これ何て呼びますか

まったくの勘違いでしたらすみません、が気になってしまって。
ホール効果については教科書に書いてある話は一通りわかったのですがどの本も正孔が実在するというスタンスで書かれています。

正孔というものは実在せず、便宜上役立つので使うものだという理解をしていた自分はこのホール効果を正孔という考えを使わず説明しようと思いまして。

正孔を考えることは「電子の穴が動く」と思うことですから本来の考えは「詰まってる電子がすこしずつ横にずれて動いてる」ですよね?(このイメージはバンドの中、波数空間上での話ですが実空間でも電子の抜けた穴に横の電子が飛び移っていると考えてもよろしいのでしょうか?)

結局、動くのは「電子」なので電流の向きが決まっていればホール係数の符号が逆になるなんて有り得ないのじゃないかと思うのですが
この考えのどこが間違っているのでしょうか?

A 回答 (10件)

No6の補足です。



> しかしまだわからないのですが「電子の欠乏が磁場により+x方向に動く」=「隣に移動する電子が‐x方向に動く」のじゃありませんか?

えーっと、確かに、電子の欠乏が1原子分+xに移動した時には、隣の原子から電子が1個-x方向に1原子分だけ動きますが、その動いた電子はそこに止まってしまいます。

> 「電子欠乏を埋める時の電子の動きに対する短時間の磁場の作用=ローレンツ力」で横の原子にホッピングしている電子が‐x方向に動く確率が増えるんではないでしょうか。(こんな古典的解釈が間違ってるんでしょうか?)

電子の欠乏はローレンツ力で移動方向が曲がっていきますが、電子自体は常にその欠乏(空席)を埋めるように隣から入り込んでくるだけで、入り込んだ電子はその原子に束縛されてそれ以上移動しません。

> 隣に移動する電子にはローレンツ力が働かないとすれば磁場の影響はないのに電子の欠乏は速度が速いからローレンツ力が働く…?

電子は隣の空席を埋めるためだけに移動する束縛電子ですので、電子の移動自体にローレンツ力の影響は受けません。ローレンツ力の影響を受けて好きな場所に移動出来るのは、伝導電子だけです。束縛電子は、量子力学的に許される決まった運動量状態を持つ軌道にしか入れませんから、お隣に、移動可能な運動量状態の空席軌道が有るのでその軌道に入り込むのに移動するだけです。電子の欠乏は速度が速いからではなく、連続的に長距離を移動して自由に方向を変えれるからローレンツ力の影響を受けるのです。
電子を使った表現で言うなら、空席軌道の有る原子には結晶構造などに依存していくつかのお隣原子が存在するわけですが、ローレンツ力の影響で電流進行方向に対して少し左or右のお隣原子から空席を埋める電子が入り込む確率が増えると考えれば良いのではないでしょうか。その結果、空席は少し移動方向が曲がり、全体的に電流に対して横方向に電圧を生じる。
また、束縛電子は原子に過剰に存在など出来ませんから、電荷がホールのみの場合には、電子の蓄積による電圧発生は起こりません。
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この回答へのお礼

返信が遅れてしまい申し訳ございません。

kenojisan様、離散的な運動量の説明がとてもわかりやすかったです。頭の中が完全に高校時代の電子の粒子になっておりました(汗)

>電子を使った表現で…
となるとお隣電子の空席を埋める束縛電子が磁場によって動く方向と自由電子が動く方向が逆じゃないと説明できなくなってしまいます。逆になる理由はなんなのでしょう?

とりあえず「ホールがある」という前提があればこんなことは起こらないのですが、ホールを電子の穴と考えるとn型とp型で電場が逆になってくれないのでその説明は使えないのじゃないかと…

お礼日時:2006/09/01 00:39

> ローレンツ力で束縛電子が曲がるわけではないが自由電子が曲がる方向と同じ方向に飛び移る確率は増えるということですよね?(磁場によって飛び移り先の軌道のエネルギーに差が生じると解釈すればよろしいのでしょうか。



えー、実はこういう量子力学的な解釈になると私も明確な理解は出来ていません、申し訳ない。ただし、電荷の流れは正電荷が動いているだけなので、自由電子が曲がる方向ではなく、あくまでホールが曲がる方向に合わせて束縛電子の飛び移り確率が増えるはずです。何度も言いますが、束縛電子個々はローレンツ力を受けませんから。
また、ゼーマン効果のような直接的な磁場の作用で軌道のエネルギーが変化するようなものでも無いと思うので、マクロな効果であるローレンツ力が、量子力学的にどういう作用になっているのかは良く分かりません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
頭の中が整理されました、とっても刺激的な数日間でした 笑
こんなに長いあいだ付き合っていただいて、どうもありがとうございました!!

