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ある高校の入試問題で、『銅板と亜鉛板をうすい塩酸の中に入れて、図のような装置(図省略)を作ったところ、発光ダイオードが点灯した。次の各問に答えよ。~~問3.うすい塩酸のかわりに入れても電流が流れるものを、次のア~エからひとつ選び、記号で答えよ。 ア蒸留水 イ砂糖水 ウ食塩水 エ エタノール』というものがありました。正解は。『ウ 食塩水』です。
 私自身あまり電池のことに詳しくないのですが、わたしは、イオン化傾向の違いにより電圧が発生すると思っていました。塩酸水溶液の中には、水素イオンが入っています。亜鉛は、水素よりイオン化傾向が大きいので、亜鉛イオンとなって水溶液中に溶け出します。一方、銅は水素よりイオン化傾向が小さいので、イオンになることは無く、亜鉛版のほうから流れてきた電子を水溶液中の水素イオンに与えるので、起電力が生じ電流が流れる。その結果、銅版には、水素分子のあわ粒が付着する。と。理解していました。
 水溶液を食塩水にかえたら、陽イオンはナトリウムイオンがあるだけです。ナトリウムは亜鉛よりもイオン化傾向が大きいので、そもそも亜鉛は、イオンになることができないのではないですか?
 さらに、ボルタ電池自体にも疑問が生じてきましたが、亜鉛板から亜鉛がイオンとなって水溶液に溶け出していく際に、その亜鉛板に残った電子をその場(亜鉛板上)で、水素イオンが受け取って水素分子(気体)になるということは無いのですか?亜鉛板に水素のあわ粒がついてもいいように思うのですが、いかがですか?宜しくお願いします。

A 回答 (2件)

ボルタ電池の問題は,ここでも何度も何度も繰り返しあがっています.


ボルタ電池をまともに考えることは,中学高校の理科では不可能です.ボルタ電池のバリエーションを出題すること自体,出題者の見識を疑います.この問題については,ボルタ電池の問題点を理解していない出題者が,うわっぺらの知識で作った問題に見えます.

ボルタ電池では水素イオンとのイオン化傾向が問題になるのではないので,塩酸であるかどうかは本質的な問題ではありません.亜鉛の溶解 (酸化) とペアになるのは,銅板表面の酸化銅の還元か,溶存している酸素の還元です.つまり,イオン化傾向では比べるものがないのです.水素イオン濃度が高ければ水素イオンの還元がおこることもあるでしょうが,別に水素イオンがなくてもかまわないのです.実際には,状況に応じてこれらの混合でおこっているのでしょうね.
イオン化傾向は,より一般的な「酸化還元電位」というものから,ある場合だけを取り出してきて,序列だけをつけたものです.そして,イオン化傾向では議論できない反応と組み合わさって電池になるので,まっとうな議論は大変複雑になります.
この問題は,単に「塩酸でも塩水でも発電する」という知識を問う以外のものではありません.なぜそうなるかを考えてはいけないのです.考えても,高校までの理科では説明のしようもないからです.まして高校入試では話になりません.
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この回答へのお礼

懇切丁寧な解説ありがとうございます。今後も宜しくお願い致します。ではまた。(^^)/

お礼日時:2009/07/07 19:20

順番を逆にします。


・亜鉛板での反応
塩酸に亜鉛板を入れると亜鉛板の表面から泡が出ます。
銅板が接続されていると両方から泡が出ます。
だから効率の悪い電池だということになります。
私は硫酸でしかやったことはありませんが両方から泡が出るのはハッキリしています。
以前は亜鉛板からのH2の発生を抑えるという意味で亜鉛板の表面に水銀を塗るということが行われたことがあります。

銅板が錆びていると銅板からの泡の出方は弱くなります。でも電流は増えます。銅の化合物が反応します。
CuO+2e^-+2H^+ → Cu+H2O

・食塩水
食塩水でも電流は流れます。

銅板の表面が銅の化合物(酸化物、その他)で覆われているという条件が実現している場合です。しばらくすると電流が流れなくなります。銅板を空気中に出しておくとまた電流が流れるようになります。
(私は10cmほどの長さの銅板を使いました。半分ビーカに漬けてソーラモータを回します。しばらくするとモータが回らなくなります。銅板の上下を入れ替えて接続すると回るようになります。また回らなくなります。上下をひっくり返すと回ります。空気に曝す時間がその程度で回るようになるのです。)
磨いた銅板を食塩水の中に入れてもほとんど電流は流れないでしょう。

ボルタが電池を作った時、初めは硫酸だったが後では食塩水を使ったということです。だからボルタ電池としては両方が載っています。

ボルタの時代には「銅」といえば「銅で出来たもの」という意味です。新しくても錆びていても「銅」です。
だから電極に銅板を使ったという文章を読んで「銅=Cu」としてはいけないのです。Cuと書けばCuOとは別の物質のことになります。
亜鉛板というときには亜鉛の表面が少しは変化しているかもしれないということを気にしていません。同じように銅板でも普通は気にしていないないのです。でもイオン化傾向の小さい銅では表面にどういうものが出来ているかによって性質が大きく変わってしまいます。ボルタ電池についての混乱の原因はたいていこの部分にあります。
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この回答へのお礼

懇切丁寧な解説ありがとうございます。今後も宜しくお願い致します。ではまた。(^^)/

お礼日時:2009/07/07 19:20

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