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債務不履行による損害賠償については、損害賠償の範囲の議論はあるものの不法行為による損害賠償のように財産的損害・精神的損害、積極的損害・消極的損害等の議論がないのは何故なのでしょうか?

また、債務不履行による損害賠償では、債務不履行による精神的損害は賠償の対象にはならないのでしょうか?

A 回答 (3件)

#2です。



>両者はある意味で相互補完的ということが出来るのでしょうか?

ではなくて、単純に「損害賠償」という一般的な法的効果(すなわち原因が債務不履行であると不法行為であるとを問わない)における損害の種類は原因によらず同じ分類ができ、かつ、原因によって賠償の対象となる損害の種類を区別する必要はないというだけの話です。

損害の種類とはすなわち、物的損害、精神的損害という分類であり、物的損害を更に積極損害、消極損害という分類をするのはほとんど異論がありません。ここで積極損害、消極損害という概念は法文上の規定としてはそもそも不法行為にもありません。単純に「理論上」そういう分類ができるという話です。

条文的に問題になりうるのは、不法行為には慰謝料の規定があるのに債務不履行にはないというだけの話ですが、これも「範囲に」若干の異同はあっても原因によらず認められるというのが判例通説。条文上の根拠としては710条類推適用という形式にはなりますが、理論的実質は「不法行為と債務不履行を区別する必要はないという結論が先に出ていて、形式論として条文上の根拠として710条を引っ張ってきているだけ」です。

つまり、「相互補完」とかなんとかではなくて損害賠償の実質に関する理論的考察が先にあり、損害賠償の生じる原因によって実質を区別しているわけでないということです。その意味においては、不法行為の賠償範囲についての416条の類推適用も「同じという理論的結論が先にあって後から形式的根拠として条文の適用を論じているだけ」なのです。

ところで範囲の問題と種類の問題は一応別です。種類とは「損害をその性質によって分類したもの」であり、範囲とは「法律上どこまでの損害を賠償させるのが妥当かといういわゆる相当因果関係論の問題」です。
そして、損害賠償という同一の法的効果について債務不履行と不法行為を区別する必要は特にないので「統一的」に理解し、種類も範囲も基本的には同じと考えるのが判例通説です。

ちなみに711条を債務不履行に類推適用しないというのが判例でこの点においては確かに「範囲」が債務不履行と不法行為とでは異なるということになります。
このように個別の規定によって若干の異同は生じますがそれは基本的な損害賠償の種類ないし範囲の問題から見れば個別の修正規定でしかないのです。

なお、我妻榮 有泉亨 著「民法(いわゆるダットサン民法)2債権法」を見ても、「種類」の説明は「債務不履行責任の項」に書いてあります。決して「債務不履行による損害賠償で損害の種類による区別が議論にならない」わけではないのです。

#正直に言えば、今まで読んだ一般の基本書の不法行為の説明が債務不履行責任と区別して損害の種類を格別問題視しているとは思えないので、そもそも質問のような疑問がどこから出てくるのか私には理解できません。一人でも区別しない人(しかもそれが天下の我妻先生)がいる以上、「区別した上で、一方では問題にしてもう一方では問題にしない」という話が一般論として成り立たないのは明らかです。
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この回答へのお礼

回答有難うございました。
お礼が遅くなって失礼しました。
システムについて勘違いをしておりました。

お礼日時:2008/04/23 00:46

ありますよ。



例えば内田貴著「民法III 債権総論・担保物権」に、
「損害は,大別すると(中略)財産的損害と(中略)非財産的損害(精神的損害)とがあり,前者は(中略)積極的損害(中略)と,(中略)消極的損害(中略)を含む.(中略)非財産的損害については,(中略)明文の規定がない.しかし,これも認められると解されている.」
という記述のあるとおり。

判例的には、近親者の慰謝料請求権について定める711条は類推適用しないというものがあるだけです。

この回答への補足

回答有難うございます。
「債務不履行による損害賠償」の範囲を規定する相当因果関係については、「不法行為による損害賠償」の範囲について準用されるみたいですが、逆に「損害の種類」については、「不法行為による損害賠償」での損害の種類が「債務不履行による損害」について準用されるということでしょうか?
つまり、両者はある意味で相互補完的ということが出来るのでしょうか?

補足日時:2007/09/22 07:15
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債務不履行による損害賠償の範囲が決まっているからです。


債務不履行による損害賠償とは、債務の本旨に従った履行をしない場合に損害賠償を認める規定であって、債務不履行による精神的損害はその範囲外になるということ。
また、民416条に債務不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずるべき損害の賠償をさせることをその目的と定めているので精神的損害が、通常生ずるべき損害とは認めていないためです。
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この回答へのお礼

回答有難うございました。
お礼が遅くなって失礼しました。
システムについて勘違いをしておりました。

お礼日時:2008/04/23 00:47

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