お世話になっております。ただ今学生でファイナンスを学んでおります。
質問内容は
「中小企業と上場企業の財務諸表の違いについて」
です。
中小企業でも財務諸表を作成していると思いますが、上場していないため投資家向けではなく、どちらかというと銀行向けや税金、経営上の要請だとの認識です。
一方、上場企業は厳格に4半期決算などが義務付けられていると思います。
そこで私がお伺いしたいのは、(1)具体的にどのような違いがあるのか(2)かりに中小企業が上場企業並みのディスクロージャーをしようと思えばどの程度コストが余分にかかるのか、などです。
以上公認会計士、税理士の方などに特に宜しくお願い致します。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
>メインバンク向けの要素を考えれば上場企業の投資家向け情報と同じく「情報のミスマッチ」をなくす必要があるかと思います。
そのために、(意図はともかく)上場企業並みに情報のミスマッチをなくすようにするには、上場企業と同様のディスクロージャーが出来ればよいと考えました。
このようなミスマッチをなくすということで、ok2007さんも書かれているように「中小企業の会計に関する指針」が企業会計基準委員会、公認会計士協会、日本税理士会連合会および日本商工会議所の4者で策定され公表されています。これは読まれたでしょうか。できれば読まれた上で質問を追加してください。
このようなミスマッチをなくすというのであれば上場企業並みの会計処理は必要ありません。
中小企業の多くは、その営んでいる事業は1種類に限られており、多店舗展開している場合を除きセグメント情報などはまず不要です。
独立したキャッシュドライバーを想定することは難しいですから、本来の減損会計を適用することは不可能です。
従業員も少ないので本来の退職給付会計も不要です。
以上のことから「中小企業の会計に関する指針」では簡便な処理を容認しています。
一般に中小企業の財務諸表の信頼性が低いと言われるのは、
1)計上すべき減価償却費が計上されていない
2)計上すべき賞与引当金、退職給付引当金が計上されていない
3)貸倒処理すべき不良債権が処理されていない、必要な貸倒引当金が計上されていない
4)架空の売上債権、棚卸し資産が計上されている。
まとめて言えば粉飾決算が普通に行われていると思われていることです。
これには2つ理由があります。
1)金融機関は赤字決算を嫌うから、決算を赤字にしたくない。そのため税法上損金算入が認められない費用を計上しないし、減価償却費の計上も少なくしておく。
2)繰越欠損金を優先して使うために、減価償却費を計上しなかったり、貸倒処理をしない。
したがって中小企業が自らの会計の信頼性を高めるためには、
会社法に則った粉飾のない決算書を作成し、適正な申告を行い、申告書に添付する科目明細書をできるだけ税務署と金融機関ににわかりやすくして、金融機関にそのまま提示することです。
また、適時、かつ適正な記帳により月次試算表を翌月中旬までに作成しておき、金融機関からの要求があれば直ちに提出できるようにしておくことで、記帳の信頼性を金融機関に訴求することができますし、四半期決算を特に行う必要はありません。
ということで、会計に詳しい、手抜きをしない会計事務所に依頼すれば特別な追加コストは不要なのです。
お礼が遅くなりまして失礼しました。
纏まっていて大変分り易く参考になりました!
もう少し勉強してまた分からなければここで質問いたしますので機会がございましたらアドバイス頂ければ幸いに存じます。
お二方どうも有難うございました。
No.2
- 回答日時:
No.1の者です。
> 財務諸表を非上場企業が上場企業と同様のものを作るには、どの程度コストが余分にかかるのか
新しい作業を開始し続行させるには、導入コストとランニングコストがかかるでしょう。また、作業を行うには、システム(仕組み)に要するコストと人に要するコストとがあるでしょう。
これらの積上げで、余分にかかるコストが求められるのではないでしょうか。
あとは、分析を詳細にするのか否か、具体的数値を算出するのか否か、前提問題としてどのような差異を想定するのかなどにより、答えが異なってくるように思います。
No.1
- 回答日時:
(1)について
相違点は制度決算と税務決算との相違点とおおむね重なるので、多岐に渡ります。「中小企業の会計に関する指針」がひとつの目安になるものと思います。
(2)について
「上場企業並みのディスクロージャー」でどのようなものを想定なさっているのか、そのうち中小企業で行っていないと位置付けるものは何か、によって結論が異なりうるでしょう。
ご回答有難うございます。
また言葉足らずで失礼しました。
>「上場企業並みのディスクロージャー」でどのようなものを想定なさっているのか
財務諸表を想定した質問です。
中小企業と上場企業とでは財務諸表を作成する目的が少し異なるのではないかと思います。上場企業では不特定多数の投資家向けに情報のミスマッチを防ぐ意味合いが大きな要素としてある、一方で中小企業も含めた非上場企業はメインバンク向けかつ税金などの計算に用いられるという要素が大きいとの認識を持っています。
上記の税金の計算はおいといてメインバンク向けの要素を考えれば上場企業の投資家向け情報と同じく「情報のミスマッチ」をなくす必要があるかと思います。
そのために、(意図はともかく)上場企業並みに情報のミスマッチをなくすようにするには、上場企業と同様のディスクロージャーが出来ればよいと考えました。(少し単純かもしれませんが・・)
そこで財務諸表を非上場企業が上場企業と同様のものを作るには、どの程度コストが余分にかかるのか、についてお伺いしたいです。
もし分かりにくければ申し訳ありません。当方文章を書くのが得意でないものでw以上お手数ですが宜しくお願いいたします。
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