お礼日時:2006/09/03 07:41

> >電子を使った表現で…


> となるとお隣電子の空席を埋める束縛電子が磁場によって動く方向と自由電子が動く方向が逆じゃないと説明できなくなってしまいます。逆になる理由はなんなのでしょう?

私の説明が悪いのかも知れませんが、繰り返し強調しますが、「束縛電子は伝導電子では無いので、外部磁場によるローレンツ力などでは動きません。あくまで、量子力学の法則に従って占有可能な量子準位に飛び移るだけです。」束縛電子は、隣の原子に占有可能な空席の量子状態が有って、電場の影響でそちらのエネルギーの方が低くなればその空席へ飛び移って占有するだけです。この飛び移りそのものは量子力学的な作用であって古典的な電子の移動では無く、飛び移り過程そのものに磁場の影響は有りません。
磁場は、この量子力学的な飛び移りに対する確率の差を与えるという形で影響を与えるだけです。

> とりあえず「ホールがある」という前提があればこんなことは起こらないのですが、ホールを電子の穴と考えるとn型とp型で電場が逆になってくれないのでその説明は使えないのじゃないかと…

この意味は良く分かりませんが、ここでも繰り返しますが、ホールは束縛電子の穴であって伝導電子の穴では有りません。電子の穴を埋める束縛電子は、あくまで量子力学的な飛び移りをしているだけであって、古典的な移動をしているわけでは有りませんから、ローレンツ力を受けて飛び移り方向が曲がったりはしません。あたかも電子の空席がローレンツ力を受けたような方向から来る、束縛電子の飛び移り確率が増えるだけです。
従って、電荷の流れを作るのは、伝導電子か束縛電子の穴しかないので、どちらもローレンツ力で同じ方向に力を受けて、電流の横方向に逆の電場を作るわけです。
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この回答へのお礼

>磁場は、この量子力学的な飛び移りに対する確率の差を与えるという形で影響を与えるだけです。

ローレンツ力で束縛電子が曲がるわけではないが自由電子が曲がる方向と同じ方向に飛び移る確率は増えるということですよね?(磁場によって飛び移り先の軌道のエネルギーに差が生じると解釈すればよろしいのでしょうか。)
それとも「自由電子が曲がる方向」と「束縛電子が飛び移りやすくなる方向」は逆になるのですか?電子の空席は束縛電子の飛び移り方向と逆なので、電子の空席がローレンツ力を受けたような方向へは曲がらないですよね。(No.1の方へのお礼で私が書いたような感じで。もちろんあの段階では束縛電子と自由電子の区別はついていませんでしたが、方向の考え方は同じです)


>とりあえず「ホールがある」という前提があれば…
説明がわるすぎました(汗)
すなわち電子の穴ではなく、正電荷を持つ自由電子のように動く粒子がありそれがキャリアなら、電場が逆転するはずだという意味です。(電流と磁場の向きを固定してキャリアの符号によってのみ電場は逆転するのですから。)

お礼日時:2006/09/02 09:48

No.5の質問に対する回答です。


正孔ばかりでなく、自由電子も固体の外には取り出せないと思います。
このモデルによれば、自由電子と正孔はどちらも粒子ではありません。シリコン原子の周りの電子軌道の異なる形態です。
こういう形態は勿論固体中だけのものですが、私は「実在する」と判断します。
自由電子に余分な最外殻軌道の分のエネルギー(質量)が伴っています。正孔は通常のシリコン原子の周りの状態よりも、自由電子と同じ大きさのエネルギーが少ないことになります。負のエネルギー(質量)を伴っている訳です。
私は、こういうエネルギー(質量)が偏在する状態は、「実在」していると言っていいと思います。
(他に、実在あるいは存在するという意味の説明方法はありますか?)
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この回答へのお礼

返信が遅れてしまい申し訳ございません。

d9win様がおっしゃろうとしておられるイメージは頭の中にしっかり浮かんでいると思います。イメージはつかんだので、もう一度参考書と向き合って考えてみます。式を使った定量的な理解をしたいと思います。更なる疑問ができたら新たに質問させていただきたいと思います。何度もご回答くださりありがとうございました。

