己の深い専門性があることが条件になります。単に深い専門性があるだけでは合格できません。
1次試験の問題はその部門全般の基礎的知識を網羅しており、2次試験の問題もI-1を除いてその分野の専門的な基礎を網羅しています。2次試験問題が数年後に天下りして1次試験に出ることが多く見られます。
したがってまず過去問題の分析と整理からはじめるのが基本です。
建設系についてはある程度合格の基準が明確であり、受験者も多く、参考書の需要もありますが、その他系についてはほぼ師弟関係に近いような技術やコンサルティング能力の伝承がなされていて、参考書も多くありません。その他系で受けられる方はテクノ社の過去問題集を入手し、先輩技術士やJMAM等の受験講座の技術士から指導を受け、ご自身で10年分の専門誌から参考資料を作る(たいていパイプファイル数冊になる)ことで勉強を進めてきているはずです。
元来技術士制度はその他系を念頭においた制度のため1次合格者が技術士補となって技術士の指導を受けながら経験を積み2次試験をうけるというスタイルでした。
現在は実務経験年数で受験可能ですが、相変わらず2時の答案テクニックには技術士からの指導を受けたかどうかで合否が大きく左右されます。(技術士しか知らないノウハウがあるというのでは有りません。最新の技術士動向に通じ、専門分野の広い知識を背景にして、高度で専門的な科学技術の応用を必要とする課題の設定と解決方法を経営者や関係者にわかりやすく要点を伝える能力が有り、実際に問題解決をどう進めてきたかがわかるように書けばよい)
もちろん専門的事項については個々人ごとに異なり、守秘事項も多く公開されている模範答案も限られています。したがってI-1は添削指導を受けることが主体となります。
なお、建設系は資格取得による直接的なメリットがありますが、その他系は資格は「独立コンサルタント」の看板でしかなく、資格をどう活用するかは本人次第です。ただし技術士会のネットワークや技術士だから会える地位の人、任される仕事というものが有ります。数年の受験期間と数十万円の費用をかける価値があるかどうかよく考えてください。
なお、多忙な現役技術者であればあるほど勉強時間の確保が難しくなります。受験機関の参考書は有用です。(JMAMなら1次用、2次用それぞれ20cm近い分量があり、過去問題の整理、模範解答、記述式問題の回答例などが整理されています)。ただし、自分で専門分野の資料を整理することがもっとも有効です。コピー機やスキャナを使い資料集め、インデックス付け、キーワード抽出、サブノート作成などを数年かけて行うほか、関連する資格に挑戦して基礎を固めることが役立ちます。(機械であればボイラとか公害防止、電気なら電気主任とか情報処理などです)
(直接的なメリットの大きさと難易度からすれば弁理士や税理士をお勧めします)
さいごに「受験対策に最適と思われる参考書または解説書」ですが、技術士1次試験対策だけを考えているなら過去問題集の研究でOKです。ごらんいただくとわかりますが大変広範囲になっています。したがって1次を制覇するにはその部門のポピュラーな資格をいくつか持っていて基礎が身についている必要があります。また1次はあくまでも2次の受験資格であり、できれば2次の問題集も入手し、上記のように2次の問題を解くためのキーワードを専門雑誌等の特集から探して研究して天下り問題に対応するのが良いです。いずれにしろ基礎的な知識を身につけていくという長期戦となります。
市販されているものは過去問題集と一般的な「試験の受け方、勉強の仕方、答案の書き方」の解説書しか多分無いでしょう。過去問題の解答・解説まで載っているのはJMAMなどの通信講座のテキストになります。
30万円という金を払うか、時間をかけてこつこつ集めるかはその人次第です。ただ、2次の論文問題に対応するにはいずれにしろマンツーマン指導を受けて添削だけでなく論文に書くべき業績の取捨選択・業績の組み立て方から指導を受けないと難しいと思います。
(大手メーカーの研究所長や博士たちも書き方、まとめ方で落ちています)
なお、ご存知と思いますが一次の部門と二次の部門とを対応する必要はないので、一番易しそうな部門で1次を受けるという作戦もあります。また、2次には部門内に科目がいくつかあり受験時に選択することにますが、科目ごとに問題の難易度や合格率が極端に異なります。過去3年分を研究して動向に注意して科目選択することを勧めます。
この回答へのお礼
お礼日時:2005/06/09 09:24
大変詳細なご説明をありがとうございます。
現在は、製造業で排水処理やISO等の環境、廃棄物関連の業務に従事していますので、衛生工学で受験しようと思います。
過去問を元に対策を立てていきます。試験は結構広範囲なのですね。
いろいろ重要なポイントを教えていただきありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
一昨年合格しました。
(水道部門)まずは過去問題集です。一通りやってみて傾向を掴んで下さい。
一番の問題は基礎科目には何が出るのか分からないことです。範囲があまりにも広く、畑違いの問題が出ますし、問題文の中にも意味不明の事柄が出てきますので、それについてはネットで検索するのが良いと思います。参考書を探すのでは時間と金がかかり過ぎます。問題集をやりながら、分からない事を飛ばさずに、全て調べてみることです。さらに、調べた事に関連する事柄をどんどん広げて追及していって下さい。問題は各分野で5題中3題に解答します。どの問題に正答できるか見極めることが重要です。
適正科目は、一般的な常識を持ち合わせていれば割合正解
しやすいです。過去問題を全て覚えれば良いと思います。
専門科目も出題されることは限られてくるので、過去問題集だけで対応出来ると思います。
共通科目は免除でしたので分かりません。数学、化学、物理、生物、地学から2科目ですね。
足切りが40%ですので、どの科目も40%以上正解する必要があります。合格率は40%程度ありますので、超難関という気はしません。二次試験とはかなりの差があると思いますが。問題は純粋に知識を問うものなので、ひねった(わざと間違わせるような)問題は出ません。
過去問題集の他にもう1冊問題集を使いましたが、何かは忘れました。(今、手元にありませんので)書店に何種類もありますので、何冊か中身を見比べて、やりやすそうな本を選べば良いと思います。
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