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アゾ染料は化学結合や水素結合により、繊維と結合して繊維の表面に色素を固定する、また、アゾ染料は、発色団と助色団の共役効果が拡張すると可視光の濃色効果が起こり、色を濃くすることができると文献で読みました。ここで質問ですが、結合量が大きいほど濃色効果が増加して、吸収波長が長波長側にシフトしていくのでしょうか。例えば、結合していないアゾ染料のピークが500nm、結合後のアゾ染料のピークが520nmになったとすると、繊維の量が増え、結合が増加したときさらに波長自体が520nmより長波長側になるのか、それとも結合する物質の種類や結合の種類は変わらないので520nmのままでピークの吸収が大きくなるだけなのか、のどちらなのでしょうか。長々となってしまって申し訳ありませんがよろしくお願いします。

A 回答 (2件)

吸収波長について考える場合、「アゾ染料内の発色団と助色団の結合」と「アゾ染料と繊維の結合」とは、全くの別物だということを、まずご理解下さい。



c310さんも書かれている通り、発色団や助色団の結合の場合は、共役系(とりあえず単結合と二重結合が交互に繰り返したもの、と考えて下さい)が延長されるため、吸収波長の長波化 濃色化が起こります。
一方、繊維との結合の場合は、通常、共役系の延長にはなりません(酸素などの非共有電子対を持つ原子を介して共有結合を形成した場合は、全くないとは言えませんが)。
従って、アゾ染料と繊維との結合がいくら長くなっても共役効果は起こさないので、当然共役による濃色化は起こりません。

では、なぜアゾ染料が繊維表面に固定されたときに濃色効果がみられる場合があるかですが、それは繊維との結合によって立体構造が変化し、アゾ染料の共役系のエネルギーが変化するためです。
(この場合の構造変化は、化学結合の形成というより、歪み・ねじれが主になります。なお、共役系は、単結合をはさんだ二重結合が同一平面に並んだときに最もエネルギー的に安定になります)


よって、「繊維の量が増え、結合が増加したときさらに波長自体が520nmより長波長側になるのか」との問いへの答えは、「ならない」ということになります。
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この回答へのお礼

その構造の種類により最大吸収波長が定まるので、繊維との結合が増えるにつれ、その吸収波長が増加していく、ということですね。納得できました。ありがとうございます。

お礼日時:2005/09/22 23:06

繊維と染料が化学結合を形成すれば、染料の共役系に影響を及ぼすでしょうから、吸収波長は変化するでしょう。



一般論として、ある染料分子と繊維の結合関係に変化がなければ、他の染料分子がどのような状態にあったとしても、その吸収波長は変化しないと思います。
ただし、互いに影響を及ぼし合うほどの接近した状態になるのであれば、多少の変化があるかも知れませんが、これは一般的ではないように思います。
染料の構造にもよるでしょうが、繊維の量が増えても、個々の染料分子と繊維との化学結合の数が増加することは少ないと思います。
そもそも、通常は、染料に比べて繊維の量が圧倒的に多いわけですから、特に繊維の量を意識する必要はないと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。勉強になりました。

お礼日時:2005/09/22 23:11

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