No.1ベストアンサー
- 回答日時:
荒唐無稽系の仮想戦記に辟易しているのでしたら、
「連合艦隊ついに勝つ」(著:高木彬光)をお勧めします。
ただ、展開があまりに地味(あくまで、史実でもあり得た
別の選択肢を選んでいたらどうなるか?のレベルで、
新兵器なども出てこない)なのが難点でしょうか。
もう少し派手な展開を望むなら、「レッドサン・ブラックスロス」
シリーズ(著:佐藤大輔)でしょうか。展開は一見荒唐無稽に見えて
緻密な考証のもとに進められており、新兵器も現存したものや
技術発展の許容内で有り得たであろうレベルのもので、
荒唐無稽系の仮想戦記とは一線を画しています。
No.5
- 回答日時:
「波動大戦」と続編の「続・波動大戦」はいかがでしょう?
ちょっと文章が「軽いのり」ラストが完璧にSFになってしまう所を除くと、
結構まともですよ。
陸海空の自衛隊が実弾を使用する総合演習を行う当日、東海大地震が発生。
演習場へ移動中だった陸上自衛隊と海上自衛隊の艦船が実弾装備のまま救援に向かったところ、
静岡県三島市を中心に半径何十キロの範囲が突然、第二次世界大戦末期の日本へタイムスリップする、という設定。
この物語の特徴は、荒唐無稽な兵器ではなく当時の日本を強くしていくのです。
大量生産の流れ作業の方式を取り入れたり、部品の規格を統一したりして、生産性を上げ不良品発生率を無くしていったり、軍隊だけではなく日本の国そのものを強化する、という話の流れ。
もちろん当時開発中だったり構想だけはあった新兵器を完成させたりもします。
No.4
- 回答日時:
#3です。
なんだか人様の質問にケチだけつけてしまった気がして申し訳ないので、仮想戦記ではないですが良書を紹介します。
「海上護衛戦」大井篤・著
http://www.amazon.co.jp/%E6%B5%B7%E4%B8%8A%E8%AD …
「血沸き肉踊らざる戦記」と呼ばれる良書です。長らく絶版にありましたが、学研文庫で再び日の目を浴びることになりました。「兵站」という日本人が最も苦手(というか、全く考えない)な分野から見た太平洋戦争の「真実」です。南方へ戦略物資を求めて進出したはずの日本ですが、それを手に入れても「どう利用するか」を全く考えず、無駄と非効率を再生産し続けて敗北へ向いました。その過程がよくわかります。
「やっぱり勝てない?太平洋戦争」やっぱり勝てない?製作委員会・編
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81 …
他の回答者さんが紹介した「レッドサン・ブラッククロス」の著者、佐藤大輔氏はかつてアド・テクノスというボードシミュレーションゲームを製作する会社にいました。元々、レッドサン・ブラッククロスはボードシミュレーションゲームだったんです。それを小説化したのが佐藤氏の作品です。他の凡百な作品とは基本からして違うのです(小説家の脳内だけで完結せず、どういう形であれ検証がされている)。
そのかつてボードシミュレーションゲームをデザインしていた人たちがゲームデザインのために集めた資料を基に考証を重ねたのがこの本です。この本の著者たちと、佐藤氏は当然交流があり、かつてはシミュレイターという専門誌を作っていた関係でもあります。
「戦艦大和は無敵」「ゼロ戦は無敵」という日本人戦記ファンなら誰もが一度は心から信じる「神話」をこれでもかと叩き潰してくれる本です。
No.3
- 回答日時:
私も戦史好きで、仮想戦記の類いは多く読みましたが、ああいうのはアクション映画みたいなもので日本人としてアメリカ軍が泣いて逃げるところを何も考えずに楽しむものだと思っています。
アクション映画を見て「なんで主人公に弾が一発も当たらないんだ」なんてツッコむのはヤボってもんでしょう?現実世界というのは、想像以上に厳しいものです。
例えばノモンハン事変で大損害を受けた日本軍戦車隊に対して、仮想戦記では対戦車戦を考えた新型戦車が登場してきます。しかし、当時の日本軍ではそれはどうやっても無理だったのです。
まずエンジンの性能がとんでもなく低かった。馬力のあるエンジンが作れなかったのです。エンジンが非力だから、重量が出るそれなりに装甲を伴う戦車は作れない。それに鋳鉄技術が低いからT-34やM4シャーマンのような一体成型の砲塔なんて夢のまた夢。チハ(九七式)はリベット打ちになっているけど、リベットなんて頭が吹っ飛べば破片が車体の中を跳ね回るから危険極まりないし、強度も全くないんです。でも、電気溶接技術は海軍の機密中の機密で陸軍に教えるなんてことは絶対ありえませんでした。
