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被膜などを作製する場合、堆積させる基板の温度、
または作製された被膜を熱処理することで結晶化を得るというのはよく知られていると思います。
しかしその結晶化する理由として、「熱を与えることで被膜中の分子に熱エネルギーが与えられて
その結果結晶化する」くらいの知識しかありません。
熱を与えることによって結晶化が促進されて理由をもう少し詳しく知りたいので
どなたかご教授願いますm(__)m

A 回答 (3件)

アニールや基板温度による結晶化のプロセスには2通り有ります。



1.安定相への移行の促進
 回答1でも述べられているように、本来、室温でエネルギー的に安定な平衡相への移行の促進。手法によっても違いますが、ほとんどの気相法による薄膜作製では、物質は高温状態(蒸気状)から急速に低温(室温)まで急冷(クウェンチ)されます。そのために、本来は室温では不安定なはずの構造(例えばアモルファス構造)のまま凍結されてしまいます。この薄膜に熱を加えることで原子が動きやすくなり、準安定状態に留まっている原子が、その束縛を離れて、もっとエネルギーの低い安定状態の配置へと再配列を行えるわけです。
 基板温度を上げる場合には、上述のクウェンチ速度がゆるめられて、基板到達後の原子がしばらく動き回れるエネルギーを持つので、安定状態の結晶構造を形成しやすくなります。
 回答2の説明に有る、微結晶や表面で融点が低下するのは事実ですが、結晶化のためのアニールには融解までさせる必要は有りません。

2.高温相のクウェンチ
 これは、上の場合とは逆で、室温付近では別の構造が安定な物質に対して、基板温度を上げたり高温アニールして一度高温で安定な結晶構造を形成させた後、室温にクウェンチすることで高温相の結晶構造を保持するケースです。
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この回答へのお礼

わかりやすいご回答ありがとうござました。

お礼日時:2007/02/02 23:58

液体・固体には表面エネルギー(=表面張力)があることはご存知と思います。

その結果微小な粒子(微粉、霧、Depositionしたてのめっきなど)ほどバルク状態よりも相対的に表面積が大きく、余分のエネルギーを持つことになります。また、その表面エネルギーの効果で、バルク状態の時よりも融点は低くなります。(融点降下と粒子径の関係はナノテクの本でも参照してください。)
ですから、微粒子はバルク金属よりもずっと低い温度で融解します。一旦融解してしまえば、表面積は小さい方が熱力学的に有利ですので、大きな結晶を成長させます。それがアニールの効果です。
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この回答へのお礼

わかりやすいご回答ありがとうございました。

お礼日時:2007/02/02 23:59

アモルファスが結晶化するのは、加熱した際の温度において結晶であるほうが自由エネルギーが低いからです。

よって平衡論的には結晶になるはずです。実際に結晶化が起こるためには、結晶核の形成と、その成長が必要で、これらの速度は温度によって異なっています。
さて本題ですが、ある温度において結晶化が促進されるのは、理由の一つとして温度が高いほど、イオンなどの拡散が速くなるため成長速度が増加するということが挙げられます。(高温すぎると逆に遅くなる。)
さらに詳細はガラスの本を読むと分かり易いですよ。
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この回答へのお礼

ガラスの本読みました。なかなか参考になりますね、ありがとうございました。

お礼日時:2007/02/02 23:59

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