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化学ポテンシャルについて、一応(かなり)、判ったような気になっておった
のですが、最近、フェルミ分布とボース分布の場合の式を見ていたら、
ふと、混乱し始めてしまいました。

化学ポテンシャル=逃散能とも言われ、高いほど、粒子が逃げていく
のだ、と理解していたのですが、たとえばフェルミ分布では、
よく知られているように、エネルギーε準位の平均占有数n(ε)は、
n(ε)=1/[exp(-(ε-μ)/kT)+1]
となり(フェルミ分布)、この式ではμが大きいほど、n(ε)が大きくなっ
てしまいます。

もちろん、私の、この言い方は間違いで、
「N=∫n(ε)D(ε)dε が全粒子数の平均値になるようにμを決める」
というのが教科書に書いてあるきまり文句です。教科書では、
μの温度変化の近似計算に忙殺され、それ以上書いてあるもの
はあまり見かけません。

「μはポテンシャル高いほど粒子が居なくなる」というイメージと
どうしても合わず、悩んでおります。
うーん、情けない。どこで考え違いをしているのでしょうか。

A 回答 (3件)

siegmund です.



お礼,拝見しました.
正しい理解をされているように思われます.

> たとえば、孤立ドットのμをゲート電極か何かで上げることは
> 出来ないのでしょうか

電位が変わるとエネルギーが変わりますから,
いわばエネルギーの底上げ(or 底下げ)によってμも変わります.
本当に孤立していれば何も起こりませんが,
他のドットとの間にホッピングなどあればμの違いの効果が出ます.

大気圧の例はどうでしょう.
上空に行くと(温度変化は無視)重力ポテンシャルが変化する分,
μが変化します.
では,流れが起こらないのはなぜか.
それは,下の方が空気の濃度が濃いためにそれから来るμの違いがあります.
重力ポテンシャル分と濃度分の違いがちょうどキャンセルするように
濃度が変化する(つまり気圧が変化)するのです.
あるいは,濃度一定のまま無理に重力ポテンシャルの違いを導入したら
流れが生じ,その流れはμが一定になるまで続く,と言ってもよいでしょう.
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化学ポテンシャルは系に新たに粒子を1個つけ加えるときに必要なエネルギーです.



フェルミ分布関数の T=0 を考えてみれば,様子がよくわかるんではないでしょうか.
μがちょうどフェルミエネルギーになっていて,
フェルミ分布関数は階段型になっています.
μとNが非常に強く関係しています.

> 「μはポテンシャル高いほど粒子が居なくなる」というイメージ

化学ポテンシャルの高いものと低いものを接触させれば,
高い方から低い方へ粒子の流れが生じます.
たとえば,濃度の高い方から低い方へ粒子は流れます.
こういうことから,化学ポテンシャルを逃散能(= fugacity)というのです.

化学ポテンシャルに限らず,
ポテンシャルは,系全体が同じポテンシャルにあれば特に目に見えた効果はありません.
だから,ポテンシャル(もともと,可能性とか潜在力とかいう意味です)なのです.
ポテンシャルの効果が目に見えるのは,
ポテンシャルの高いところから低いところへ移ることが可能な場合で,
電位差があって電流が流れる,ダムの上から下へ放水する,
などみんなそうです.

spinflip さんがご自分で書かれていますように
「N=∫n(ε)D(ε)dε が全粒子数の平均値になるようにμを決める」
ですから,N を固定してμだけ変化させるようなイメージは良くありません.
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この回答へのお礼

ありがとうございます。お礼が遅れましてすみませんでした。
(自分の問題が片付かないうちに、人の話に目が行ってしまい、
大変失礼いたしました。)

フェルミ分布関数については何とか何とか納得したような
気になっていたのですが、大分配の確率について、今ひとつ
不安な点が残り、今までもやもやしていました。

1) 問題はμの差が大事というわけですね。
よく教科書に載っている例として、磁場勾配があるときの、
磁気双極子の密度分布の変化がありますが、それを思い浮
かべて納得できました。

2) フェルミ分布関数については、粒子密度を上げて行くと、
排他律のために、化学ポテンシャルが必然的に高くなって行く、
ということで納得しました。

3) 問題は、大分配の確率exp[-βE+μN]で、だいぶ悩みましたが、
粒子数表示すると、exp[-β(e_0-μ)n_0]×exp[-β(e_1-μ)n_1]・・・
ですので、化学ポテンシャルの上か下かで占有数が増えたときに
確率が下がるか上がるかが決まる、というふうに理解しました。

4) 良くないことはわかっているのですが、、、
>>N を固定してμだけ変化させるようなイメージは良くありません
たとえば、孤立ドットのμをゲート電極か何かで上げることは
出来ないのでしょうか。あるいはチャージアップしたら、電荷も
増えてしまうから、μも増えて、、、あ、いいのかな。

間違いがありましたら、ご指摘ください。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。

P.S.
フェルミ分布関数を導いたはずの大分配確率でもやもやしている
ということは、結局、f(ε)についても全然判っていない、という
ことなのかなあ、、、、、。

お礼日時:2001/10/24 16:40

う~ん? 符号にご注意を。


T > 0 だと、μ が正の無限大で n(ε) の分母が無限大となり、
粒子がいなくなるということだからよいのではなかろうか~。

この回答への補足

ごめんなさい。質問の式を間違えてしまうという、とんでもない間違いを
しでかしていました。
エネルギーε準位の平均占有数n(ε)は、
フェルミ分布関数:n(ε)=1/[exp(+(ε-μ)/kT)+1]
で、指数関数の符号は正です。

すみませんが、仕切りなおしで、お願いします~。

それから、もう一つ、追加で、フェルミ分布関数まで行かなくとも、
大分配集合の分布確率Pi∝exp[-(E-μN)/kT]
(Eは全エネルギー、Nは全粒子数)の段階で、わかっていなかった
ことが判明しました。この式でもμが増えると、同じNに対しても
確率が上がって行ってしまいます。

補足日時:2001/10/15 23:41
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