No.7ベストアンサー
- 回答日時:
憲法違反と民法違反の場合の効果の違い、ということですから、民事の関係を前提に解凍します。
まず、憲法違反の場合ですが、憲法違反ということで、民事上の法的効果が否定されます(例えば、奴隷契約は、憲法18条(奴隷的拘束の禁止)違反ですから、憲法18条に基づき、契約の効力は否定されます)。
ただ、憲法の規定は、一部の規定を除き、私人間の関係に直接適用されません(直接適用説の否定)から、一見、憲法に違反するように見えても、憲法を直接適用して、民事上の法的効果を否定することはできません(例えば、男女で異なる定年を設ける労働契約)。
では、憲法は全く関与しないか、というとそうではなく、民法90条等の一般規定の中に憲法の趣旨を読み込み、民法90条違反という事で、当該行為の民事上の法的効果を否定することになります(上述の男女で異なる定年を設ける労働契約の場合、男女平等を定めた憲法14条の趣旨を民法90条に読み込み(憲法14条の趣旨に反すること=公序良俗違反)、民法90条を適用することで、当該労働契約の法的効果を否定するのです)。これが、間接適用説と言われるものです。
以上のとおり、法的効果としては、憲法違反も民法違反も効果は同じなのですが、憲法を直接適用するか、民法条項を媒介して憲法を適用するのか、という法律構成が異なるのです。
ただ、1点補足すると、憲法条項に全く関係ない事項の場合、民法違反の契約でも、それが強行法規違反でないなら、私的自治の原則に従い、その法的効果は否定されません(憲法条項に反する事項の場合には、民法90条を媒介します(つまり、強行法規違反になります)から、私的自治の原則に基づき法的効果が否定されない、ということはありません)。
この回答への補足
回答有難うございます。
非常によくわかりました。
ただ一点、ANo.6さんの補足にも書いたのですが、
損害賠償等が本来、損失に見合う賠償をすることであることを考えますと、憲法違反であっても、民法に違反する場合であっても賠償額にかわりはないと思うのですが、但しその内容が本来は415条の問題であった場合でも、その不法性の故に709条としての精神的損害を請求する可能性もあるでしょうか。
について疑問があります。
No.8
- 回答日時:
残念ながら、明確な回答を私自身持ち合わせていません。
自然法(自然権)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6% …
という考え方があり、『生存権』などがこれに該当するとの考え方もあります。
その説によると、救済の範囲が拡大します。一方、内容が明確でなくなるため、憲法自身や条文が空文化する可能性を秘めています。
プログラム規定説
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD% …
その具体的範囲が明確でないため、制限的な憲法解釈が主流となっています。
自然法論 ―19世紀における自然法論批判―
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6% …
法実証主義
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E5%AE%9F% …
ご参考に・・・
No.6
- 回答日時:
憲法(けんぽう)とは国家の組織や統治の基本原理・原則を定める根本規範(法)をいう。
by ウィキ外国籍だと 同じ民法に規定する損害賠償請求をするのでも、より強い権利が認められて損害賠償金が高くなるか?ということでしたら、
「プライバシーの侵害よ、そんなこと 憲法に書いてあるじゃない」と叫んで、慣習や常識に従うように周囲が自治のために促す行為そのものから逃れようとする。違法かどうかは別にして、 むしろ、公正の原則や信義則に反する行為の連想を否めません。
つまり その関係性に任意の帰属があり、私的自治に関することであれば 契約自由はそもそも国家の干渉を受けないわけですので、故意 過失によらない損害賠償をこうむらないという考えをする限り、質問者さんの考えは成立しないと思われます。
日産 三菱など私人間効力は
例えば、家督制度の流れで、男子が家長として個人としてではなく生計を立てていた事が当たり前だったころに、社会の制度として認知されていた男子偏重が、結果公正の観点から重視できなくなり、男女雇用均等等の仕組みとしての人権保護が、結果公正を生むとなると判断できるようになると 原則に基づく軸足=原則法の憲法 の適用が必要になるという事であろうと考えております。
個別法の損害賠償の構成要素に、立法の理念として、私人間の効力を持ち出すまでも無く、十分憲法が原則として含まれているのだから、適用になる法律がすでに存在しているのに、さらにその適用範囲を広げるとか重んじるなどの必要は認めづらい。
憲法が私人間に適用できるからという事ではなく、その法理の目指す公正や保護などの立法の理念に照らして、招く結果に対して必要とみなすべき要件が在って初めてそのような判断がなされるべきであって、単純に補強自由とする適用は濫用につながりかねないと考えます。
いかがでしょうか?
