街中で見かけて「グッときた人」の思い出

マンション建替え円滑化法について

 いろいろわからないことがあります。どなたかご教示願います。

 【1】建替え円滑化法6条1項によれば、マンション建替組合は法人化しなければなりません。その法趣旨は何なのでしょうか?法人化されないことのデメリットは何ですか?

 【2】同法46条によれば建替え事業は、まず、規準(個人施行の場合)・規約(数人施行の場合)・事業計画の策定が必要とありますが、規準と規約の違いは何のでしょうか?そもそも規準とは?両者とも規約でよいのではないのでしょうか?

 【3】同法76条3項により、建替え時の権利変換計画におい権利変換を希望しない者に対し補償金の対象物が、先取特権・質権・抵当権・仮登記・買い戻し特約の登記に係る権利であれば、補償金を供託しなければなりませんが、これらの権利が登記されてはいないが、間違いなく存在する場合も同様に供託の必要があるのでしょうか?その必要があるとするなら、組合側はこれらの権利の存在をどのような方法で確認すべきなのでしょうか?

 【4】同法によれば建替え組合の設立・解散は知事の認可が必要と定められていますが、知事の認可に代えて、指定都市等の長の認可でも良いのでしょうか?例えば、大阪市内で建替え組合を設立する場合、大阪市長の認可があれば、大阪府知事の認可は不要でしょうか?マンション管理士試験の過去問の正誤問題で「建替え合意者は、都道府県知事又は指定都市等の長の認可を受けてマンション建替組合を設立することができる。」という問題で解答は「○」つまり「正しい」とありました。本当にそうなんでしょうか?正しいのであれば、知事の認可は不要ということになり、同法の条文に反するのではないかと思うのですが・・。

 書き連ねましたが、当方、法律は素人なので、教えていただければ幸いです。
 わかる範囲でも構いません。よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

マンション建替えを検討なさっている方ですか。

それともマンション管理士の勉強をされている方ですか。マンションの建替えの相談に乗られているマンション管理士の方かもしれませんね。
私は、そのうちマンション建替え法の解説本を書こうと思っているマンション管理士試験第一回合格者で、再開発プランナーでもある技術士(建設部門)です。弁護士資格はありません。
よろしくお願いします。

【1】法人化の趣旨/法人化されないことのデメリット

法人になるとその法人名で契約等の法律行為をすることができるようになるほか、次に述べるようにマンション建替事業をスムーズに進めることができます。

1-1)マンション建替組合は法人です。認可権者による設立認可によって法人格が備わります。建替えに参加する区分所有者は、マンション建替組合の組合員になります。

1-2)マンション建替え法は、マンション建替事業を施行する主体として、マンション建替組合と個人施行者の2つを想定しています。前者が法人(=マンション建替組合)で事業を行う場合で、後者が法人を作らないで事業を行う場合です。前者のマンション建替組合を作ってやるやり方を組合施行、後者を個人施行と言っています。

1-3)組合施行と個人施行では、やり方が異なっていて、個人施行の場合は全員の同意を取りながら事業を進めていきますが、組合施行では組合員による総会の多数決で進めていきますのでスムーズな事業遂行が可能になります。

【2】規準と規約

2-1)個人施行は、1人でやる場合と複数人でやる場合とで、マンション建替事業を行う上で必要となる基本的な事項を定めた取決めの名称が異なります。前者の場合が、規準であり、後者の場合が規約です。

2-2)違いは、規準には複数人の場合に必要となる事項(46条の4号~6号の事項)は定めないということだけです。

2-3)本質的にはあまり違いがありませんから、なんでわざわざ名称を変えているのかという疑問は当然のこととと思います。それは、規約というと複数人の間の約束という意味合いが含まれるので、1人の場合には不適切と考えられたのではないかと想像しています。

(規準又は規約)
第四十六条  前条第一項の規準又は規約には、次の各号(規準にあっては、第四号から第六号までを除く。)に掲げる事項を記載しなければならない。
一  施行マンションの名称及びその所在地
二  マンション建替事業の範囲
三  事務所の所在地
四  事業に要する経費の分担に関する事項
五  業務を代表して行う者を定めるときは、その職名、定数、任期、職務の分担及び選任の方法に関する事項
六  会議に関する事項
七  事業年度
八  公告の方法
九  その他国土交通省令で定める事項
 
【3】未登記の先取特権等のある場合の供託の必要性/権利の存在の確認方法

よく考えてらっしゃいますね。私もそれが気になっていました。法律はしなければならないことは書いてあっても、したほうがいいとか、しないと結局トラブルってしまうから実際はせざるを得ないことなどが書いてないのですよね。
登記されていないと意味のないものもありますが、権利があることが明らかなら私は供託すべきと思います。ただ、信頼される弁護士さんの意見に従ったほうがいいと思います。
確認方法は契約書等でしょうが、その権利者と区分所有者から事情をよく聞くことが重要と思います。

【4】知事の認可に代えて、指定都市等の長の認可でも良いのか。

お察しのとおり、市長に認可権がある場合は、都道府県知事には認可権はありません。マンション建替え法128条でご確認ください。

なお、「又は」という意味は、どちらでも良いということではなく、どちらかが良い(Aの場合もあればBの場合もある)という意味で使われています。申請者が、どちらかを選べるということではありません。

(大都市等の特例)
第百二十八条  この法律中都道府県知事の権限に属する事務は、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)、同法第二百五十二条の二十二第一項 の中核市(以下この条において「中核市」という。)及び同法第二百五十二条の二十六の三第一項 の特例市(以下この条において「特例市」という。)においては、政令で定めるところにより、指定都市、中核市又は特例市(以下この条において「指定都市等」という。)の長が行うものとする。この場合においては、この法律中都道府県知事に関する規定は、指定都市等の長に関する規定として指定都市等の長に適用があるものとする。

以上、文字数が限られてますので、簡単な説明になってしまいましたが、ご容赦ください。

参考URL:http://tkkk.main.jp/tk/
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この回答へのお礼

 詳細な回答・解説ありがとうございます。

 小生、マンション管理士試験取得に向け、学習中の者です。

 どなたからも、なかなか回答を頂けなかったものですから、焦っておりました。

 ご回答いただいた内容は、大変実務的かつ明快で、素人の私にとって非常に助かります。

 Its great answer!

 今後、参考URLも参考にさせていただきながら、勉強に励みたいと思います。


 

お礼日時:2010/07/24 22:57

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