プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

教えて下さい。今、台湾に住んでいます。円高になるのを待って、3週間ほど前に日本から持っていった日本円をすべて両替してしまいました。まさか今、こんなにさらに円高になるとは思ってもいませんでした。シティバンクのe-savingにお金を預金してあるのですが、前に一度台湾のATM(シティバンクの支店の)でお金をおろしてみたところ、すごく手数料を取られて、たしか@3.4円ちょっとのレートだったのに、@3.55円で換算されてしまいました。どうやったら、あまり手数料を取られずに、自分の預金の日本円を手にして、沙汰にうまく両替できるでしょうか、さらに宜しければ、台北はどこの銀行の換金が最もよいでしょうか?どうぞ教えて下さい。
台湾には現在郵便局の口座しか持っておりません。 シティバンクの他にも日本の銀行口座を持っています。まだしばらく台湾に居るつもりなので、100万円くらい換金したいと思っています。
どうぞよろしくお願い致します。

A 回答 (1件)

 台湾在住経験はないのですが過去に十回と少し台湾に旅行に行っており、両替についても興味を持ちいろいろと調べました。

旅行ですので送金は利用していませんが、それも含めて検討いたします。

 送金や両替の有利不利を考える上では為替用語を抜きに論じられないので、まずその説明におつき合い下さい。
・銀行間レート 外国為替市場において文字通り金融機関間の取引に使われるレートで、新聞やテレビが「今日の東京外国為替市場、終値は1ドル=97円40銭でした」と報じているレートは断りのない限りこの「銀行間レート」です。一般の顧客はこのレートでの取引きはできず、必ずいくらかの手数料を上乗せして支払います。
・公示仲値 銀行間レートは常に変動しているため、両替や送金の基準レートとして使うと処理が煩雑になります。そこで各金融機関は銀行間レートを参照しながら「公示仲値」というレートを定め、その日の取引の基準レートとして用います。
 公示仲値と銀行間レートは厳密には一致しませんが、為替取引の有利不利を考える上では同一視して差し支えありません。また公示仲値は各金融機関が独立に定めるため金融機関間で若干ばらつきがありますが、その差は0.1%か大きくても0.2%以内です。
・対顧客電信売レート(TTS) 外貨現金のやり取りを伴わずに外貨を買う取引きで適用されるレートです。具体的には外貨建てトラベラーズチェックの購入、外貨預金、外貨建て国際送金などが該当します。TTSは決まった幅の手数料(為替手数料)を公示仲値に上乗せすることで機械的に計算されます。TTSと反対に顧客が外貨を売る=銀行が買う取引きで適用されるレートがTTBです。
・外貨現金売りレート 外貨現金の取扱いでは発行国からの輸送コスト、運用に回せないことによる死蔵コスト、為替変動によるリスクが必然的に発生します。そこで外貨現金のやり取りを伴う取引きには「外貨現金取扱手数料」を課すことでコスト/リスク対策をしています。実際の両替ではTTSに外貨現金取扱手数料を加算したレートが「現金売りレート」として発表されます。繰り返しになりますが送金(数字上での取引き)と外貨両替(現金のやり取りを伴う取引き)ではレートが異なるということです。
・クレジットカード会社が定める通貨間換算レート クレジットカード会社も海外での利用分を決済する関係で通貨間の換算レートを毎日設定します。これも前出の公示仲値と同様に銀行間レートを参照して決定されます。このレートのことを本回答では「クレジットカード会社が定める通貨間換算レート」と呼ぶことにします。
 銀行間レート、公示仲値、クレジットカード会社が定める通貨間換算レートの三者は厳密には一致しませんが、両替の有利不利を考える上では同一視して差し支えありません。私の過去のデータでは、クレジットカード会社が定める通貨間換算レートと銀行間レートの乖離は通常時で±0.4%以内、為替市場が大きく動いている局面で±1.0%以内です。
 長くなりましたが要約すると(1)各金融機関、クレジットカード会社には基準レートが存在する (2)基準レートは各金融機関および各クレジットカード会社間で横並び (3)基準レートからの上乗せ分の違いが最終的な両替/送金レートの違いとして反映される ということです。

