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先日、同カテで回答していて自身、気付いたことがあります。

それは調性のことです。
バッハの有名な無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番(BWV1001)なのですが、全曲通してその響きは明らかにGを主調としたト短調ですが、楽譜は♭一つになっています??
ト短調は♭二つの筈。(一つというのはニ短調では?)
お分かりの方、是非ご教示ください。

A 回答 (4件)

バロック時代の記譜法の名残のようです。


ほかの方も回答しているとおり、当時はこのような、現代の理論で必要とされる調号より少ない調号(たとえばト短調なら♭一つ)しか書かないというような記譜法は決して珍しいことではありませんでした。
バッハでもう一例挙げれば、「ドリア旋法」と名付けられた「トッカータとフーガ BWV538」は実質的にはニ短調の曲ですが、調号は付いておらず、シの♭は必要に応じて臨時記号として処理されています。

こうした記譜法の理由についてネット等で調べると、以下のような記述が見つかりました。

・ドリア旋法との関連
・当時の音楽家の間には、教会旋法が基礎になるべきだという考え方が残っていた
・短音階に必要な臨時記号のうちのどれが調号に属するべきか、統一的な考え方が確立されていなかった

バッハの無伴奏ソナタについての解釈書が日本語でも出版されていたように思うのですが、買おうと思いながらまだ入手していないので、出典不明のことしか書けずすみません。
何かの参考になれば。

蛇足かもしれませんが、教会旋法におけるドリア旋法について簡単に触れておきます。
ドリア旋法は、ピアノの白鍵でいえば「レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ」にあたる音階です。
これをGから始めると「ソ・ラ・♭シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ」となり、♭が付くのはシだけになります。
つまり、Gを基音とする短調とドリア調の違いは、第6音(ミ)に♭が付くか否か、ということだけです。
このため、実際にはドリア調の曲でも第6音に臨時の♭が付いて短調化している例は少なくありません。

ただし、この曲の場合は、ドリア旋法で書かれているというよりも、あくまでも記譜上の習慣であると説明されるほうが一般的なようです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>ドリア旋法で書かれているというよりも、あくまでも記譜上の習慣である

おそらくこれでしょうね・・・

お礼日時:2008/09/05 14:45

♭ひとつですがト短調です。


始めの和音と最後の和音でも,
1小節目の下りの音階でも明らかです。
以前に同内容の回答をしていますので,
以下は,そこからのコピーです。

教会旋法の名残りなのか,
平均律の考えがまだ十分に確立されていないためなのか,
理由はよく分からないのですが,
フラット系の短調や
シャープ系の長調では
本来の調号から♭や♯をひとつ少なくして書く習慣があったようです。
ニ短調なら調号なし,ト短調なら♭ひとつということになります。

下記ページの下段の方にバッハの小フーガト短調の楽譜が載っています。
ト短調ですが♭はひとつです。
http://www7.plala.or.jp/machikun/fupuea.htm

臨時記号が必要になりますが,
これも現在と違って同小節内なら有効な音符にも
ひとつひとつ臨時記号が付けられていたようです。
市販譜では見易くするために
不必要な臨時記号の繰り返しは省略(編集)されています。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2008/09/03 23:07

 


 楽興的趣向 ~ 演奏者だけに通じる表記 ~
 
 この質問の趣旨は、ネットや下記文献でも発見できませんでした。
── 門馬 直美《名曲解説全集10 19620425 音楽之友社》P177-195
 とてもユニークな指摘だと思います(以下は、わたしの仮説です)。
 
 無伴奏なので、共演者・伴奏者との調性を統一確認する必要がない。
 演奏者ならト短調が主調であることは一目瞭然。第一小節の第3音が
Eフラット、第17音がEナチュラルであることに、注意を喚起させた。
 
 第一楽章はニ短調に転調し、ハ短調を経てト短調に戻る。第二楽章は
属音に始まり、第三楽章を(平凡な関係調でなく)変ロ長調としている。
 このような趣向を演奏者に示唆し、全楽章に共通の記号で表記した。
 
 のちの後妻マグダレーナ夫人の代筆は単なる写譜・清書にとどまらず、
演奏家の意欲をそそるようなアイデアを、随処に散りばめている。
(あえて云えば、一幅の絵画的イメージに昇華させる試みとみられる)
 
 冒頭部分の符尾を、逆に反復表記した例(後世の印刷楽譜では同型)。
http://www.wimmercello.com/bachs1ms.html
 J.S.Bach《無伴奏チェロ組曲(BWV1007~12)1717-1723》
 
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

なかなか興味深い仮説ですね。

お礼日時:2008/09/03 23:05

その楽譜は見たことがありませんが、恐らく答えは:


「調号は必ずしもその調を表さない」ということでしょう。楽曲分析をしますと、そのような箇所は限りなく存在します。
調号がシの所に♭一つだけであっても、楽譜の中のミの音に臨時記号の♭をいちいち付け、おまけにファに♯を付けてやれば完璧に「ト短調である」と言うことができます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

なるほど・・・ですね。
ちなみにバッハ直筆の清書譜をご覧下さい。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/ …

お礼日時:2008/09/03 14:30

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