お礼日時:2006/08/31 22:48

回答No2の者です。



> まず「ホール」という説明をなくして電子だけで説明できないでしょうか?
不可能では無いでしょうが、逆に非常に分かりにくくなると思いますよ。

> 個々の電子の速度が遅くローレンツ力qvBが弱くなるのはわかるのですが
えーっと、この言葉が既に勘違いだと思います。回答No2に書いてあるように、ホールの移動を電子の移動で説明しても良いですが、その電子の移動は伝導電子では無く、ホールの移動に合わせて束縛電子が隣に移動するだけで、それ以上は動きません。従って、ローレンツ力も働きません。伝導ホールは伝導電子の穴では無く束縛電子の穴であることに注意してください。
例えば、一列に左から右に並んだ10個の原子を考えてください。一番左端#1の原子には価電子が一つ足りない=ホールが1つ有ります。この#1の欠乏電子を埋めるために#2から電子が1つ移動すると、ホールが#2に移動したことになります。これを繰り返して電子欠乏が#10に移動します=ホールが#10に移動します。ホールは10原子分の移動をしましたが、電子は9個が原子一つ分隣へ移動しただけです。もちろん、ホールが移動した後の電子はもう移動はしません。
つまり、電子の欠乏=ホールは連続的に移動していきますが、電子に連続移動は有りませんから、当然電子による電荷の流れはなくローレンツ力は働きません。
これを電子に働く作用だけで考えるなら、電子欠乏を埋める時の電子の動きに対する短時間の磁場の作用を考えて、その作用を順次隣の原子で生じる作用に座標移動させていく、という作業になるのでしょうか。
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この回答へのお礼

電子のみで記述してくださり、ありがとうございます。

しかしまだわからないのですが「電子の欠乏が磁場により+x方向に動く」=「隣に移動する電子が‐x方向に動く」のじゃありませんか?
「電子欠乏を埋める時の電子の動きに対する短時間の磁場の作用=ローレンツ力」で横の原子にホッピングしている電子が‐x方向に動く確率が増えるんではないでしょうか。(こんな古典的解釈が間違ってるんでしょうか?)
隣に移動する電子にはローレンツ力が働かないとすれば磁場の影響はないのに電子の欠乏は速度が速いからローレンツ力が働く…?

私が文章を理解していないせいで話がかみ合ってないのかもしれませんが…(汗)

お礼日時:2006/08/28 22:04

電子の過不足でなく電子軌道の過不足で、自由電子と正孔を説明するモデルがあります。


シリコン等の原子は、隣り合う4原子とそれぞれ最外殻軌道の電子を共有してます(共有結合)。その状態が一番全体のエネルギーが低いそうですが、隣のある原子との共有結合がなくなり、かわりにそれぞれの電子がそれぞれの原子の際外殻軌道を回っている状況が起こることもあるでしょう。その状態で、片方の最外殻軌道電子が他方に移ったとすると、移った方は電子軌道が1つ不足し、移られた方は電子軌道が1つ余分になります。前者は+電荷を持ち、後者は-電荷を持ちます。両者は、普通は又もとの共有結合状態に戻り何も変化しないでしょうが、もしも(次に述べる移動方法に似たやり方で)両者が離れる状況が出現したならば、前者が正孔で、後者が自由電子として振る舞うというモデルです。
これらの最外殻軌道の過不足は、問題の原子対の共有結合が復活すると同時に、それらの別の隣の原子との共有結合が切れ、そこに最外殻軌道の過剰あるいは不足が現れるという形で、(最外殻電子軌道が過剰な箇所と不足している箇所が独立に)結晶中を移動することができそうです。つまり、自由電子と正孔は、最外殻電子軌道の過剰と欠落に対応していて、共有結合のネットワークのほころびと共に伝搬移動すると考える訳です。
漫画チックな説明で学生の方には勧められませんが、判りやすいので私は納得してます。
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この回答へのお礼

なるほど、表裏一体とは正孔と自由電子が対で生まれるという意味ですか。
自由電子、正孔が対では生まれない不純物ドーピングによる電子の過不足がある場合もこのモデルで説明できそうですね。

しかし結局ホールは「電子軌道の欠落」であって実在する粒子ではないということでよろしいんでしょうか?それともこういうものを固体中のみで「実在する」ものだと判断するのでしょうか。