1. 為替レート表の読み取り方
 台湾のいくつかの銀行はインターネット上で為替レートを公開しています。私が今までに見つけられているのは台湾銀行[1]、上海商業儲蓄銀行[2]、兆豐國際商業銀行[3]などです。台湾銀行の10月31日のレートを解読してみます。
日本円Cash: Buying 0.3294, Selling 0.3425
日本円Spot: Buying 0.3376, Selling 0.3416
(いずれも日本円1円あたりの台湾元の額)
 SpotというのはCashの対義語でないので紛らわしいのですが(Spotの対義語はForward, *1)、送金で適用されるレートとお考えください。冒頭の為替用語の説明のTTS/TTBに当たります。Cashは文字通り店頭に現金を持ち込んで両替する場合のレートです。なおBuyingとSellingの主語は常に銀行側です。
 SpotレートのBuyingとSellingを足して2で割ると0.3396で、これが公示仲値であると見当をつけられます。つまり1万円をSpotレートで換算した場合、10,000×(0.3396-0.3376)=20元分が手数料(為替手数料)として銀行に差し引かれると分かります。参考までに日本円現金1万円の両替ならば10,000×(0.3396-0.3294)=102元で約3.0%が差し引き分ということです。
 上海商業儲蓄銀行についても同様に計算できます。日幣現金とあるのが文字通り現金両替レート、日圓とあるのがTTS/TTBに当たります。日圓の売りと買いの平均は0.3387で、売りはそこから0.0020上乗せ、買いは0.0020差し引きと分かります。差し引きと上乗せの幅は台湾銀行と同じです。公示仲値は台湾銀行より0.0009だけ不利ですが、これはこの日の設定がたまたまそちらに振れたというだけで、常に円安に設定しているわけではありません(*2)。

2. 日本から海外送金
 日本の銀行から海外に送金する場合、送金の手数料は1回4,000円が標準的な設定です。送金は円建て、米ドル建てなどが選べますが、円建てを選択した場合は「リフティングチャージ」(*3)という特有の手数料がかかります。リフティングチャージは送金額の0.05%ですが最低額の設定があり、送金額が少なくても2,500円徴収されるのが日本の銀行の一般的な設定です。台湾の銀行に着金した後は1.で述べたTTBレートで台湾元に換算されます。また海外送金では中継銀行や受取銀行が手数料を差し引くことがあります。中継銀行/受取銀行の手数料がかかるのか、かかる場合その金額がいくらなのかは送金してみないと分からないことが大半ですが、かかる場合の典型的な金額は千円~5千円程度です。これらの手数料は「コルレスチャージ」「仲介手数料」「口座登記料」などと呼ばれることもあります。
 100万円を日本の銀行から円建てで送金した場合で考えてみます。送金手数料が4,000円、リフティングチャージが2,500円かかります。台湾の銀行では上述のように1万円あたり20元の為替手数料が差し引かれたレートで台湾元に交換されます。公示仲値が1台湾元=0.34円とするなら目減りの合計は4,000+2,500+0.34×20×100=7,180円程度と見積もられます。割合にすれば0.72%なので悪くない話です。中継銀行や受取銀行の手数料がかかったとしても目減りは1.5%程度までで収まるでしょう。問題は現地での銀行口座の開設が必要なことです。台湾の郵便局の口座で外貨送金を受け取れるかは未確認で、恐縮ながらご自身で問合せ頂ければと思います。
 日本の郵便局から「住所あて送金」を利用することもできます[4]。これなら口座開設は不要で送金手数料も2,500円と安上がりです。ただし円建て送金はできず米ドル建てでの送金になります(*4)。同じく100万円を送金したとして手数料を見積もると送金手数料が2,500円、円→米ドルの交換の際の為替手数料が約1万円(1米ドルあたり1円)、リフティングチャージ不要、米ドル→台湾元交換の際の目減りが1ドルあたり0.05元で合計約1万4千円です。中継銀行/受取銀行手数料がかかると目減りはもう少し大きくなります。また当然ながら質問者さん自身では手続きができないので、日本にいるどなたかにお願いして送金してもらうことになります。為替証書が送られてくるのでこれを適宜の金融機関で換金します。
 シティバンク銀行は個人の送金ならリフティングチャージ不要で、送金手数料も月間平均取引残高に応じ割引きがありますが、円建て送金はシティバンクの海外支店の口座宛てでないとできません。米ドル建てで送金した場合の目減りの計算は郵便局の場合とほぼ同じですが、送金手数料が郵便局の2,500円に対しシティバンク銀行は4,000円(シティバンク オンライン利用なら3,500円)なので少し高くなります。

3. 現地の現金自動預払機での引き出し
 現金自動預払機(ATM)で台湾元を引き出すのも有利な方法の一つです。ただしシティバンク銀行の国際キャッシュカード(同行での呼称は「バンキングカード」)は明らかに不利です。実は私も、台湾に旅行するようになった初めの頃はシティバンク銀行のバンキングカードで引き出していましたが、その後この方法が不利であると気付きやめました。
 シティバンク銀行のバンキングカードを使いATMで台湾元を引き出した場合、引き出した台湾元の額を銀行間レートに準じたレートで米ドルに換算、手数料3%を加算した上で米ドルのTTSで日本円に再度換算した額が引き落とされます。日本円-米ドルのレート変動に多少影響されますが、だいたい公示仲値に4%が上乗せされた額が引き落とされる計算になります。銀行間レートが1元=3.40円ですと4%上乗せしたレートは1元→3.54円ですので、計算自体は合っています。新生銀行も同様の国際キャッシュカードを出していますが、クレジットカード会社(VISA)が定める通貨間換算レートに4%加算なのでやはり不利です。

