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有機化学でSN1,SN2,E1,E2反応などを教わるのですが
SN1とSN2 E1とE2の違いがいまひとつはっきりしません。
1では反応が2段階あり、2では遷移状態がある
というぐらいの解釈でよろしいのでしょうか?

A 回答 (7件)

milkflourさんが天然化合物の全合成でもおやりにならない限り、何十種類もの試薬の特性を記憶される必要は無いと思いますよ。


私も全合成はしていないので、そちらの専門の方からは異なる意見が出るかとは思いますが。

どんな試薬でも、基本となる反応をきちんと理解できていれば、その反応性は容易に理解できます。
今は、いろんな試薬や個々の反応を暗記しようとするのではなく、教科書に記載されている反応を一つ一つ抑えていってください。
今回質問された四つの反応と、求核剤および塩基という二種類の試薬の分類は非常に重要な概念です。
繰り返しますが、化学において個々の試薬を一つ一つ覚えていては脳のメモリーの無駄遣いです。
重要な概念についてしっかりと理解しておけば、初見の試薬が出てきても、その働きや反応機構について考えることができます。

一有機屋としては、今回の質問されたあたりの話を理解されれば、この先に広大な有機合成反応の沃野が広がっていて楽しいと思います。
頑張ってください。
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No.3へのお礼に書いてあることが気になったので再びコメントしておきます。



遷移状態は中間体や生成物ができるまでの”間の期間”を呼ぶのではありません。
反応のエネルギー曲線を高校化学(化学II)でも見たことがあると思います。反応物と生成物の間にエネルギーの山(活性化エネルギー)がある絵です。
遷移状態とは、エネルギーの山のてっぺんの状態のことです。
遷移状態にある分子の寿命はきわめて短く、その直接観測は非常に困難です。

現在のところ、われわれが有機化学反応の遷移状態を直接観測することは実験的には困難です。それでも、Hammond仮説に基づいた推測(有機化学で習うと思います)や、最近では理論計算によって遷移状態の構造について情報を得ることができます。

よりきちんとした説明は、反応速度論で習うと思います。

遷移状態の直接観測に関しては、物理化学のトピックのひとつである超高速分光法の発展に伴ってごく最近になって可能になってきたようです。
私も分野外なので詳しくは分かりませんが、フェムト秒からアト秒レベルのレーザーパルスによって、ある種の反応の遷移状態(あるいはそれに非常に近い構造)が観測されているようです。
これについても、物理化学の先生の講義で習うことでしょう。

↓Wikipediaの遷移状態の話
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%B7%E7%A7%BB% …
↓最近退官されましたけど、日本の超高速分光のトップの一人でしょう
http://femto.phys.s.u-tokyo.ac.jp/ja/index.php

ついでにコメントしておきます。
塩基と求核剤は、w-palaceさんのコメントのように、反応の形式を区別しているだけです。同じ物質でも、どちらにもなり得ます。
例えば、NaOEtは塩基として働きますが、求核剤として働いて相手をEtO化することもおきるわけです。
原理的には、塩基も求核剤も、相手のプラスの電荷を帯びた場所を攻撃するという意味では同じタイプの反応剤なのです。
塩基なら正に分極した水素原子、求核剤なら正に分極した炭素原子を攻撃しますよね。
しかし、実際に実験をするうえで、塩基として使ったのに求核剤になったりされては困ります。
どちらかの性質だけをうまく利用しようという考えのもと、さまざまなタイプの塩基(あるいは求核剤)が作られて利用されています。
強塩基だけど求核攻撃はしない、あるいは強い求核剤だけど塩基性は低い、といった試薬がたくさんあります。
前者の代表例はリチウムジイソプロピルアミドに代表される金属アミドでしょうか。
後者だと有機銅試薬などがそれに当たるかと思います。
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この回答へのお礼

毎回私の些細な質問に対し詳しい解説 リンク等
ありがとうございます。
有機化学では述べられたとおり さまざまに特化した試薬が
多いので努力して 確実に覚えていきたいです

お礼日時:2006/09/26 12:01

補足です。

塩基と求核剤というのは、物質の種類というよりも作用が違うと思って下さい。
求核剤というのは炭素を攻撃します。
それに対して、塩基(ブレンステッド塩基)はHを攻撃し、それを奪う作用をします。
 
