分離の原理としては、簡単にいうと、固定相との吸着性が試料中の各成分で異なるために分離できるということだと思います(固定相にいやすければそれだけ出てくるのに時間がかかって保持時間が長くなるのですよね?)
しかし、カラムの種類で順相と逆相カラムというのがありますが(他にもいっぱいありますが)、なぜこのように2つあるのかがわかりません。
逆相というのは、固定相は例えばシリカゲルにODS基をつけるなどして極性を小さくして、移動相(溶離液)の極性の方が、固定相の極性よりも大きいことをいうのはわかっているのですが・・。
また、逆相では水っぽいもの(極性の大きいもの?)ほど速くでてくると勉強しました。またピークが重なるときは、溶離液の組成(極性を変える)などして保持時間を変えればいいと聞きました。しかし、極性と分離の関係が理解できていないために、こういったカラムのことや、溶離液の極性を変えることで保持時間(でてくるまでの時間)が変わるということが理解できていないのだと思います。
現在、逆相カラムを使っていて、見たいピークが水のピークと少し重なってしまっています。溶離液は水:メタ=22:78の混合比で使用しています。
水のピークからずらして、もっと見たいピークの保持時間を長くしたいのですが・・・。
カラムのこと、溶離液のこと、すこしでも力になってくれる方、よろしくお願いします
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
全体的に保持時間が長くなってピークは重なったままということはありません。
まあ、例外もありますが。現時点では、重なってはいるもののピークは分離しているということですよね。ということは極性は違うし、保持時間にも差があるわけですよね。
では、運動会のかけっこを考えて見ましょう。ただし体力消耗による速度低下がないものと過程してください。
100m競争ではA君とB君の差は1m程度だとしましょう。では、200m競争ではどうなりますか?
1mではなくもっと差がつくと思いませんか?
では300m、400mm・・・・・では?
そうです、距離が長くなればなるほど差がつくわけですね。
ピークの分離もそれと同じだと考えたらよいと思います。
No.2
- 回答日時:
簡単に回答したいと思います。
逆相カラムである物質の保持時間を長くしたいときは、溶離液中の水を増やすといいです。
たとえば充填剤を油だと考えます。溶離液は水と油の混合物と考えます。ある物質は油のほうに親和性が強いものとします。すると、溶離液中に油を溶かしやすいもの(メタノール、アセトニトリルとか)が多いと、物質は溶離液の油にひっぱられて早く溶出してしまいます。
溶離液に水が多いと、物質は溶離液よりもODS(油)のほうにひきつけられて、溶出しにくくなります。
メタノールとかODSを美人、水を普通の女性、物質を男性とたとえて考えても面白いかもしれません。男性は美人がいっぱいの方にひきつけられるってのはどうですか?(笑)
それから、溶離液の水を増やすと、ピークが猫耳のように2つに割れてしまう物質もあります。
たとえば、COOHがついたような物質は溶離液中の水の影響でCOOH状態と(COO-、H+)解離状態が生じてそんなことが起こります。その場合は、溶離液中にりん酸を入れてpHを下げるといいです。
また、pHによっても保持時間が変わります。
それから、保持時間を長くする別の方法には、カラムを長くするというのもあります。
そんなところでいかがでしょうか?
この回答への補足
ありがとうございました。
逆相の場合、保持時間が短い=溶離液との親和性が強い=その物質が水っぽいもの・・・だから溶離液の極性を下げてあげると保持時間が遅くなる・・ですよね?
ただピークが重なる場合はどうでしょうか?
今、水のピークと重なってしまっているようなのです。
水のピークが完全にベースラインに戻る前に、見たい成分のピークがでてきているような感じです。
溶離液の極性を大きくしたら、見たい成分のピークは遅く出てくると思いますが、水のピークも遅く出てきて結局は全体的に後ろになるだけで重なってしまうという現象になるのではと考えてしまうのですが・・??
この考え方は間違っているのでしょうか??
No.1
- 回答日時:
「機器分析」系統の参考書を見ればだいたいのことは載っていると思いますが・・・。
説明のために固定相(カラム)、移動相(溶離液)、ある成分cの極性をそれぞれA,B,Cとします。「なぜカラムには順相カラムと逆相カラム、というように2つある(他にもあるけど)のか」という問いに関して。
→ A>Bの場合を順相、A<Bの場合を逆相と呼びます。各種クロマトグラフィーの種類や用法、分類についての説明はhttp://lasoft.co.jp/chromdoc/chrom.asp?sub=chrom … や参考書などをご覧になってください。
それから、「極性と分離の関係」の説明を。
HPLCによる分離の原理は、
「順相:A>B 逆相:A<B」という極性の違いがある中で、
ⅰ)Cの大きさがA寄り→cと固定相との親和性高(移動相との親和性低)
→固定相への分配(吸着)率高→cのカラム中移動速度遅
ⅱ)Cの大きさがB寄り→cと移動相との親和性高(固定相との親和性低)
→移動相への分配率高→cのカラム中移動速度速
という現象ですよね(記号を使ったことが逆に分かりにくかったらスイマセン)。
この考え方を用いれば、
1)逆相では水っぽいもの(極性の大きいもの?)ほど速くでてくる
→逆相におけるⅱ)のケース?
2)ピークが重なるときは、Bを変えるなどして保持時間を変えればいい
→BをC_1やC_2に近い方向に変化させ、親和性の差を際立たせてc_1、c_2の分配率に差をつけることを利用している?
A----C_1-C_2--------------B
↓ ↓
A----C_1-C_2------B
といった具合にいろいろ考えることができます。
参考URL:http://lasoft.co.jp/chromdoc/chrom.asp?sub=chrom …
この回答への補足
まずわかりやすい回答ありがとうございました。
最後以外は理解できました。
最後は自分では次のように考えたのですが補足お願いします。
今、逆相カラムとします(極性は固定相<移動相ですよね)
まず、水のピークが出てきます。この水のピークに見たい成分のピークの一部が重なってしまうとき・・・
見たい成分の保持時間(ピークがでてくるまでの時間)を遅くして水とのピークから離したい→移動相との親和性を小さくすればいい→溶離液の極性を小さくしてやる(水:メタならメタの割合を多くする)と考えたのですが、最後の分配率に差をつけるといったところが理解不十分です。
溶離液の組成を変えた場合、水のピークの位置も変わって全体的に移動するだけで、結局ピークが重なるとはならないのでしょうか?
最後の2)の理解が不十分な状態です。
ぜひよろしくお願いします
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