 これより有利なレートでATMを利用する方法としては、クレジットカードでのキャッシングと、デビットカードの2つの方法を挙げておきます。
 クレジットカードでキャッシングした場合、適用されるレートは「クレジットカード会社が定める通貨間換算レート」で、これに利用日から口座引落し日までの利息が加算されます。クレジットカード会社が定める通貨間換算レートが公示仲値や銀行間レートと同一視できることは冒頭の用語説明で述べました。利息ですが、利率が年利で15~20%、利用日から口座引落し日までは25~55日くらいですから、利用額の1.0~3.0%程度を上乗せして支払うことになります。口座引落し日までの日数にもよりますがシティバンク銀行のバンキングカードよりは有利です。
 キャッシングは繰り上げ返済すればその分利息が少なくて済み有利です。私は専らセゾンカードを用い、セゾンのATM(手数料不要)で帰国後すぐに繰り上げ返済しています。ただ長期滞在となるとこの方法は使えませんので、繰り上げ返済するならインターネットバンキングを使い指定口座に振り込むことになるでしょう。利用金額が1万円程度までなら振込手数料を払って無理に繰り上げ返済するより、通常の引落し日にそのまま引き落としてもらった方が有利です。
 デビットカードは国際キャッシュカードとほぼ同様の機能を持っています。海外のATMから現地通貨を引き出すことができ、引き出した額は銀行口座から即時に引き落とされます(残高不足の場合は当然引き出せません)。
 現時点で手数料が最も安いのはイーバンク銀行の「イーバンクマネーカード」[5]でしょう。引落し額は、クレジットカード会社(VISA)が定める通貨間換算レートで日本円に換算した額に手数料1.63%を加算した額です[6]。国際キャッシュカードと同じ使い方ができ、手数料は安いので今はこちらがお勧めです。ただし台湾在住となると今からイーバンク銀行の口座を作るのは難しそうです。一時帰国の機会がある、身内の誰かが代わって手続きしてくれるなどの手があればご検討ください。デビットカードは他にスルガ銀行も出しています[7]。利用額の1.63%の手数料がかかるのは同じですが、このほかに利用の都度の手数料210円がかかるのでイーバンク銀行より少し不利です。

【まとめ】
(1)両替や送金の有利不利は、基準となるレート(公示仲値)からの上乗せの大小で比較できます。目減りの大小とも言い換えられます。
(2)海外送金は手数料が数千円以上になるので小額の場合は不利ですが、100万円を一度に送金するなら悪くありません。目減りの目安は0.7~1.5%です。現地の銀行口座を開設できないなら、日本の郵便局の「住所あて送金」を利用する方法もあります。
(3)現金自動預払機を利用するなら、クレジットカード(キャッシング)やデビットカードが有利です。上乗せ分は前者が1.0~3.0%、後者が1.63%です。シティバンク銀行や新生銀行の国際キャッシュカードは上乗せ分が約4.0%と大きいので勧めません。

参考ページ
[1] http://rate.bot.com.tw/Pages/Static/UIP003.en-US …
[2] https://ibank.scsb.com.tw/netbank.portal?_nfpb=t …
[3] http://www.megabank.com.tw/bulletin02_02.asp
[4] http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/tukau/kaig …
[5] http://www.ebank.co.jp/kojin/debit/index.html
[6] http://www.ebank.co.jp/kojin/debit/what.html#cc
[7] http://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/ser …

*1 取引から2営業日以内に決済する(代金を支払う)方式をSpot取引、2営業日を超えて決済する方式をForward取引と言います。Forwardでのレートは交換した2つの通貨の金利差分を織り込んだ数字になります。
*2 もし常に他行より円安側の設定にしている銀行があったとします。すると台湾元を日本円に両替しようとする人は皆その銀行を利用します。その結果台湾元の残高がどんどん増える一方、日本円の在庫はなくなります。こうなると他の銀行から逆ザヤ承知で日本円を調達するか、自分の銀行のレートを円高側に設定して保有外貨の持ち分を調整するかしかありません。特定の一日で見れば平均より円高側だったり円安側だったりしますが、常に円高側/円安側の銀行というのはあり得ません。
*3 通貨間の交換を伴わない為替取引に対し課される手数料です。例えば「日本円で資金を持ち込んで円建てで送金」「米ドル外貨預金口座の資金を米ドル建てトラベラーズチェックで払い出し」などが該当します。「日本円で資金を持ち込んでユーロ建てで送金」といった場合にはかかりません。
*4 「いったん米ドルに変換したら今の円高台湾元安を活かせないのではないか」というご心配もあるかと思いますがその心配は無用です。公示仲値で日本円がA米ドル、1米ドルがB台湾ドルに当たるなら、日本円→台湾元と直接交換する際の公示仲値は自動的にA×Bだからです。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなりまして大変申し訳ありません。こんなにご丁寧にアドバイスしてくださりありがとうございました。

お礼日時:2008/11/05 09:22

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