三島由紀夫氏の本を遅ればせながら最近初めて読みまして、すっかり虜になってしまいました。
氏の文章はわたしにとって難解ですが、ダイレクトな表現よりはずっと読み応えがあります。それから、難解にもかかわらず、先が気になってどんどん読み進められるのが不思議。。でも、解説が欲しくなってしまうこともしばしばです。せめて、国語の長文問題でも可(笑)傍線部がわかるだけでも理解がぐっと進む気がします^^;
そこで、三島由紀夫氏がお好きな方に質問です。
みなさんは、氏の文章を難解だとお感じになったことはありますか??
どんどん数を読めば、そのうちそこに描かれていることがありありとわかるようになるのでしょうか??
A 回答 (10件)
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No.10
- 回答日時:
橋本治さんの書いた「「三島由紀夫」とはなにものだったのか」という本を、お勧めします。
新潮文庫から出ています。三島由紀夫論としてどういう評価を受けているのかは知りませんが、三島由紀夫の難解さについての彼の解説は、私にはとても明解でした。No.9
- 回答日時:
──時刻だった。
私は立上るとき、もう一度日向の椅子のほうをぬすみ見た。一団は踊りに行ったとみえ、空っぽの椅子が照りつく日差のなかに置かれ、卓の上にこぼれている何かの飲み物が、ぎらぎらと凄まじい反射をあげた。──三島由紀夫は私の大好きな作家です。
とても綺麗で巧い文章を書いていると思うのですが、
仮面を外した彼の文章も、一度は読んでみたかったです。
>すっかり虜になってしまいました。
>どんどん数を読めば、そのうちそこに描かれていることがありありとわかるようになるのでしょうか??
>もしかして、わたし、センスないのかな^^;?? と思って、この質問をさせていただきました。ちなみに、年齢は25歳、学生です。
いえいえ、
センスより虜でしょう。
そう思えばわかり得ない部分も残せると思います。
でも、置き土産もきっとどこかに残っている、そんな気がします。
ご回答ありがとうございます。お礼が遅くなってしまって申し訳ありませんでした。
読み方のコツもだんだん掴んで参りまして、辞書と画像検索を駆使すると、理解がグッと増すことに気づきました!!
ただ…やっぱり、最後まで読み終えたときに「はて・・・これは全体としていかなる意味ぞ??」と思ってしまうことがありまして、そういったことは、これからここのカテで質問させていただこうと思っています。
その折には、もしよろしければご回答よろしくお願いします!
No.8
- 回答日時:
現在の三島由紀夫に関する批評は次の点です。
自衛隊になれなかった三島由紀夫
それは何か。三島由紀夫は東大法学部出身で、大蔵省(現.財務省)の元官僚。だが、1年そこらで退職。そして、小説家の道に入る。で、小説家として人気になる。そして、晩年の三島事件という自衛隊駐屯地でのクーデターが失敗し割腹自殺した。それが、後の時代にも引き継がれる三島問題なのです。つまり、三島由紀夫は自衛隊員になりたかったが年齢的に無理だった。
浅田次郎の「ひとは情熱がなければ生きていけない」を読むと、当時の三島がどんなのだったか分かる。浅田は三島に憧れて自衛隊になり、三島亡き後に自衛隊を退官し小説家になる。
大江健三郎「さようなら私の本よ!」も必読。それは三島問題をテロとして、将来のテロに関する大江の希望である。でも、大江健三郎は三島由紀夫の後輩である。だから、少しだけの付き合いはある。大江健三郎「話して考えると書いて考える」も参考になる。大江健三郎は現在も老年になりながら生きている。
さて、三島の歴史はそこまでにしよう。
三島の著作として、有名なものは「金閣寺」なのです。さらに意見が分かれますが秀作なのが三島由紀夫「文章読本」中公文庫なのです。三島読本は三島の性格がよくわかります。
三島は男気を見て強がる。太宰治は自分の弱さを見せる。太宰と三島の違いは良く言います。
個人的には太宰治「斜陽」が一番の彼の脂が乗った作品だと思います。彼の遺作「人間失格」は太宰の冷静な視点が失われ、物凄い思い込みがあります。だから、冷静な太宰が好きなら「斜陽」がいいです。
大江健三郎の「さようなら私の本よ!」は秀作です。また、大江作品のお薦めを挙げます。
大江健三郎 性的人間
大江健三郎 取り替え子
つまり、三島由紀夫は過去の人です。太宰治も過去の人。大江健三郎は三島より長く生きた分だけ、文体が今なお成長している。昔の大江健三郎は小難しかったが、「取り替え子」や「さようなら私の本よ!」はその小難しさが影に消えて読みやすい。大江は進化する作家である。
ご回答ありがとうございます。お礼が遅くなってしまって申し訳ありません。ご紹介いただいた本、きっと読みますね。多くの著名な作家が、三島氏について書かれているのですね。
男気を見て強がる…というのはわかる気がします。太宰氏の自分の弱さを見せる…というのも。
