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1.「当世は、久米の仙人などはショッチュウ目玉をまわしていなきゃならないのさ。オレだから、がんばっていられるようなものだ。」

その久米の仙人ってなんですか?
どうして目玉をまわし泣きゃ?
どうして「おれだからがんばっていられる?

2.「だけど、和尚さん、八掛かなんか立ててくださいな。あの野クビふんづかまえて、蹴っぽらかしてくれるから。」

「八掛をたてる」ってここにどういう意味ですか?

3.「ワシもタイコクを三人もとりかえたら、その又、昔はコツやナカへ繁々と通ったものだが、当世の女流はわからん。」
「コツ」と「ナカ」って店の名前ですか?

以上、よろしくお願いいたします。

A 回答 (4件)

パンスケはパン助、パンパンの別称です。


「パンパン」とは、売春婦です。特に、第二次大戦後の日本で、アメリカの進駐軍を相手に売春をする女性を指すのですが、ソノ子はアメリカの兵隊ではなく、ふつうの日本人相手に売春をして、肺病(結核)の父親と弟妹を養っていたわけです。

この「助」というのは、ねぼうをする人を「ねぼ助」、お酒をたくさん飲む人のことを「飲み助」というように使うときの「助」ですね。

とりあえず言葉の意味さえわかれば、こういうのはいいのかな。
せっかくですから蛇足として書いておきましょう。
必要がなかったら忘れてください。

坂口安吾には、娼婦ないしはそれに近いような女性を主題にした作品が多くあります。
安吾には、女性は肉体を生きている、男性は頭と肉体に引き裂かれている、という基本的な思想があるんです。

ここでもソノ子は肉体の欲求そのままに生き、ソノ子を取り巻く男は、和尚さんも含めて、みんな引き裂かれた存在として生きることを余儀なくされています。

和尚さんは、そんなソノ子の生き方を「お尻というものが天下を行雲流水しているだけのことである」(この表現には思わず笑っちゃいましたが)と考えて、妬ましくもあり、うらやましくもあり、ついでにそのお尻に引かれる気持ちもあって、なんともかとも複雑な気持ちで彼女を見ているわけです。

そうして、この視線は、安吾自身の、自分が理想とする女性(現実にいたという意味ではなく)に向ける安吾のまなざしでもあったのだろうと思います。

社会とか、国家とか、軍隊とか、そういうのはみんな、男が、さらにいえば男の頭が創り出したものだ。戦争に負けて、男の頭が創り出したものがみんな廃墟になって、男たちはみんな途方に暮れている。そういうなか、肉体として生きる女は、その肉欲のおもむくまま、世間の決まり事やしがらみを軽々と越えて生きて行く。そういう存在に、理想の女性を見ているわけです。
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この回答へのお礼

詳しい説明してくれて助かりました。
安吾の思想まで話していただいて、もっと安吾の世界を分かってきました。今もう一度読めば、もっと楽しめる気がします。
本当に有難うございました。

お礼日時:2006/09/15 10:27

質問文を拝見していたら、突然「お寺の裏のお尻をヒッパタかれた」という文章が頭に浮かんでどうしても気になってしょうがないので、回答がすでに出ていますが、読み直してみました。



せっかく読み直したので、もうちょっと本文に即した回答をしてみましょう。

1.まず「当世」というのは、作品の舞台である戦後間もない頃のことでしょう。

久米仙人は、洗濯をしていた娘のふくらはぎを見て、目を回して雲から落っこちたわけです。ところが、きょうびの若い娘の格好ときたら、もうそれどころではない、自分だから目を回さないでいられるんだ、と自分に向かって言っているわけですが、ほんとうはそんなことではないんです。

「パンパン」(この意味は大丈夫ですね?)として生きる、と決意を固めているソノ子の生き方を、和尚さんは天晴れ、と思いつつ、その一方で、彼女の十八歳の体にいささかグラッと来ている。

それをわざと、「ソノ子」の肉体に引かれる自分の気持ちを、きょうびの女性全般の格好に話をすり替え、久米仙人を持ち出して、自分なら大丈夫、と、強がりつつ、微妙な気持ちを慰めているわけです。

2.漬物屋の息子、吾吉が行方不明になった。その行方を「八卦をかけて」占ってくださいな、とオカミサンが言っているわけです。

3.ソノ子に使った三十万が恨めしく、未練が残って成仏できない(和尚さんがお経をケチったせい?)吾吉の骨を拝むように言う和尚さんに、ソノ子は「私はイヤです。拝むなんて」と言いますね。世の中を憎んでやる、というソノ子に、和尚さんは、好きな人はいるのかい? と聞く。

「大きなお世話だわ」と答えるソノ子に続く、和尚さんの言葉です。

ここでの「女流」は「女性」のこと。
ダイコクは和尚さんの奥さん。この和尚さんは、奥さんを三人もとりかえたり、岡場所や吉原(どういうところかわかりますね?)に通って、女性のことはずいぶん詳しいと思っていたけれど、いまふうに言ってしまえば「若い女の子の気持ちはわからない」と言っているわけです。だから、教えてもらいたい、と。

この回答への補足

もうひとつ聞きたいですけど、「パンスケ」って特別な意味がありますか?「パン」って「ひっぱたれた音」で、「スケ」って「助」だと思うけど、違いますか?

補足日時:2006/09/14 10:56
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この回答へのお礼

有難うございます。外国人の私にとって日本語って本当に難しいです。ここにあなたのように説明していただくお方がいてよかった。ありがとうございました。

お礼日時:2006/09/14 10:55

横から補足させていただきます。



3.
「コツ」は南千住にあった岡場所です。
岡場所というのは、正式の認可を受けていない遊郭です。

「ナカ」は吉原です。こちらは正式の遊郭ですね。
「北」とか「北国」とか言われることもありました。

ところで、「タイコク」ではなく、「ダイコク」ではありませんか。
寺の住職の妻のことをそう呼びます。
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この回答へのお礼

説明していただいて有難うございました。

お礼日時:2006/09/13 12:09

tieko40さんは読書が好きなんですね、質問の中身から未だお若いと思います、がんばって沢山読んで下さい。



ところで、昔から「読書百遍自ずから意通ず」(どくしょひゃっぺんおのずからいつうず)と言います。
つまり、判らない言葉や文にであっても何度も何度も読んでいると前後の文脈から何となくこういう意味ではないかと浮かんできます。
こういう読み方は非常に頭の訓練になります。

この次質問するときは「○○について私はこのように思うのですが皆さんのご意見を聞かせて下さい」という風に書かれると答える方も張り合いがでます。

と一言言って置いて、質問に答えましょう。

【久米の仙人】とは、様々な修行を積んで迷いや欲望を克服出来たはずの仙人が雲に乗って飛んでいるときフト下を見たら若い女の人が白い足を出して川で洗濯していました。久米はムラムラと欲情し、今まで持っていた神通力(超能力)が消えて落ちてしまった。
という話しを引き合いに出して、今時の女の人の有り様を皮肉ったのです。
http://homepage3.nifty.com/hakuhou/kume.htm

【オレだからがんばっていられる】
自分にスケベ心がないと強調しているのです。

【八掛をたてる】
八掛占いという占いです。
(当たるも八掛当たらぬも八掛などと言うでしょ)

【コツやナカ】
遊郭(ゆうかく)のことを言います。
今で言えば「フーゾク」でしょうか。
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この回答へのお礼

本当に何度も読んでも分からないところがたくさんあります。説明とアドバイスをいただいて有難うございます。勉強になりました。

お礼日時:2006/09/13 12:02

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