それに徹甲弾の質がまた悪かった。悪名高いチハの57mm砲ですが、口径だけを考えるとドイツのIII号戦車(初期型)は37mm砲だしソ連のBT戦車も45mm砲だから悪くない。むしろ大口径なほうです。しかし砲の質が悪くて初速が遅く徹甲弾もロクなもんじゃなかった。エネルギーつうのは質量×速さの二乗ですから初速が遅い砲は対戦車砲として失格だけどそういうもんが作れなかったんです。全ては基本的な製鉄技術の低さとそれに伴う質の悪さに尽きます。
ゼロ戦も防弾が一切なかったと批判されますが、その原因はやっぱり栄エンジン。栄エンジンは馬力が低かったんです。その馬力がないエンジンで列強に匹敵する性能を出そうと思ったら軽量化しかありません。もしゼロ戦に防弾装置をつけたら重くなって凡百な戦闘機で終わっていたでしょう。
その後継機の烈風は2000馬力級エンジンを求めたら三村なら爆撃機用かよとツッコみたくなるようなバカでかいエンジンにしかならなくてアホみたいにデカい戦闘機になってしまいました。
だからといって液冷エンジンを作ろうと思ったら、メッサーシュミットBf109のダイムラーエンジンをライセンス生産しようとしたらこれが全く作れない。あの三式戦闘機飛燕のエンジンです。とうとう開発を諦めて空冷エンジンに換えたものが五式戦闘機でこれが皮肉にも陸軍最高の戦闘機と呼ばれることになりました。
でも高高度性能を考えると空気の薄い高高度では空冷エンジンじゃオーバーヒートしちゃう。液冷エンジンのほうがいいんだけど作れなかったんです。
そうです。エンジン。日本軍を悩ませたのは戦車だろうが戦闘機だろうが爆撃機だろうが全部エンジンの馬力と信頼性の低さなんです。馬力がなくて壊れやすい。最悪ですね・笑。
そのうえ質が揃わないんです。生産力が低いから「均一な質のものを生産する」ができなかったのです。あっちのものとこっちのものの性能が全然違う。それを整備士が必死で整備してなんとか使えるようにするんです。
一方いくら日本軍にゲタを履かせたところで、米軍はF8FにA-1スカイレーダーがあります。あーたね、スカイレーダーときた日にゃ単発艦上戦闘機なのに3トンも爆弾が積めて(B17なみ)、後にベトナム戦争でジェット戦闘機であるMig-17を撃墜する運動性能の持ち主です。2800馬力のエンジンなんて、日本が逆立ちしても作れまへん。
それとレーダーを含めた通信機の性能の低さ。レーダーは誤作動が多くて信頼性が低かったんです。しかも、高度とか大きさ(大編隊なのか数機なのか)なんてのも分からない。1945年でもそうでした。ドイツとイギリスは1941年のバトルオブブリテンでもうアルミ箔をばら撒いてレーダーを欺瞞するような電子戦をしていました。「レーダーで捉えた敵影に対して無線で迎撃戦闘機を誘導する」なんて英、独、米の各軍がやっていた芸当は夢のまた夢でした。IFF(敵味方)コードさえなかったんです。レーダーに映った機影が敵か味方かすら分からんのです。
つまり結局のところ、仮想戦記で日本軍を勝たせるためには荒唐無稽なゲタを履かせないことには覆らないのです。「歴史にIFはない」といわれるのはそういうことなんですね。
当時の日本軍は、間違いなくアジア1の軍事強国だったと思います。しかし、世界の軍事列強である英、米、独、ソの各国に比べると比べようもなく質量共に劣っていたのです。それが現実。
No.2
- 回答日時:
ラバウル烈風空戦録
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%90% …
史実よりも少しだけ日本の技術の進歩が早いだけです。
終戦まぎわでも、呂式震電(震電のジェット戦闘機)やホーミナグ式の酸素魚雷などがでてくる程度です。
ドイツの技術と日本の技術を合体させて生まれる新兵器くらいしかでてきません。
現実性がありながら、とんでもない兵器(?)がでてくるのが、「不沈空母・硫黄島」です。
硫黄島を現実よりもより徹底的な要塞化して持久戦をとります。
硫黄島陥落寸前に、日本海軍の秘密兵器(?)Dバルブの効果でとんでもない事態となり、アメリカが日本の停戦の呼びかけに応ずることになります。
Dバルブ自体は、パイプの中に海水を通したり止めたりするだけのものなのですが。
本の題名は忘れてしまいましたが、新兵器が全くでてこないのに、日本の勝利でアメリカを倒すものもありました。
真珠湾攻撃が失敗し、アメリカが太平洋艦隊を率いて日本にせまり、それを日本の機動部隊が破り、そのままハワイ攻略が行われ、アメリカを停戦に追い込むというものでした。
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