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赤、黄、緑などのLEDの発光スペクトルの特性は非常にシャープになるのに硫化カドミニウムや太陽電池などの分光特性は非常にブロードになるのはなぜなのでしょうか。
この違いがどこからくるか分かりません。教えていただけないでしょうか。

A 回答 (2件)

半導体におけるエネルギーバンド間の再結合においては、熱(格子振動)あるいは光(光子)としてエネルギーが放出されます。

LEDなどが用いている直接遷移型の半導体の発光再結合においては、光子(フォトン)の運動量というのはほとんどありませんのでエネルギーは広がることなく、エネルギーバンド端のEcとEvの差(禁制帯幅)に相当する光子が放出されます。

一方、シリコンなどの間接遷移型の単結晶の光吸収特性は、格子振動(フォノン)との相互作用により生じますので、幅広い範囲で吸収が起きるのだと思います。但し、禁制帯幅よりも小さな光子は吸収できません。

ちなみに、シリコンの禁制帯幅よりも小さなエネルギーしか持たない光(光子)は吸収されることなく通過してしまい、このことから太陽光からどれだけ頑張っても理論的には約1/4程度しか吸収できません。

硫化カドミウムは詳しく知りませんが、おそらく微結晶が集まってできた結晶の場合、結晶界面付近に結晶粒界と呼ばれる不純物などの析出がありそれらが結晶欠陥の一つである表面準位を広いエネルギー範囲に形成していると思います。禁制帯内に形成されたこれらの欠陥準位と遷移先の準位の差は、吸収される光子のエネルギーに相当しますので、結果的に広い波長範囲に対して吸収できることになるのだと思います。色中心と呼ばれる欠陥準位が形成されていることになります。

ちなみに、この波長特性が人間の肉眼の感度特性に似ていたために、照度計などに利用されていたと思います。
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この回答へのお礼

丁寧にありがとうございます。納得できました。

お礼日時:2007/06/14 14:43

ごく大雑把に言えば,光半導体で,あるエネルギーギャップΔEを使うとき,


発光素子の場合:hν=ΔEの光が出てくる(周波数νがΔEと1:1に対応する)ので,線スペクトル
受光素子の場合:hν>ΔEなら,光子のエネルギー(の一部)を使って,遷移することができる.このため,広い範囲の光に対して感度がある.(ΔEは波長の下限に関係するだけ)
ということかと思います.
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この回答へのお礼

納得できました。ありがとうございました。

お礼日時:2007/06/14 14:44

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