No.7
- 回答日時:
#2です
でも大好きなんですよ
三島氏の書く文章には
今に無い何かがありずいぶんはまりましたし
死についてもずいぶんと考えました
でも彼故の美学ですし
文章も美学
自分の肉体を改造するのも美学
国に対する考え方も美学
そして死も美学だったと思います
これだけ物があふれていて
三島氏と同じ大学を出ても三島氏と同じような逸材は出ていないと、個人的には思います
三島氏の世界&時代は本の中。ということですけどね
ご回答ありがとうございます。お礼が遅くなって、申し訳ありません。
そうですね、限られた作家の本しか読まないわたしですが、しかも三島文学愛読者駆け出しですが、三島文学は、他とは一線を画していると感じます。本当に、美学に溢れていますよね。
過去の出来事としてしか見たことのない、三島氏の死ですが、時代の違いを差し引いても、やはりその死に方はとても稀有で独特で、なかなか、一般人の理解の及ばないものだと思っています。死に至る経緯は、詳しく調べていないのですが、三島由紀夫氏は、天才であるがゆえに、どんどん精神だけ成長して生き急いでしまったような印象を受けました。天才であるがゆえに、平凡で幸福な生き方から遠ざかってしまった…といいますか…
長々とすみません、本当に、唯一無二の逸材ですよね。
No.6
- 回答日時:
ご丁寧なお礼をいただきありがとうございました。
「真夏の死」は多分、彼の優れた短編小説の中でも代表作のひとつだろうと思います。私も好きなもののひとつです。
>でも、なぜか読んでいて惹かれてしまうんですよね。
もしかして、わたし、センスないのかな^^;?? と思って、この質問をさせていただきました。ちなみに、年齢は25歳、学生です。
センスがないわけではない、と思っていいのでしょうか・・・???
もちろn私もそう思います。質問者様の中の何かにも、私と三島とが結び合うべく親近感を生じているDNAと共通のものがあるのだと思います。多分それは日本文化の真髄に近づくひとつの確実な指標です。
どうかもっと三島由紀夫の作品に多く親しんでいただき、日本文学の大きな成果を余すことなく味わってください。
またご回答いただけて、とても嬉しいです!
今流行の本はどうも軽すぎて、それはそれで楽しいのですけど、マンガを読むような読み易さなので、読み終えても、なんだか実感が湧かないんですよね・・・「文学」した気にならないといいますか・・・
その点、三島文学は、、まだ愛読者駆け出しのわたしが言うのはおこがましいですが、重厚で、ひとつ読み終えるごとにおなかがいっぱいになった気持ちになります。
これから、たくさんの三島文学に出会えるのが本当に楽しみです。ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
三島由紀夫も、好きな作家の一人です。
おそらく、ほとんどの作品を読みました。
「仮面の告白」「潮騒」「金閣寺」などなど、1960年の「憂国」までの諸作品と、「豊穣の海」とりわけ「春の雪」が大好きです。
また、「近代能楽集」も好きな作品で、上演されたものは、たいがい見ました。丸山明宏(美輪明宏)が主演したものは好印象です
彼の作品の中には、全く知らない言葉が頻出する場合がありますが、文章は難解と感じたことはありません。逆に、まるで英文を読んでいる様な明快さで驚きます。そういう意味では、欧米語への翻訳が一番楽な作家でしょう。
豊かな表現をするためには多くの語彙が必要となり、読者はそれに見合った知識が必要でしょうから、分からない言葉の多い作品は、丁寧に調べながら読んでいますが、全く苦痛ではありません。
広辞苑にも出てこない様な言葉は、ほとんど使っていませんから、使い慣れた辞書を持っている人には、もしかしたら、一番読みやすい作家ではないかと思います。
知識の量の違いによる、読み易さ、読み難さは、個人の年齢とともに、解消されてゆくものでしょうが、それは個人の問題であって、三島由紀夫が未来に、たくさんの読者を持っているかどうかは、分からないと考えたことがありました。
しかし、その死も表現活動と考えれば作品の凄みが増して、未来にも多くの読者を持った様な気がします。
そして、日本語の豊かさを現代に(未来に)伝える、数少ない作家の一人であろうと考えます。
ご回答ありがとうございます。お礼が遅くなって申し訳ありません… そうですね、確かに、三島文学は、日本語の微妙なぼかし、といいますか、詩文的な文章がありませんよね。主語述語が明確な文章ですから、英訳はしやすそうです。
この前から、わからない言葉を逐一調べながら読むようにしています。わたしはどこで難解だと思っていたのか、というくらい、読みが深まっている気がします。文章自体は。わたしは、小説の楽しみ方自体を知らなかったのかもしれません^^; 楽しみ方のヒントをくださってどうもありがとうございます!!
