No.1ベストアンサー
- 回答日時:
原形質流動の役割とエネルギーについての記載がありました。
「植物細胞は、分裂直後の小さいときは原形質(細胞質)は流動せず、細胞質の揺らぎ運動(agitation)がみられる。これは一種の撹拌運動である。細胞が成長するにしたがって、液胞が発達し、細胞質は細胞の周辺に偏って存在するようになると、方向性を持った活発な流動が見られるようになる。流動は大きい細胞(数百ミクロンから数センチにも達するものもある)の内部の物質環境を一定に保つ働きがあると考えられる。急速に先端成長する細胞、たとえば花粉管や根毛では、流動が活発で(1秒に3-10ミクロン)基部から先端部に向けて盛んに先端の成長に必要な物質を輸送する。タンパク質などは小胞に包まれて運ばれ、先端に達した小胞は細胞膜と融合し、膜の伸展に貢献する。放出された内容物は細胞壁の合成に役立つ。サイトカラシンと呼ばれる阻害剤で流動を阻害すると、先端成長も阻害される。植物細胞の細胞間物質輸送は、原形質連絡と呼ばれる狭い通路を通して行われる。原形質流動を阻害すると、光合成産物などの細胞間輸送も流動速度の低下に伴って少なくなる。このように原形質流動は、細胞内の物質や小胞の輸送に不可欠の機構で、これが阻害されると成長も阻害される。
植物の原形質流動は小胞に足場をもつ運動タンパク質の一種ミオシンがレールとなるアクチン繊維(タンパク質アクチンの重合体)の上を滑っていく。動物でも組織を構成する細胞は、植物細胞と同様に、移動しない細胞が大部分である。神経細胞は細胞体とこれから伸びる長い軸策からなる。軸策の成長、維持に必要な栄養やタンパク質は、小胞に包まれて細胞体から運ばれる。この軸策内輸送は小胞に足場を持つ別の運動タンパク質のキネシンが微小管(タンパク質チューブリンの重合体)と呼ばれるレールの上を滑っていくことによって行われる。運動タンパク質はエネルギー源のATPを加水分解することによって運動エネルギーを得ている。」
その他、原形質流動は、細胞壁の材料を運んだり、細胞の成長を促したり、光合成産物の攪拌によって細胞内pHをアルカリ側に偏らせないような役割があるようですね。
また、細胞質基質には、アクチン繊維がはりめぐらされており、ミオシンと結合した細胞小器官が、ATPのエネルギーを利用してアクチンの上をすべる事によって動くようです。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
【化学】細菌って細胞膜ってあ...
-
mock細胞とは?
-
細胞じゃなくて人間に生まれる...
-
キャリヤーDNAについて教えてく...
-
多細胞生物の細胞の大きさは、...
-
RAW264.7マクロファージについて
-
Image Jでの細胞面積の測定につ...
-
PBMCからの単球の分離の際、細...
-
細胞培養
-
paired-pulse facilitationとは?
-
糖の貯蔵
-
限界希釈法について
-
体細胞分裂の観察
-
ウアバインによる膜電位の変化
-
体細胞の分裂
-
PCV(Packed cell volume)とは何...
-
遠心分離の際の回転数の決め方
-
適した日本語訳を教えてください。
-
細胞の生死の判断
-
どのくらいの期間で、細胞は、...
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
BSA溶液の作り方。
-
mock細胞とは?
-
接着面とはどこのことですか?
-
RAW264.7マクロファージについて
-
遠心分離の際の回転数の決め方
-
腎臓病の猫の皮下補液(皮下点滴...
-
細胞膜外のカリウムイオン濃度...
-
多細胞であることのメリットは?
-
paired-pulse facilitationとは?
-
呼吸はどの細胞で行われるか 教...
-
HepG2の継代について 凝集しな...
-
多細胞生物の細胞の大きさは、...
-
G418の濃度(セレクション)
-
パーセンテージで得られた結果...
-
生理食塩水の0.85%と0....
-
細胞非自立的
-
細胞をさいぼうとさいほうに読...
-
細胞や物質の読み方
-
Cell LineとPrimary Cellの違い
-
多細胞生物の起源について
おすすめ情報