No.6ベストアンサー
- 回答日時:
深くは分かりませんが、素朴に考えて、力学系の中でも「保存系」と呼ばれている類の問題は、平衡統計力学として読みかえることができるのではないでしょうか。
システムを特徴付けている保存量を秩序変数として採用すれば、物理系を表現可能でしょう。。。。もう少しいうと、stationary system(電気回路やシュレディンガ方程式がこれに当たる)は問題設定によっては、開放系の扱いもできるかもしれませんが。。。。。詳しくは分かりません。もし数学的なロジックの話でしたら、まったく違う公理系である「力学系」と「確率論(統計学)」を結び付けるのは難しいと思います。しかし実際必要な、実験事実を説明するためのすっきりした理論体系を作るのでしたら、特に平衡系の実験だったら、力学系とつなげないで解釈したほうがいいかもしれません。それよりは観測値の統計処理としての理論と統計力学の関係も面白いかもしれませんよ。
質問と直接は関係ないのですが、またここの皆さんには当たり前のことですが、解析力学のメリットは、Newtonの運動方程式に比べて、システマティックに見えますが、本当のご利益は、ベクトル量ではなくスカラー量を前面に扱うことだと思います。出展先が見えそうですが、観測者が用意した座標系に寄らずに(相対的な原点は必要としますが)、物理系を表現できるところが協力で、座標系(の目盛)がとりにくい量子系の拡張に成功していますよね。だからもし考えやすい場合を除いて、解析力学で考えてみてはどうでしょうか。「凸解析」という強力な方法も使えるようなので。。。。
ではでは、、
No.5
- 回答日時:
他の方との議論を経て、私もいろいろと疑問が起こってきましたが…、
古典力学で、散逸などのない場合ではHamitonianは
H(q p)=Σp・dq/dt -L
として変数を (q qdot)->( q p)に変換したものです。
ここでpはLagrangainをqドットで偏微分したもので定義します。
そもそもの疑問である、Hamiltonian形式以外での
統計力学の話ですが、ファインマンの書いた経路積分の教科書など
をよむと、各軌道ごとに確率を与えて、その積分をして物理量の
平均値を計算するという方法がでています。
量子力学だけでなく、統計力学にもふれられています。
Lagrangian形式はじめてるので、ニュートン力学ベースとは少し違いますが、Lagrangian形式なので、位置と速度での記述になってると推測します。
vlaskoさんのもともとの疑問には何らかのヒントになるかもしれません。
あまりお役にたてなくてすみませんが、興味があればご参照ください。
No.4
- 回答日時:
>ちょっと思ったのですが、ハミルトニアンに速度という時間にあらわに依存
>する物理量を導入すると考えてみます。そうするとハミルトニアンの空間に
>時間軸が導入されます。時間は一方向に無限に流れるので、調和振動子の回
>帰する物理現象でもトラジェクトリーが閉曲線になりません(周期関数です
>が)。それより時間を相空間の接線ベクトルとして組み込んだほうが、運動
>の周期性がトラジェクトリーの閉曲線に自然に反映されるという考えはどう
>でしょうか。
>それなら、時間微分の速さより運動量のほうが有用ですよね。解説おねがい
>します。
すみません。おっしゃっている意味というか考えている状況
が今一つ理解できません。
一般化運動量の代わりに速度を用いるということでしょうか?
また、調和振動子でトラジェクトリが閉曲線にならないというのも
どういう状況を想定してるのでしょうか?
Hamiltonianが時間に陽に依存するという状況?
ごめんなさい。もう少し説明お願いします。
あるいは、相当推測で書きますが、
一般化座標を用いたHamiltonian形式の力学における、
運動量と位置で力学的状態を記述するという方法でなく、
位置の時間変化(つまり軌跡)で力学的な状態を記載する
ようなことを考えると、周期関数でもトラジェクトリが閉曲線にならない。
これより、周期性がトラジェクトリが閉じることで見て取れる記述
の方が自然だということでしょうか?
回答ありがとうございます。その推測のとおりです。調和振動子を縦軸に変位、横軸に時間をとるとy=Asin(x-vt)の形になりますが、これだとxy平面で
閉曲線にならないから統計力学の状態数などが定義できなくなりますよね。
だからハミルトン形式は優れているのではないかと思いました。
教科書などではいきなり天下りでハミルトニアン形式が与えられていて、その導入理由を考えてみました。解説お願いします。いつもすみません。
No.3
- 回答日時:
>ちょっと疑問なのですが、ニュートンの運動方程式に相空間の考え方>が出てこないのはなぜでしょうか。
運動量を時間微分で表現するかし>ないかの違いですが…あまり、深く考えたことはないのですけど、ニュートンの運動方程式だと、粒子数と同じだけの方程式をかんがえないといけない。
一方、統計力学の目的として多粒子系の状態を扱う必要があり、そのために全粒子の位置と運動量を指定することで系のミクロな状態を表現し、それと系のマクロな(熱力学的な)状態を結ばないといけない。
全粒子の位置と運動量で表示された状態の時間を発展を追うのに、粒子数と同じ数のニュートン方程式を考えるのと、
一つのHamitonianを考えるのとどちらが都合がよいか?ということだと思います。
もしニュートン力学で、全粒子の座標とその時間微分を一まとめとして相空間を構成して、その時間発展の方程式を立てるということをすると、おそらくHamiltonianの力学と同じようなものを結果的に作ってしまうのではないか?と思います。
この回答への補足
ちょっと思ったのですが、ハミルトニアンに速度という時間にあらわに依存する物理量を導入すると考えてみます。そうするとハミルトニアンの空間に時間軸が導入されます。時間は一方向に無限に流れるので、調和振動子の回帰する物理現象でもトラジェクトリーが閉曲線になりません(周期関数ですが)。それより時間を相空間の接線ベクトルとして組み込んだほうが、運動の周期性がトラジェクトリーの閉曲線に自然に反映されるという考えはどうでしょうか。
それなら、時間微分の速さより運動量のほうが有用ですよね。解説おねがいします。
回答ありがとうございます。「全粒子の位置と運動量で表示された状態の時間を発展を追うのに、粒子数と同じ数のニュートン方程式を考えるのと、
一つのHamitonianを考えるのとどちらが都合がよいか?ということだと思います。」、たしかにそのとうりですね。相空間は素晴らしい考え方です。閉曲線のトラジェクトリーが相空間を埋め尽くすという、エルゴート仮説には感動しました。
No.2
- 回答日時:
難しい質問ですね。
私は難しいのかなと思います。統計力学の基礎を与える仮設や定理がいくつかあります。
多体系の位置運動量の振る舞いを確率としてとらえていいことの根拠として(つまり確率空間の性質を満たすことを保証する)ための
Liuvileの定理があります。時間的な変化をアンサンブルとして
とらてしまうということの保証というか仮定としてのエルゴード仮設。エネルギー等重率の仮定など。
これらは既に相空間という概念の上に出来上がってるものですので、
相空間という概念をもたないニュートン力学で定式化するのは
難しいと思います。まったく新しい概念新しい定式化を考えれば別ですが、私は聞いた事はありません。
Lagrangianによる定式化はあるようですが、あるようだ、以上はよく知りません。
この回答への補足
ちょっと疑問なのですが、ニュートンの運動方程式に相空間の考え方が出てこないのはなぜでしょうか。運動量を時間微分で表現するかしないかの違いですが…
補足日時:2007/04/29 19:42回答ありがとうございます。リビウルの定理にそんな意味があるとは知りませんでした。やはり統計力学は相空間という概念なしにはできないのですね。
奥が深いです。
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