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超伝導において、YBCO系の実験をしたのですが、
YBCOの常伝導状態における抵抗曲線(温度に対する)とCuなどの金属の抵抗曲線を比べてみたのですが、
どちらもTの1次に比例する線形なグラフになったのですが、圧倒的にCuよりもYBCOのほうが傾きが緩いのです。これはなぜでしょうか?
まだ、BCS理論とかをやっていないのでよくわかりません…
なにかわかりやすい説明はないでしょうか?
よろしくお願いします

A 回答 (4件)

大よそ#1のmmkyさんのご説明を否定しませんが、気になる表現があります。


>抵抗があるということは、途中で電子がトラップされて全部が到達しないということでしょう。
「トラップされて電子数が減るので抵抗が発生する」と電子数の変化で金属の電気抵抗を説明するのは、正しくないように感じます。

電流j=envと書かれます。eは電子の電荷、nは電子(キャリア)数、vは電子のドリフト速度です。
半導体ではnの温度変化が急激ですが、
金属(超伝導になるYBCOは金属)の場合、nの相対変化は小さく、vの温度変化が抵抗を決めます。

高温では格子振動が激しいので、電子が頻繁に散乱され、電場の方向にあまり加速されません。つまり平均としてドリフト速度が上がらないのですが、温度が下がると散乱が減り、ドリフト速度が上がり、抵抗が下がります。
質問の回答はドリフト速度(移動度)の温度係数が異なるということか? (それとも不純物散乱?)

★しかし、確かYBCOの常伝導状態は一見、普通の金属と似ているが、実はとても特異な状態にあると聞いたことがあります。YBCOの超伝導機構とともに、常伝導状態の平らな温度依存性も実はまだ明らかにされていないと思います。だから「本当の回答は誰も知らない」が正解では。

>各要素の格子振動が互いに打ち消しあうように働くからある程度の温度で格子が停止した状態、つまり抵抗ゼロに成ると考えればいいんじゃない。

温度が下がると格子振動は減るでしょうがゼロにはなりません。絶対零度でも量子力学的機構により格子は振動し続けます。つまりこの説明では抵抗の現象は説明できても、抵抗がゼロになることは説明できません。

またYBCOの超伝導機構は明らかにされていませんが、
格子振動を起源とする従来のBCS機構は少数派だと思います。
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超伝導屋では無いのですが、高温超伝導騒ぎの初期に少し参加してました。


まず、抵抗に関しては、No2さんの説明のとおりで電子の到達個数の話では有りません。電子の移動のしにくさです。
最近のYBCO系の常伝導物性と超伝導機構に関しては知らないのですが、確か物性的特徴はBCS型と類似点が多いが、転移温度の異常な高さを始めとしたいくつかの物理値が従来のBCS理論では説明が難しい、という話を以前に聞いたように思います。
常伝導状態の抵抗の温度変化もNo2さんが述べられたように、異常性が有るらしく、この温度依存性もこの物質を調べる上で重要な情報らしいのですが、実際の実験では気をつけて欲しいことがあります。
それは、通常の金属でも、この常伝導状態での抵抗の温度変化は結晶構造の完全性が強く反映するということです。もし、測定試料が構造欠陥の多い多結晶体ですと、電気抵抗は低温になるほどフォノン散乱より結晶欠陥や結晶粒界による散乱が支配的になり、温度を下げてもそれほど抵抗が下がりません。物質の固有物性を調べる実験なら、単結晶での測定をお勧めします。
最後に、高品質な金属試料の温度を下げると、フォノン散乱が減少して何桁も抵抗が下がりますが、この極限としてのフォノン散乱の無い完全導体と超伝導は違います。超伝導は量子力学効果であって、完全導体モデルではマイスナー効果や量子干渉効果が説明できないからです。
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追伸


昔は、NFは常温では理論的に3dB以下にはならないという理論をどこの大学でも教えていたんです。これは温度だけでNFが決められていたからなんですね。ところがアメリカの研究者がそうじゃないよ。格子振動が止まれば「例えば、電子1個(またはPair)がA地点からB地点に到達すれば抵抗はゼロでしょ。」という概念で格子振動をとめればNF=0になるといい始めたんです。最初はどこの大学の教授も信じてなかったけどね。実際に半導体に応用したらあっという間に3dBいかになったんですね。方法は簡単だったんです。トランジスターのゲート幅及びサイズを小さくして高電界
領域を作ると格子振動が緩やかに成ったからなんですね。この部品は衛星受信機に広く使われています。つまり格子振動は、1.低温、2. 高電界 3.構造上 で制御できるんですね。このうちの構造上というのが化合物の構造を利用するということなんですね。このあたりを体系的に述べた本もないですから研究して見るといいですよ。以上述べたように理論は当てにならんことも多いんです。自由な発想でやればいいんです。経験だけで述べてますのでそれも加味してね。
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難しく考える必要はないんですよ。


例えば、電子1個(またはPair)がA地点からB地点に到達すれば抵抗はゼロでしょ。何個あっても全部到達すればおなじく抵抗はゼロですよね。複数個の電子集合を信号と見ればNFがゼロということですね。
抵抗があるということは、途中で電子がトラップされて全部が到達しないということでしょう。
このトラップは格子(または原始核)の熱振動によるものですね。銅のような単一の金属では格子振動は単純ですからそのまま温度に依存ですね。
化合物では格子振動が複雑なだけなんですね。この複雑という意味には格子振動が大きくなるから小さくなるまで含まれるんです。
YBCOのような材料は格子振動が小さい材料でしょう。各要素の格子振動が互いに打ち消しあうように働くからある程度の温度で格子が停止した状態、つまり抵抗ゼロに成ると考えればいいんじゃない。
こんな風に考えれば「YBCOのほうが傾きが緩いのです」が説明できるでしょう。
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この回答へのお礼

なるほど…。
なんとなくわかったような気がします。
ありがとうございます

お礼日時:2006/07/07 00:52

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