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高校物理でならうスリットを用いた回折の実験では、
スリットを通った後、波はスリットを波源として広がっていくのにたいし、
X線回折では、原子間というスリットを波源とするのではなく、原子が波源となって波が広がっていく。。

という理解をしています。
スリットを用いた回折の方は、波が壁の向こう側をまわり込む、というイメージで「回折」という感じがするのですが、
どうもX線「回折」の方は、波がスリットを取って壁の向こう側へまわり込む「回折」したイメージがつかめません。

大変あいまいな質問なのですが、
上記のような理解はどこかおかしいでしょうか?

A 回答 (2件)

>原子間というスリットを波源とするのではなく、原子が波源となって波が広がっていく。



原子間をスリットと考えるのではなくて、原子そのものをスリットと考えればいいのです。

他の質問でも書きましたが、結晶による回折は二重スリットではなく回折格子と対応させて考えてください。

(ちなみに、実際の結晶中では原子と原子が電子雲がぶつかり合うまで近接していますので、原子と原子の間にすき間はありません。)

回折強度の計算では、実際に回折格子の各スリットからの光が結晶中の原子からの散乱光に置き換わった形になっており、計算結果も基本的に同じ形になります。(回折格子のスリットは細いといっても広がりがあるので、その形状の効果が付加される分違いますが。)
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スリットはどのようにして光をさえぎるのかというと、これをミクロに見ると原子(正確には原子核を取り巻く電子雲)が光を吸収、または反射(より正確には散乱と言います)していることになります。


この時の反射(散乱)は原子の大きさと電磁波の波長により必ず決まった方向があるわけではなく、散乱と書いたとおり四方八方に広がっていくと思ってかまいません。(厳密には方向により散乱強度が異なります)
これは見方によっては原子自身から電磁波が放出されていると考えてもかまいません。事実単純なモデルにすればそういうことになります。

ですから御質問者の書かれた「原子が波源となって波が広がっていく」というX線回折の時と同じような物理現象にて生じているといえるでしょう。

違いはスリットの場合には反対側に光は透過しませんので(吸収されてしまうは反射されてしまう)、スリットの穴の開いたところだけから光が透過します。ここでこの部分でホイヘンスの原理により回折が生じるわけです。

一方でX線回折の場合には原子による散乱がおき、その後の光が他の原子から同じく散乱された光同士の間で干渉が生じることで特定方向のみ光が強めあう形になります。

多分御質問者の中でわだかまっている部分というのは、原子を起点とした波が広がる部分が理解しにくいのだと思います。それについては上記の説明の通りこれは「散乱」という現象にて説明されます。

更にこの散乱を掘り下げますと、この散乱の原因は原子が双極子モーメントといい、電磁波の振動する電場の影響を受けて、電子雲がゆすられ、+である原子核と、-である電子雲が分極して、これが電磁波の電場の振動にあわせて振動することで、光の吸収と再放出が行われるために発生しています。
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