果糖の代謝ついての質問です。
果糖の特徴は
・単糖である(吸収は早いのか遅いのかはよくわかりません。単糖なので吸収は早い!?でもGI値(グリセミックインデックス)は低い)。はて?
・タンパク質と結合する。極端な食べすぎは血糖調整障害をまねく。
これをふまえて、いくつか質問があります。
■質問1
血糖は、血液中の「ぶどう糖」の濃度です。
果糖は必ずしもぶどう糖に変換されませんから、吸収スピードにかかわらず、血糖(ぶどう糖濃度)を上げにくい=GI値が低い、と私は理解しましたが、合っているでしょうか?
■質問2
果糖は、どこで、どの程度の割合で「ぶどう糖」に変換されるのでしょうか?また、インスリンの影響を受けにくいようですが、ぶどう糖に変換されなかった果糖(フルクトース)はどのようなメカニズムで貯蓄(代謝)されるのでしょうか?
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
ダイレクトな回答ではありませんが、以下の参考URLサイトは参考になりますでしょうか?
「砂糖の代謝」
このページは砂糖の吸収・代謝の説明ですが、ブドウ糖と果糖に関しての記載があります。
この記載によると果糖は腸管からの吸収に際して、一部ブドウ糖に変換されて吸収されるようです。
snuffyさんはGI値に関して詳しいので、既にチェック済みかもしれませんが・・・?
◎http://www.somos.co.jp/solution/013.htm
(グリセミック指数(Glycemic Index) 初級)
「ブドウ糖」と「果糖」では吸収速度に差があるようです。
◎http://www.coara.or.jp/~ijioita/eiyou.html
(果糖)
ご参考まで。
参考URL:http://sugar.lin.go.jp/japan/view/jv_0003a.htm#2
とても参考になるURLどうもありがとうございました。
ソモスの河合さんとは、以前メールでやり取りをしたことがあります。私が勉強していることは、しばしば糖尿病のソリューションに関連してきます。彼らの中では、GI値というのは決して新しい概念ではなく、むしろほとんど無視しています。最近、なぜか脚光を浴びてるGI値ですが、低インスリンダイエットの本質はやはり炭水化物の「量」ですね。
その下のスポーツ生理学のウェブページでは、今回の質問とは直接は関係ないのですが、果糖とアルギニンに関する貴重な資料を拝見できました。以前、筑波大の鈴木教授がこのことを言っていたのですが、詳しい内容がわからず、知りたかったことでした。
その下の糖に関するHPでは、果糖の代謝経路について書いてあり、とても参考になりました。
No.5
- 回答日時:
MiJunです。
>小腸にある果糖専門の糖輸送単体も関わり、
以下の参考URLサイトは参考になりますでしょうか?
「グルコーストランスポーター」
この中で表が参考になります。
Fructoseは「GLUT5」です。
◎http://www.iris.dti.ne.jp/~post/biochem/11.html
(解糖)
ご参考まで。
参考URL:http://www.diabetes.h.u-tokyo.ac.jp/diabetes/key …
MiJunさんは、URL検索の名人ですね。すごいです。ありがとうございます。
しかしPubMedは英語をあまり読めない私にとって・・(汗)
No.4
- 回答日時:
MiJunです。
Glu(グルコース)の吸収に関しては、糖尿病との関連で相当研究されてますが、Fru(果糖)に関しても、PubMedで検索するとHitしてきます。
さらに以下の成書も参考になるかもしれません(内容未確認!)?
==================================
糖類の栄養・健康上の諸問題/Fergus M.C…[他]/日本国際生命科学協会…/1999.3
糖と健康/日本応用糖質科学会東…[他]/学会センター関西/1998.7
糖の散歩道/糖質事業開発協議会/三水社/1993.1
生命にとって糖とは何か/大西正健/講談社/1992.10
果糖が現代病を予防する/久保田煕/現代書林/1988.7
果糖のことがよくわかる本/久保田煕/現代書林/1986.6
===================================
ご参考まで。
No.3
- 回答日時:
MiJunです。
ご存知のように、果糖に関しては点滴剤としてして使用されていますので、ADMEの面ではiv(静脈内)投与が代謝の面では参考になるかもしれません。
古いですが、以下の論文が参考になりかもしれません?