   Br
   ┃
ーCーC<
 ┃ ↑
 H 求核剤が攻撃(SN2)
 ↑
塩基が攻撃(E2)
 
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この回答へのお礼

お答えありがとうございます。
おっしゃるとおり、塩基性も求核性も高い
試薬だったり、片方が高いが一方は低いものだったり、
求核性と塩基性は違うことがわかりました

お礼日時:2006/09/26 12:04

反応機構に関しては、これまでに書かれていることで尽くされているように思いますが、これらを比較する場合には反応条件の違いを認識することが必要です。


それを行わなければE1とE2の区別が困難ですよね。

つまり、SN2とE2の場合には、反応系内に強い求核剤や塩基が存在します。つまり、反応式に、NaOH(あるいはOH-)やC2H5ONa(あるいはC2H5O-)が書かれています。
それに対して、SN1とE1は加溶媒分解条件で進みます。すなわち、H20やC2H5OHなどの溶媒が書かれているのみで、上記のような強い塩基や求核剤は書かれていません。
たとえば、
Cl-C(CH3)3 + NaOH → CH2=C(CH3)2 + NaCl + H2O
と書かれていればE2ですし、
Cl-C(CH3)3 (C2H5OH)→ CH2=C(CH3)2 + HCl :(C2H5OH)は溶媒
のように書かれていればE1ということになります。

SN2とSN1の違いについても同様です。

この回答への補足

お返事ありがとうございます
再び質問申し訳ないのですが、
E2では求核試薬ではなく塩基が用いられるのですか?

補足日時:2006/09/24 09:32
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カルボカチオンのことについて、No.1に付け足しておきます。



SN1やE1反応では中間体としてカルボカチオン(正確にはカルベニウムイオンと呼びますが)が発生します。
この化合物は短いながらもある程度の寿命を持っていて、この化合物を起点にいろんな反応が起こりえます。

求核剤が攻撃してSN1、塩基が攻撃してE1が起こります。
このほか、分子内でプロトンを含め種々の置換基が転位したり、分子内のアルケンや酸素・窒素原子が攻撃してきて環構造ができ、元の化合物骨格と異なった分子になったりもします。

このようないろんなことが起こりえますので、SN1やりたかったのにアルケンができちゃった、とか、転位のせいで欲しいものと違うものができた、なんてこともありえます。

その一方で、良い前駆体を設計できれば分子内の1点に発生したカルボカチオンからカスケードで複雑な環構造を作ることもできたりします。
ステロイド骨格をこの戦略で一気に構築するという合成が30年以上前に報告されてます。

基礎を身につけられたら、転位反応を含めて合成への応用を調べてみられるとおもしろいと思いますよ。
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この回答へのお礼

お返事ありがとうございます遷移状態とは
中間体や生成物ができるまでの間の期間なのですね。
もう少し深く学んで応用にも挑戦したいです

お礼日時:2006/09/24 09:31

SN1は遷移状態で1分子がかかわる求核置換反応、SN2は遷移状態で2分子がかかわる求核置換反応、E1は、遷移状態で1分子がかかわる求電子置換反応、E2は遷移状態で2分子がかかわる求電子置換反応だったと思います。

有機化学の本を参照してください。
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この回答へのお礼

お答えありがとうございます
教科書を見直して 各単語の意味を再確認してみます。

お礼日時:2006/09/24 09:29

反応が2段階、という言い方もできるかとは思いますが、一般的には中間体が存在するといいます>SN1, E1


どちらの反応でも、最初に脱離基が外れてカルボカチオン中間体が発生しますね。
このカルボカチオンに対し、求核剤(SN1)や塩基(E1)が攻撃することで、最終生成物の置換体やアルケンができます。

一方、SN2やE2だと、脱離基が外れ始めるのと、求核剤・塩基が攻撃し始めるのは同時におきます。ですから、中間体のカルボカチオンに相当するものは生成しません。

>2では遷移状態がある
これはちょっと正確ではないですね。
SN1やE1でも、出発物質からカルボカチオンが生成する反応には遷移状態が間にあります。その次の、カルボカチオンと求核剤・塩基が反応する段階にも遷移状態があります。
どんな反応でも、ポテンシャルエネルギー面を描いてみると、最初と最後の間に遷移状態があります。
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