この回答への補足
回答有難うございます。
まず憲法の私人間効力が認められるよになった経緯はつぎのように聞いております。
近代立憲主義の時代では、国王(後に国家)から国民の人権を守るため法が憲法であって、その意味では対国王(後に国家)規範であって私人間効力を想定する必要はなかった。
何故ならば、圧政に苦しむ国民と国王(後に国家)との対立しか考えておらず国民間の問題は民法や刑法によって解決できるからです。
しかし、時代とともに、国王や国家ほどの権力を持たないまでも巨大な権力を持つ企業や団体が登場したためこれに対抗するために憲法に私人間効力を持たせた。(この意味では憲法は対企業規範ということも出来るでしょうか?)
たしかに先にあげた日産自動車事件等はこれに該当するように思えます。
そこで考えて見ましたが、私人間効力が問題となるのは、当事者の一方が強力な権力を持つ企業等の場合であること。
また、企業等の私的自治に制約を与えるための公共の福祉(民法1条=憲法29条)として憲法上の基本的人権に抵触することが要件となる。
これは抽象的な「公共の福祉」を基本的人権と関連づけることによって明瞭にすることが出来るという効果があること。
また損害賠償等が本来、損失に見合う賠償をすることであることを考えますと、憲法違反であっても、民法に違反する場合であっても賠償額にかわりはないと言えるでしょうか。
但しその内容が本来は415条の問題であった場合でも、その不法性の故に709条としての精神的損害を請求する可能性もあるでしょうか。
以上が私の現在の「憲法の適用」についての考え(思いつき)です。
No.5
- 回答日時:
ANo.4です。
ある程度きちんとした学習をされている方のようですので、私のような過去に少し勉強しただけの者は、これ以上回答は控えるべきかなと思いつつも・・・
イメージで言えば、中心点から遠くに点を打つほど、その点の同心円は広がる事になります。
憲法を間接適用し、損害賠償の範囲を拡大するのであれば、同心円は広がり、抑制的に適用される憲法の妥当範囲も広がります。
裁判官は、新たな事例に憲法を適用するかについては、可能な限り制限的に抑制的に解釈するのでないでしょうか?
No.3
- 回答日時:
そもそも私人間の効力で憲法違反になるような事例ってあるのでしょうか?
質問の意味を取り違えているなら
そうならないよう、事例をあげて補足してください。
憲法とは国民を絶大な国家権力からまもるため
国家権力を縛る法規で、私人間に介入しませんが。
この回答への補足
回答有難うございます。
私も勉強中なので良く知りませんが、日産自動車事件、昭和女子大事件、三菱樹脂事件などがこれに該当するとのことです。
憲法はその特徴として対国家規範であることを考えますと例外的な場合と言えそうです。
このような場合にも憲法が直接適用される場合と間接適用される場合があるそうです。
間接適用とは、例えば、憲法違反であることを民法の90条の「公序良俗」に違反するとしてその法律行為を無効とすることなどが考えられます。
私の質問の趣旨は、憲法違反の場合と単に民法違反の場合とでは扱いが
異なるといいますか、権利侵害の程度が大きいとして損害賠償の範囲が
拡大されるとかの影響があるかということでした。
或いは民法に適当な条文がないとして憲法を補充的に適用するのかということでした。
No.2
- 回答日時:
憲法には罰則がありません
罪刑法定主義 - Wikipedia
罪刑法定主義(ざいけいほうていしゅぎ)は、ある行為を犯罪として処罰するためには、
立法府が制定する法令(議会制定法を中心とする法体系)において・・・
この回答への補足
回答有難うございます。
なるほど、そうしますと単に効力を否定するのであれば憲法で足り、損害賠償等を請求する場合には民法の415条、709条等を適用することになるのでしょうか?
ただ憲法違反と民法に反する場合では損害賠償の額等に影響するのでしょうか?
回答有難うございます。
31条の罪刑法定主義というのは、刑法に限らず、民法又行政手続等にも準用される重要なものなのですね。
これを機会にWikipediaで勉強させていただき有難うございました。
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