「中学受験の水溶液、溶質を限度量溶かす…」
本日はじめてこのサービスを利用させていただきます。
いろいろとご指導ください。
さっそくですがお尋ねしたいことがあります。
現在、中学受験の家庭教師をしています。
その中で、水溶液に関する解説がありました。
かいつまんで説明すると、
「50℃の水100gに溶質A、Bはそれぞれ20g、30gとけます。
この2つを溶かした後…」
と問題は続きます。
そして、この設問は“このA、Bが「同時に」限度いっぱい解ける”
ことを前提に進んでいきます。
確かに自分も(そして友達も)中学受験の時にはそう習ったのですが、
大学受験の参考書では、(これも簡単に書きますが)
「溶解は水和水のとり合いだから、2つのものを解かせば、
当然、各々の溶ける量は限度量よりも少なくなる」
と明記されております。
私の説明不足で違った印象を与えてしまいかねませんが、
中学受験のその問題と、大学受験の解説している部分は、
同一の事象を指しています。
これは、小学生にはそんなことは知らぬ存ぜぬで解説をすればよいのか、
そもそも私が誤解しているのか、どちらでしょうか?
もちろん、この他にも電流などの問題で、
とってつけたような解説が横行しているのも認識しており、
この水溶液の問題もその一部であってもなんら不思議ではないのですが、
誤解が恐くて質問させていただきました。
何卒、よろしくお願いします。
A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
>大学受験の参考書で「溶解は水和水のとり合いだから、2つのものを
>解かせば、当然、各々の溶ける量は限度量よりも少なくなる」
大学受験の参考書でこのように書いてあるものを見たことがありません。
大学の教科書にはこのように書いてあります。
高校化学では共通イオンが無い場合は1つの物質の溶解は他方に影響を
与えないことが前提です。たとえば、塩酸の電離度も1が前提ですが、
常識的に間上げれば100%電離するはずはありません。
そもそも、水和水のとりあいとは何でしょうか?
イオンにまわりに極性をもつ水がとりついて、イオン体積が大きくなる
ように見える現象です。これによって、電荷の局在化が小さくなります。
ここを考えると、水和水の残りが減って、他方の溶解度が減るように
思います。実際にそのようにはなりますが、それほど大きな影響は
出ません。
それよりも大きな事は、陽イオンと陰イオンが分散することによる
エントロピーの増大です。溶解度が温度が高くなると大きくなる現象は
これによって説明できます。従って、一定の体積に分散できる(溶解できる)
溶質の質量は他の物質に関係なく決まるのです。
この回答への補足
Saturn5様
ご丁寧な回答ありがとうございます。
とても参考になります。もう少しだけお伺いしてもいいでしょうか?
>>大学受験の参考書で「溶解は水和水のとり合いだから、2つのものを
>>解かせば、当然、各々の溶ける量は限度量よりも少なくなる」
>大学受験の参考書でこのように書いてあるものを見たことがありません。
実際書いてあるので、どう申し上げていいのか分からないのですが、
この教えてgoo!では具体的な書名を挙げてもいいのでしょうか?
書名の一部を言うと「新研究」です。
(難関大学の受験生では割と有名です)
> 大学の教科書にはこのように書いてあります。
> 高校化学では共通イオンが無い場合は1つの物質の溶解は他方に影響を
> 与えないことが前提です。
確かに。これは理解しています。(少なくともそのように思っていました)
ただ、その書籍での説明は、
「しかし、実際には、加えた溶質の分子やイオンの相互作用によって
溶解度が減少することが知られている。」
と明記されております。その例として「飽和食塩水に硝酸カリウムを溶かす」事例が
挙げられています。
結論として、
「一般に、同一の溶液に2種以上の溶質を混同して溶かした場合、
(中略)
そのいずれもが単独で純水に溶解した時の本来の溶解度よりも
少量しか溶解できなくなる。」
とあります。
もし、この説明と私の質問の意図がズレているのであれば、
ご指摘ください。(誤解しているかもしれません)
Saturn5様のご説明にあった、
> たとえば、塩酸の電離度も1が前提ですが、
> 常識的に間上げれば100%電離するはずはありません。
> 水和水の残りが減って、他方の溶解度が減るように
> 思います。実際にそのようにはなりますが、それほど大きな影響は
> 出ません。
ここまでのお話は、
「実際の溶解する量は、限度量よりも減るが、
理論上(少なくとも受験では)は、影響がないと考える」
という解釈でよろしいでしょうか?
以下の説明は、化学を先攻していない私には“正確”には
理解できないかもしれません。(イメージは掴めるのですが)
> それよりも大きな事は、陽イオンと陰イオンが分散することによる
> エントロピーの増大です。溶解度が温度が高くなると大きくなる現象は
> これによって説明できます。
これはなんとなく分かります。
> 従って、一定の体積に分散できる(溶解できる)
> 溶質の質量は他の物質に関係なく決まるのです。
この「従って」の部分が、自信がありません。
少なくとも、2種以上の溶質を溶解する場合は、
「ほとんど影響しないにせよ、溶解度は減る」ことは“実際”には起こるのですよね?
> 従って、一定の体積に分散できる(溶解できる)
> 溶質の質量は他の物質に関係なく決まるのです。
の置かれている状況は、理想期待の方程式と同じですか?
(つまり、pv=nRT は巨視的な部分では近似的に成立するが、厳密ではない)
Saturn5様のお時間をいただいてすみません(汗)
何卒、よろしくお願いします。
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