ホールは固体外では観測不可能なのに対して電子は固体の外でも観測可能なので「電子は実在するがホールは実在しない」というのではないのでしょうか。

お礼日時:2006/08/28 21:47

私も、「動くのは「電子」なので電流の向きが決まっていればホール係数の符号が逆になるなんて有り得ない」と考えます。


正孔が電子の穴として説明できない例は他にも在ります。
このサイトの私の解答の、
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=730461(半導体の導電型判定の方法)に出てくるSeebeck効果も、電子だけでは説明できません。
半導体デバイスの動作では、正孔は自由電子と全く同等に振る舞います。自由電子と全く同じ存在感があります。次の回答も参考にして下さい。
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=258550(正孔の有効質量について)
結局、正孔は「実在せず、便宜上役立つので使う」のでなく、実際に存在すると考えるべきです。半導体物理の教科書は、ちゃんと正孔を説明するべきだと思います。
ちなみに、半導体中で負電荷を担って動くのは「自由電子」で、単なる電子ではありません。教科書では「自由電子」と電子の違いも納得できるように説明されてません。
「正孔」の説明は、「自由電子」の説明と表裏一体であろうと思います。

参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=730461, http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=258550
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この回答へのお礼

ホールは実在する…んですか。まだしっくりと納得は出来ておりませんが、もっと勉強してみます。ただ自分の中でとても新しい考えで参考になります。ありがとうございます。

伝導帯にいる電子を自由電子と呼ぶ、という解釈でよろしいでしょうか?

もしよろしければ「表裏一体」の言葉の意味を説明していただけないでしょうか?

よろしくお願いします。

お礼日時:2006/08/27 21:22

電子だけでホール効果を説明することは可能だとは思いますが得られる結果はホールを考えた場合と同じだと思います。



ホールの実在を疑っているようですが、それならば電子の実在だって同じぐらいに不確かでしょう。
自分の目で電子そのものを見たことがありますか。何らかの測定を通じてその存在を信じているのではありませんか。
ホールもその質量や移動度は測定することが出来ます。
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この回答へのお礼

可能であれば「電子だけでの説明」を聞いてみたいです、それが本来の質問ですので。

しかしホールを実在する粒子と考えたことはありませんでした、
半導体の中でのみ出てくる粒子であるので本質的な粒子とは考えづらいのではないでしょうか?移動度、質量も測定は出来てもその解釈はやはり「電子の抜けた穴と」してのもののように感じられてしまいます…

しかしNo.4の方もおっしゃるようにやはり実在すると考えるべきでしょうか…もっとたくさんの事例を勉強したいと思います、大変勉強になりました、ありがとうございます。

お礼日時:2006/08/27 18:21

ホールが動くと言うのは、実際には電子が動くことなのは正しいのですが、その動きは伝導電子のような動きでは有りません。

ホールの動きに合わせて隣の電子が順々に空席を埋めていくだけなので、電子に正味の流れはありません。当然、ホール効果でも電子は動きの取れない価電子帯の中で空席に移動出来るだけで、ホールのように電流通路の片側に蓄積されることは無いので、純粋にホールだけが電荷のキャリアーの場合には電子による電場は出来ません。
しかし、実際にはほとんどの物質で、電荷のキャリアーはホールと電子の両方が寄与しているので、ホール効果から得られる値は、電子の寄与とホールの寄与の差し引きになります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

まず「ホール」という説明をなくして電子だけで説明できないでしょうか?
個々の電子の速度が遅くローレンツ力qvBが弱くなるのはわかるのですが、今の疑問はホールという概念なしで説明できないだろうか、というものです。

よろしくお願いします。

お礼日時:2006/08/26 18:01

電流の流れる向きと電子の流れる方向は逆ですよ



昔は電気(電子)プラスからマイナスに流れると考えられていました

 所が、実際の電子が判ると・・マイナスでマイナスからプラスに移動します
 でもいままで、確立した電気の法則を使用する為に
電流の流れをプラスからマイナスにているだけです

この回答への補足

回答ありがとうございます。

それは知ってます、が電流の向きを固定してその電流を担うキャリアが電子かホールかでホール電圧が逆になるんですよね。

電流の向きを+y方向とし、磁場を+z方向にかけたとします。

キャリアが電子なら-y方向に走りローレンツ力より+x方向に曲がり電線の+x側に電子がたまり+x方向の電場が生じます。
ホールなら+y方向に走りローレンツ力よりこちらも+x方向に曲がり
逆の電場が生じる、という話です。

これをホールではなく電子で考えようとしまして。
ホールが+y方向に走るということは電子がずるずると-y方向に走るということであり、上の話と同じく電子が走ることになり電場の逆転は起こらないんじゃ?と考えたのです。

補足日時:2006/08/26 13:03
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