>三島由紀夫が未来に、たくさんの読者を持っているかどうかは、分からないと考えたことがありました
お礼が遅くなった上に重ねてこのようなことをお伺いするのは恐縮ですが、すみません、これは、三島氏の思想が時代とともに理解されなくなるのでは、ということを意味でしょうか??
もしよろしければ、教えていただけませんか??
No.4
- 回答日時:
>氏の文章を難解だとお感じになったことはありますか??
ありません。
硬質の極めて論理的な文章だと思います。あいまいなところが少なく、見事な比喩も含めてしっかり読めば意味はよく分かります。論理的な文章で、しかも文学になっている、美しいと感じられるのはやはり彼が非凡だったということでしょう。行間を読まねばならない多くの近代日本文学の中では異質だというのはそういうことだろうと思います。語彙も豊富ですし、こみいった論理的な面が難解とされるのでしょうが、慣れればむしろ分かりやすいといえます。
むしろ省略の多い近代の俳句なんかのほうがずっと難解だと思います。
>どんどん数を読めば、そのうちそこに描かれていることがありありとわかるようになるのでしょうか??
その通りです。
難解だとお感じになったことがないのですね。
わたしはまだ、いわゆる代表作ではなくて、「真夏の死」という新潮文庫の短編集を読んでいるのですが、心情なりの比喩が、「むう!難しい!」と思ってしまうほどなのです。でも、なぜか読んでいて惹かれてしまうんですよね。
もしかして、わたし、センスないのかな^^;?? と思って、この質問をさせていただきました。ちなみに、年齢は25歳、学生です。
センスがないわけではない、と思っていいのでしょうか・・・???
もしよろしければ、お返事いただけると大変嬉しく思います。
No.3
- 回答日時:
お邪魔します。
先日、遅ればせながら?三島の「仮面の告白」ですっかりすっかりノックアウトされてしまった者です。^^
中学生当時、友人に「仮面の告白良いよーー凄いよーー読みなよーー」と強力に薦められ、読んではみたものの、すっかり「嫌いな苦手な作家」としてリストアップしておりました。
現在20代後半。(あ、女性です)
中学生で仮面の告白を良い、と言った彼女は、やっぱり凄い(早熟?)と改めて感じます。
難解。。。
そうですねえ、元々私の好きな作家の筆頭だった芥川に比べると「時代感?」がありますよね。
ン?芥川の方が時代が古いのに。。。
其処が彼(芥川)の凄さなのだろう、、、と。
でも、何て言うか、、、
私が勝手に思い描く三島の人物像そのまんま、と感じています。
ちょっと堅苦しく見えて、、、それでも外せないのは「無邪気で愛すべきひと」と言う、親しみ、です。
私の母親が、三島の自決をテレビでリアルタイムに見ていた、と言う、何ともショックな話を子どもの頃に聴きました。
自殺、それも割腹と言う、古めかしい時代錯誤とも言える死に方。
それが何を意図して、意味して、どんな影響をもたらしたのか?
ずっと頭の隅にあって、大きくなったように思います。
難解、と感じる理由は「文体の硬さ」のみであって、内容と思考はとてもとても柔らかくしなやかとも感じます。
文体に惑わされやすい作家、と言う気もします。
三島作品で読破したのは、仮面と「潮騒」。
(潮騒は彼独特の、、、と言う感じは薄まった作品かな、と)
中断中で「禁色」です。
全体は少々くらい色彩と陰影の中に、ちらちらと揺れる光と鮮やかな色。
今の所、三島作品の印象はこんな感じです。
学生を終えてからの読書の良い点は、我が侭勝手に好きな解釈が許される、と言う点ではないかな、と。
私等、先日こちらのカテゴリーで芥川の地獄変をネタにエロ談義をしてしまいました。汗
何らかの答えに向かって読み進む学生時代の読書と違い、
盲滅法行き先知らずで読み、勝手に解釈を付けた後、
評論家の解釈を読んで、これ違う!とケチをつけたり。。。
「わかる」では無く、「受け取ってもう一度作り直す」と言うようなつもりで私は読書をしています。
身勝手な読者です。。。苦笑
長々と申し訳ありません。
ご回答ありがとうございます!
お礼が遅くなってしまって申し訳ありませんでしたm(__)m
そうですよね、文章は本当に硬いです。ですが、わたしはそれに潜む三島氏のしなやかさは、まだ読み取れていないのかも、、しれないです。分析しだすとキリがないから、解釈をつけながら読むのが実は苦手で、雰囲気に惹かれて、気になって読み進めているうちに、読み終わってしまっている、そんな感じなんです、、読書全般的に。もう少し、じっくりと、本の世界をたゆたうようにして読むのが本当の読書家なのかなって思うと、自分に引け目を感じてしまいます。おそらく、yukkinn66さんは、本の世界を味わい尽くされているのだと思います。「受け取ってもう一度作り直す」なんて、まさに髄まで!って感じじゃないですか!
わたしも見習いたいです・・・・・・けど。。。。。。。今はとにかく数を読みたい気分でもあったりして^o^;
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