『ゲノム情報が未解読の微生物からアミノアシルtRNA合成酵素をコードする遺伝子Aの部分塩基配列が得られた。
この微生物のゲノムDNAライブラリから遺伝子Aの全長クローンを取得するまでの流れを説明せよ』という問題です。
私の考えでは、
既知の塩基配列からDNAプローブを合成して、cDNAライブラリとハイブリッド形成させれば全長クローンを得られると思うのです。
しかしこの問題ではcDNAライブラリではなくゲノムDNAライブラリから得よとのこと。。
ゲノムDNAライブラリだと、
既知の塩基配列からDNAプローブを合成してハイブリッド形成させても遺伝子Aの一部とイントロン部分を得ることになり、全長は得られないと思うのですが…
こういう場合は何か違う方法があるのでしょうか??
わかる方いらっしゃいましたら是非教えていただきたいです!
よろしくおねがいします!!
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
>これは、1回目とは異なる制限酵素で処理して作成したDNAライブラリを用いるのでしょうか?1回目と同じライブラリで良いんですか?
普通は同じライブラリでやります。ライブラリの作り方を勉強してもらうとわかると思いますが、ゲノムDNAを断片化するときはなるべくランダムに切れるようにします。一般的には認識配列の頻度が高い4塩基認識の制限酵素を使って、(完全消化でなく)部分消化します(超音波やDNase Iでランダムに切断するという方法もあります)。こうすると各々の認識配列について、切れているDNA分子と切れていないDNA分子が生じ、それぞれのクローンに両側にオーバーラップするクローンが存在するというライブラリができます。
>全長が得られた、というのはどうやって判断するんでしょうか?
そこまでの解答は求められていないとは思いますが、実際、未知の遺伝子の場合どういうことがおこなわれるかというと、求められる精度にもよりますが、
転写開始点、終結点を決定する。簡単にはcDNAの末端がどこに位置しているかをしらべたり、ゲノムクローンの断片でNorthernをしてどの断片で目的の転写産物が検出されるかで見当がつきます。転写開始点は正確にやるならprimer extensionなどの手法が使われます。塩基配列から推定するという場合もあります。
転写調節領域を調べる。転写開始点がわかれば、プロモータ配列の推定、実証実験は比較的容易です。しかし、転写エンハンサーは位置が予測できないので、周辺のいろいろな配列のエンハンサー活性を調べなければなりません(主として真核生物の場合ですが)。
>制限酵素を使って、(完全消化でなく)部分消化
完全消化だと思っていました。部分消化ならばかなり納得です。
後半部分も細かい回答ありがとうございます!
勉強中に多発する疑問を、解決できてすっきりしました。
No.2
- 回答日時:
>既知の塩基配列からDNAプローブを合成して、cDNAライブラリとハイブリッド形成させれば全長クローンを得られると思うのです。
それはあくまでもmRNAを反映したcDNAをとるということで、遺伝子の全長を取ることにはなりませんね。イントロンも、alternative exonもさらには、転写調節配列も含んだものが遺伝子です。じゃあ未知の遺伝子の始まりと終わりはどこか、というのを確定するのはかなりやっかいで一筋縄ではいかないところがあるのですが、この問題ではそこのところは問うていないと思います。
おそらく、出題者の意図した答えは、
「得られた配列をプローブにしてゲノムライブラリーをスクリーニングする。得られたクローンの末端の配列をプローブにしてさらにゲノムライブラリーをスクリーニング(walking)し、これを遺伝子全長が得られるまで繰り返す。」
>イントロンも、alternative exonもさらには、転写調節配列も含んだものが遺伝子
そうなんですか!そこを勘違いしていました。
スプライシング後に残ったもの(エキソン部分)を遺伝子というのだと今まで思っていたんですが、ちがうんですね。認識し直します。
>得られたクローンの末端の配列をプローブにしてさらにゲノムライブラリーをスクリーニング(walking)し、
これは、1回目とは異なる制限酵素で処理して作成したDNAライブラリを用いるのでしょうか?1回目と同じライブラリで良いんですか?
>遺伝子全長が得られるまで繰り返す
全長が得られた、というのはどうやって判断するんでしょうか?
質問ばかりで申し訳ありません。
親切な回答ありがとうございます。
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