=============================
・鴇田重樹:東京慈恵会医科大学雑誌,72,1435(1958)
・池田恵一ほか:新薬と臨牀,15(10),1205(1966)
・尾上久吾ほか:日本臨牀,21(3),526(1963)
=============================
po(経口)投与に関しては、文献検索すれば見付かるかもしれませんが・・・?
(動物実験だけかもしれませんが・・・?)
⇒臨床(医学)分野よりも食品化学分野で探した方が良いのかもしれません?
ご参考まで。
ありがとうございます。
こういう文献をお目にする機会は、私にはなかなかありません。
ああ、大学時代、生物を勉強すればよかった・・。などと考える今日このごろです。
No.2
- 回答日時:
2だけ
果糖の代謝経路は「フルクトースシャント」「果糖短絡路」等と呼ばれている経路です。
葡萄糖の場合には.葡萄糖から活性酢酸までの経路に反応を抑制する部分があります。十分なエネルギーを生産しているときには.葡萄糖の状態を保つようにフィードパックがかかります。
果糖の場合には.抑制する経路がなく.果糖から即活性酢酸まで代謝されます。もし十分な果糖があれば.果糖が分解されるまでの間葡萄糖の分解を押さえます。
活性酢酸が生成すれば.余分な活性酢酸は肝臓等の脂肪細胞で脂肪になります。
細かいことは.「生化学」の本を見つけてください。果糖短絡路の記載されている本は少なく半分ぐらいしかありません。葡萄糖代謝経路のフィードバックの存在が書いてあったのは1冊だけだったと思いますが.本の名前を覚えていません。
この回答への補足
皆さんの意見、参考HP、自分で調べてたことをまとめ、一応結果として残しておきたいと思います。もはやマニアックすぎて、誰も興味を示さないかもしれませんが・・。
■1
果糖の吸収は、単糖であることと、小腸にある果糖専門の糖輸送単体も関わり、吸収の効率そのものはかなり高いと考えられる。しかし、果糖がブドウ糖に変換される割合は10%ほどなので、果糖を吸収しても血糖値(ブドウ糖濃度)はほとんど上がらないし、インスリン分泌激となりにくい。
これが、吸収は早いが低GIというパラドックス(!?)の仕掛けである。
また、過剰な果糖の摂取は、(果糖には代謝を制御する機構が存在しないため)ブドウ糖を使い残すかたちになり、血糖値を上昇させる可能性はある。
■2
果糖は10%がブドウ糖に変換される。残りの果糖はほとんどすべて肝臓に取り込まれる。肝臓に取り込まれたブドウ糖、果糖は解糖系、TCAサイクルを経てATP産生に消費され、余分なものはグリコーゲン、中性脂肪に変換される。
しかし、ブドウ糖と果糖との間には肝臓における代謝上大きな違いがある。
ブドウ糖の代謝はインスリン依存性の糖代謝律速酵素のglucokinase,phosphofrukutokinase、グリコーゲン合成酵素などによって調節されている。
果糖の場合には、この調節機構はうまく作動しない。果糖はその大部分がfrukutokinaseによりリン酸化される。しかし、果糖のリン酸化とその後の代謝を制御する機構が存在しない。そのため、肝臓への過剰の果糖の流入は、肝臓のグリコーゲン蓄積には限りがあるため、中性脂肪の合成が昂進し、血中への中性脂肪の放出の増加を招き、高中性脂肪血症をもたらす。特に、インスリン作用不足を伴う糖尿病ではグリコーゲン合成、ATP産生が円滑に行われないため、この過程がより活発となる。
■現在の私の興味は、果糖がエネルギー余剰によって貯蓄される場合の脂肪/グリコーゲンの割合です。
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